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それって本物の愛? 相手を「愛する」と「夢中になる」の違いって?

  • 2023.6.6
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誰もが通る道。付き合いたての頃やシチュエーションシップ(友達以上恋人未満)のフェーズでは、常に相手のことで頭がいっぱい。朝起きたらテキストをチェックし、夜はラブコメのような2人のシナリオを妄想しながら眠りに就く。何か問題でも? おそらくこれは、「愛」じゃない(一時的な狂気と言いたいわけでもない)。あなたはただ、相手に夢中になっている。

それが新たな出会いで新鮮味を感じるならなおのこと、あなたは本気で恋に落ちた気分でいるかもしれないが、それは多分、興奮とスリルと欲望の強力なコンビネーションでしかない。「相手に夢中になるまでのスピードが非常に早く、そのほとんどは、強い魅力や憧れに加え、相手がいかに完璧な人であるかという幻想に焦点を当てています」と話すのは、マリッジ・ファミリーセラピストのリアンナ・ストッカード。「そのため、相手の本当の姿を知ると気持ちが冷める傾向にあり、長続きするものではありません」

とはいえ、その人物があなたのソウルメイトでもツインフレームでもないとは言い切れない。「夢中になる」ことから「愛」に発展することもあるけれど、この2つは同時には起こり得ないことを知っておく必要がある。後者には「深い思いやり、感情的な繋がり、相手への関心」が必須だと話すのは、ハーバード大学認定心理学者のコートニー・ウォーレン博士。「誰かと有意義で親密な関係性を築いていくうちに、愛は時間とともに深まっていくものです」

「愛する」と「夢中になる」の主な違いとは?

端的に言うと、夢中になると私たちは、相手に対し熱く激しく火花が散るような感覚を抱く。そしてそれは、現実や実際の繋がりではなく、あなたが頭の中で作り上げたファンタジーな人物に基づいている。ウォーレン博士いわく、出会ったばかりの人、目を奪われた人、ソーシャルメディアでフォローしているかわいい人、付き合い始めたばかりの人に対して夢中になりやすい。

一方で、愛は親密さと同時に時間とともに育っていくもの。「最大の違いは、相手をどれほどよく知っているか、どれほどの深い絆で関係が結ばれているかです」とウォーレン博士。「あなたが本当に愛する相手は、基本的に有意義な形で関係を育んできた人です」

愛でなく、夢中になっているサインとは?

ディズニー映画や昔のロマンティックコメディを見て育った人にはとくに、愛すると夢中になるの違いを区別するのが難しくもある。これらの感情は表裏一体にも見えるが、愛は深く、時間と信頼の結果により構築されるもの。夢中になるのは、より一層早く燃え上がるもの。でもやっぱり、両者を区別するのは簡単なことじゃない。

あなたの今の状態は、どっちかわからない? 以下に当てはまるなら、愛ではなく、夢中になっている……。

1. まだ相手をよく知らないに夢中になっている

一目惚れが存在するにせよしないにせよ、ウォーレン博士いわく、もしあなたが早い段階で(具体的に言うと、まだ有意義かつ確立された関係ではないとき)強烈に恋心を抱いているなら、それは夢中になっているサイン。「一般的に誰かに夢中になっているとき、私たちは実際にその人のことを人としてあまりよく知りません」とウォーレン博士。「相手の外見に焦点を当てており、意味のある形で愛着を抱いてはいないのです」

ストッカードいわく、夢中になっているときの感情とは、単にその人と一緒にいたいという気持ちよりも、一緒にいる必要があるように感じている。

2. 不安による身体的症状が出ている

おなかが痛くなったり、手のひらが汗ばむことは? 「その人と会ったり、その人のことを考えたりするだけで身体的な症状(ドキドキする、赤面する、汗をかき始める、めまいがする、興奮するなど)が出るようであれば、それは相手に夢中になっている結果です」とウォーレン博士。

3. 相手を完璧な人のように感じている

「夢中になることは、(愛というよりも)執着のようなものです」とストッカード。バラ色のレンズを通して相手を見ていたり、相手の欠点を知るほど十分な時間を一緒に過ごしていないからかもしれないが、どちらにせよ、今あなたが好きな人を理想の人だと信じ込むことは、夢中になっているサイン。

一方、愛するとは、ストッカードいわく「あなたのパートナーが完璧でないことに気づき、相手の欠点もそのままに受け入れること」。

4. 表面的なレベルの会話をしている

夢中になることは、本質的に表面的な繋がりを伴うため、おそらく深い会話ができていない。「あなたは、強い感情的な繋がりを持つのに苦労しているかもしれません」とストッカード。なぜなら、関係がまだ浅いからではなく、あなたが頭の中で築き上げてきた相手に対する考えが破壊されることを(無意識に、または意識的に)恐れているから。

愛しているサインとは?

