パリ 12月のマルシェ『サーモンのパルマンティエ,レモントリュフ風味』

悲しい事件の後、少しずつ立ち直りゆくパリ。街には例年通りのノエルのデコレーションがされて、華やぎ始めました。多くの人たちと同じように何も手につかない日々でしたが、久々に街へ出て歩いたときに、改めてパリは美しい街だなあ、と思いました。一人一人が胸には様々な想いを抱えつつも、私もまた日常を取り戻そうと、マルシェへ出かけてみました。
今日は、エッフェル塔の横、パリ7区Ecole militaire エコールミリテールにある市場通りrue Cler リュークレールへ。

通りには、毎年趣向を凝らしたデザインの灯りが。夕方からのお買い物の時がきれいです。

ここへ来るときの楽しみは、Davoliダヴォリへ行くこと。1913年創業の老舗イタリア食材店。おじいさんの代から100年以上、ずっと家族でやってきて4代目のお父さんと息子兄弟で、がんばっています。最初は、すぐ近くに住むイタリア料理家の友人につれて来てもらったのですが、すっかり気に入ってしまいました。何よりも、お店の人たちが皆感じが良いのです。近所に住んでいたら、毎日でも来たいくらい。

いつも圧巻のモノ量！ に加えて、ノエルのパネトーネも。イタリアの食の豊かさを感じます。ハムやチーズ、オイルや瓶詰めのアンティパストなども充実の品揃え。

奥の厨房で作ったできたてを出している、昼夜日替わりのお惣菜やデザートも人気。店の前には、熱々のお惣菜とテーブルがあるので、ランチもできます。

蓋を開けたら、力強い 白トリュフの香りにびっくり!! ノエルならではの贅沢です。ここのオリジナルのトリュフオイルも自慢の一品。

お向かいには、ここも1921年から続く老舗のハチミツ屋Famille Mary。フランス国内外から集めたもの、量り売りのもの、プロポリスから石鹸まで。ローヤルゼリーも気になります。ノエル用のお薦めは、4つのフレーバー、トリュフ、コアントロー、コニャック、ヴァニラ。どれもフォアグラやチーズに合いそうです。

お隣のチーズ屋さんFromagerフロマジェーで、「今の旬のものは？」と尋ねると、スイスから届いたGruyère Alpageグルイエール アルパージュ、生乳で造られたもので、24ヶ月の熟成です。手前は、これも旬のモンドール。

魚屋La Sablaise ラ サブレーズ、ここは鮮度もお値段もハイレベルです。貝や甲殻類も充実、パエリアや魚介のサラダも美味しそう！ この日は、パリでは珍しい見事な大トロが。お値段も大トロでした。

最近いろいろな界隈に増えているこのワインカーヴNysa ニサ。無添加、ノンフィルターのナチュラルワインやノンドザージュのシャンパーニュ、アルザスワインが良い。また普段用に、手頃で美味しいものもたくさんあります。

料理人ヴァテールが自害したシャンティー城が有名ですが、本場のクレームシャンティーを楽しめるお店Maison de la Chantilly メゾンドラシャンティーができていました。流行のヴァシュランに挟んだクリームと新鮮なフルーツがおいしそう。

クレール通り横のエピスリーL'Epicerie fine レピスリーフィヌ オーナーがセレクトしたこだわりの食材、スパイス、オイル、コンフィチュール、ブルターニュのサブレや塩キャラメルなどなど、お土産にしたくなるような可愛いパッケージの美味しいものがいっぱいです。

今日は、脂がのって美味しくなってきたサーモンを使ったパルマンティエを作ってみました。

■『サーモンのパルマンティエ, レモントリュフ風味』Parmentier du saumon aux citron et truffe

材料（4人分）
じゃがいも800g
塩鮭400g
タマネギ2コ
ほうれん草（またはクレソン）一束
パセリ少々
塩レモン少々
オリーブ油大さじ2
トリュフオイル 少々

1.じゃがいもを水から茹でて、マッシャーで潰す。
1.焼いた鮭をほぐして、みじん切りにしたタマネギとオリーブ油で炒める。
1.大きく切り分けたほうれん草をさっと炒めて、刻んだ塩レモンと混ぜる。
1.グラタン皿に2と3を敷いてから、1を載せて、180度に温めておいたオーブンで、20分くらい焼く。食べる直前にトリュフオイルを振りかける。

■Rue Cler リュー クレール
メトロ）８番線 Ecole militaire 駅下車1分

本当に、1年があっという間に過ぎました。今年もこのコラムを読んで頂き、有り難うございました。来年は平安ですてきな年になりますように。

──お知らせ──

今年も東京・代官山のキッチンスタジオで料理教室を開催いたします。
いつも、この連載コラムを見ていただいている皆さまにお会いできるのを楽しみにしております!!

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日程：12月19日（土）＜昼＞11時～14時、＜夜＞16時30分～19時30分の2回
会場：AL 2F Kitchen Studio
東京都渋谷区恵比寿南3-7-17 2F
www.al-tokyo.jp
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