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【紅茶のプロが解説】英国紅茶の魅力と、イギリスの「濃厚ミルクティー」を再現する秘密

  • 2023.6.3
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イギリスで紅茶が作られているのですか? レッスンでもよくある質問です。イギリスに茶園は一つしかありません。イギリスは紅茶やアフタヌーンティーの習慣と文化が根付いている国で、主な紅茶の産地はインドやスリランカ、また中国やケニアなどです。

紅茶の産地
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イギリスで飲まれる紅茶「ブレックファーストティー」の消費量が圧倒的と言えるでしょう。名称は「イングリッシュブレックファースト」や「アイリッシュブレックファースト」など紅茶会社によっていくつかありますが、その特徴はコクと深みのある「アッサムティー」(インド、アッサム地域で生産された紅茶)をベースにブレンドされていることが多いということ。「ブレックファーストティー」に冷蔵庫から出した牛乳を加えて飲むミルクティーが一般的です。一日に10杯近く飲む人も少なくありませんでした。

ミルクティー
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ロンドンで飲んだミルクティーが忘れられない

東京で淹れるミルクティーがロンドンで飲んだミルクティーの味にならない、と聞くことがあります。一番の理由は水の違いでしょう。ロンドンの水は硬水で東京の水は軟水です。(水に含まれるカルシウムやマグネシウムの量でWHOが基準を設けています。)

紅茶は軟水で淹れる方が水の色が美しく香りもたつのですが、コクという点では硬水が向いています。つまり、ブレックファーストティーを硬水で淹れると水の色は濃いこげ茶色でよりコク深い紅茶になり、ミルクティーにぴったりというわけです。

スコーン
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たっぷりのクロテッドクリームとイチゴジャムをのせたスコーンと、コクのあるミルクティーのマリアージュはロンドンの最高のご馳走のひとつかもしれません。

Happy Tea Time!

林原真澄

紅茶コンサルタント /(株)Masumi English Tea NY代表取締役。ロンドンで紅茶の専門家としてキャリアをスタートし、英国紅茶会社のブランドアンバサダーとして世界の5つ星ホテルで紅茶研修やイベントを数多く手がける。その後NYに拠点を移し、セミナーの主宰や執筆活動をへて帰国。16年の海外経験をいかし、東京で紅茶の可能性を広げる活動を行う。現在は、企業向けのティーコンサルティングや研修を中心に、ブランドや飲食店とのコラボレーションを実施。南青山のヴァルカナイズ・アカデミーにて「モダン・ブリティッシュティークラス」を毎月第3金曜日&第4水曜日開講中。★5月は19日(金)、24日(水)に開催。テーマは「上質なティータイム「NEWBY LONDON」】。

Text by Masumi Hayashihara

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