以下に当てはまるなら、夢中になっているのではなく、愛のサイン。

1. 2人の関係性が、ゆっくりと着実に育くまれているように感じられる

2人の関係が、早く盛り上がり早く燃え尽きるのでなく、お互いに弱さを見せ合え、お互いのニーズを満たし合え、信頼を基盤に関係が築かれているなら、その関係は本物かも。「愛は時間とともに深まる傾向にあります」 とストッカード。「それが愛であるならあなたは、ゆっくりと時間をかけて、その人を深いレベルで知るようになり、相手を理想の人として見るのではなく、相手の不完全さや不安定さ、自信のなさや弱さを見て、それをありのままに受け入れていくでしょう。愛は、短く情熱的な夢中になる状態よりも長く続きます」

2. 感情を伴う深い会話をしている

より親密に深く相手を知ることで愛は生まれる。浅はかさは薄れていき、2人の繋がりは実際に大切なものを土台に築かれる。「夢中になる段階である表面的な事実とは対照的に、あなたはもっと感情的な会話をするようになり、より深く相手を知ろうとします」とストッカード。

具体的には、あなたは相手の話に耳を傾け、経済的なことや将来のことなど言いにくい話題を話し合うことができ、弱さや不安を共有でき、これらすべてをお互いが受け入れられるようになる。

3. 別れたらなかなか前に進めない

夢中になるとは、その感情がどれほど強いものに感じられても、一旦そこから抜け出すと立ち直りは比較的早く、すぐに他の誰かに夢中になることさえある。一方で、愛は違う。

「愛は、冷めることのほうが難しいのです」とウォーレン博士。「誰かを愛し、関係が終われば、簡単に前に進むことはできません。これが誰かを夢中になることとの大きな違いです」

4. 側にいると心から安心できる

親密なコミュニケーションや信頼を基盤に深い繋がりが築かれると、心から安心感を感じられるようになる。これこそが愛。

「ハネムーン期(付き合い始めの幸せな時期)を経ても関係が維持されていれば、大抵の場合、お互いの愛と思いやりに基づく安心感と確実な絆が深まる時期に移行していくでしょう」とウォーレン博士。

「夢中になる」から「愛」に変わることもある?

それは、イエスやノーで答えられるほど単純なものではなく、指でコインをはじくようなもの。なぜなら、夢中になっているときは、事実でなく空想に基づいているから。つまり、愛に変わるかどうかは、表面下にあるもの次第となる。

「もし、お互いが夢中になり、そこから関係を進めていく意思がある場合は、愛に発展したり、有意義な関係に進展する可能性はあります」とウォーレン博士。「それを実現するためには、お互いがお互いを知る努力をする必要があるのです。そしてお互いに、相手と相手の人生に対する幻想的な見方を手放すことです」

ストッカードいわく、夢中になっている相手の人間性や不完全さを思い出しながら、夢中である状態に屈しないこと。「完璧な人は1人もいません。相手を完璧な人だと想像しながら関係を構築することが、愛の発展を妨げるのです」ストッカード。そして時間が経つにつれ、「あなたは、相手との関係性が本物であるかどうか、相性がいいかどうか、相手の不安定さや欠点も受け入れられているかどうかに気づけていくでしょう」

誰かに夢中になることは、楽しくもあり、恋愛の初期段階では避けられないことも。でも、永続的な本物の愛を手にしたければ、夢中になることが実際にそれを妨げているかもしれない。本物の愛を探すことが目標なら、(あなたによって)理想化された相手に対する考えを疑い、実際に会話をして、相手のことをもっと学ぶようにウォーレン博士は提案している。ディナーデートを重ねたり、あなたが大切にしている趣味に誘ってみるのもよし。このような時間を利用して、お互いをより深く知っていけば、あなたもきっと本物の愛を掴める。 ※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。Text: MEGAN SCHALTEGGER Translation : Yukie Kawabata

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