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身体ナビゲーションVol.81「健康維持のための口腔ケア」

  • 2015.12.11
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

2000年以降くらいから“口腔ケア”という言葉がよく使われ、口腔の状態が全身の健康に大きな影響を与えるということが周知されるようになりました。 前回までは“口からの消化の仕組み”をご紹介したので、今回からは口腔ケアの重要性とその主な影響について解説したいと思います。

●“口腔ケア”は生活の質の向上を目的とする

口腔ケアとは、口腔(口の中)の衛生状態を改善させることで、感染症予防、口腔機能や全身の健康維持・回復、日常生活の動作・生活の質の向上を目的に行うことです。

口腔が健康である状態とは

・よく食べることができる

・よく話すことができる

・人前でも大きな口をあけて笑うことができる

この3つが満たされていることとされています。要するに、かめる歯を持ち、正しく発音できる歯並びや舌の機能や唾液の分泌が正常で、美しい歯で口臭のない状態を指します。

●口腔の健康とQOL(Quality of ife)

口腔の健康は全身の健康に影響します。歯の全くない人はQOL(生活の質)が低く、20本以上残っている人に比べると身体的健康状態で10倍、精神的健康状態では3倍悪化したという報告があるほどです。

歯を失うとよくかまずに飲み込むことが多くなり、消化・吸収に影響します。また、噛み合わせが悪くなり、口と連動している周囲の骨や筋肉に影響を及ぼし、肩こり、首の凝りや頭痛、めまい、耳鳴りの原因にもなります。その他にも、イライラや疲労感、無気力、不眠などの不定愁訴と言われる症状の原因の一つともいわれています。

●虫歯と歯周病

歯を喪失する理由の大半は“虫歯”と“歯周病”であるといわれています。口の中には500種類以上の細菌が存在し、プラーク(歯垢)という細菌の塊をつくります。プラークには善玉と悪玉があり、その数は1mg中に1億個を超えるといわれています。

虫歯も歯周病もこのプラークが原因で起こる“感染症”です。感染症についてはインフルエンザやノロウイルスなどが、よく話題になっていますが、実は日本で一番、罹患者が多いのが虫歯や歯周病といった口腔内の感染症です。

●虫歯と歯周病予防のポイント

虫歯は歯の表面の空気に触れる部分がプラーク内の細菌が生産する酸に侵され歯の形が崩れていく病気です。以前は食後すぐの歯磨きが推奨されていました。しかし、今では食品に含まれる酸によって歯の表面にあるエナメル質が柔らかくなり、それを歯ブラシでブラッシングすると傷つきやすいことがわかり、食後20分ほど経ち唾液によってエナメル質が硬く戻ってからの歯磨きが推奨されるようになりました。

歯周病は空気のない場所を選ぶ歯周病菌が歯と歯肉の隙間のプラーク中に増殖し、歯の周囲を支えている組織が壊れていく病気です。歯磨きの際は歯と歯茎の境界もしっかり磨きプラークを除去することが大切です。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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