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学力もアップ! スマホゲーム風に「子どもの読書習慣」を定着させるコツ

  • 2015.12.9
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【ママからのご相談】

幼稚園年長の娘がいます。読書は子どもの学力向上にいいときいて読み聞かせをしていますがまだ自主的に本を読むようなそぶりはみせません。また、読書習慣は学力が上がると聞きましたが、 どのような読書活動が効果があるのでしょうか?

●A. 学習に有効な読書行動と、それを習慣化させるアイデアをご紹介します。

ご相談ありがとうございます。ゲームと教育の専門家大根はじめです。

読書習慣を身につけることは今後の学習へのやる気や学力の向上にも大切なことですね。文部科学省の2013年度『全国学力・学習状況調査』の実施されたアンケート結果からも子どもの学力と読書の強い相関関係が明らかになりました。

『小さいころからの本の読み聞かせをした』にあてはまる家庭の子どもほど学力が高い傾向にあることが明らかになっています。お母さまが十分に読書に興味をもつ下地を作っているのでは、と思います。このまま親子のコミュニケーションのためにも読み聞かせは続けてみてはいかがでしょうか。

このコラムでは、『平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究』で明らかになった、学力と相関がある読書行動と、定着のためにゲームの仕組みを生かした工夫をご紹介します。

●本を開いただけもらえる報酬『ログインボーナス』を与えましょう

スマートフォン向けのゲームはゲームを始めたユーザーに毎日ゲームにログインしてもらうための工夫をしています。つまり、習慣化をうながす工夫をしているのです。ゲームにアクセスしただけで報酬がもらえる『ログインボーナス』もその一つです。ゲームに有利になるポイントやコインなどを与えるのが一般的です。

まず、本を開いただけでポイントをひとつ与えてみてはどうでしょうか? 「ポイント15枚で次に欲しい本を買ってあげる」「本を開いたら好きなおやつをひとつ出す」などと、ちょっとした報酬で大丈夫です。また、スマートフォン向けのゲームでは「明日は○○ポイントがもらえる!」「連続アクセスでカードがもらえる」と、翌日もログインするモチベーションを与える工夫がされています。

読書が終わったら「明日も○ポイントあげるから合計○ポイントになるよ」「明日は○○にするよ」といったように、翌日の報酬をアナウンスしておくとさらにやる気が上がるでしょう。本を開いた日はカレンダーにシールを張るなども成果が目に見えて効果的です。

●図書館に行くこと習慣化してみましょう

調査で明らかになったのは学力と強く関わる行動として「子どもと一緒に図書館にいく」ことにあてはまると回答した子どもほど学力が高い傾向も明らかになっています。

まず月に1回、図書館に足を運んでみてはいかがでしょうか? お子さんが図書館に行くのは楽しいこと、面白いことと思えるように図書館の子ども向けイベントなどをきっかけに足を運んでもよいでしょう。「あ、ではじまる本を1冊みつけよう」「動物の本を借りてみよう」と、図書館で本を探すことにゲーム性を与えて本を探すきっかけとしてみてもよいでしょう。

おしつけの挑戦は子どものやる気やモチベーションを大きくそいでしまいますので、「~なさい」と命令系ではなく「~してみようか?」と誘い口調で誘導するとよりスムーズにいくでしょう。

●本を読んだ後に感想を共有する

「子どもと読んだ本の感想を話し合ったりしている」行動も学力との相関が認められる読書活動です。本を読み終わったら、読んだ本を一緒に振り返りつつノートやメモに読書記録をつけるのもお勧めです。話し合うだけでなく記録という形で可視化するとさらに効果が高まります。

ゲームもクエストクリアした後にそれを認める反応(リフレクション)や報酬があり、モチベーションを維持するのに一役買っています。本を読み終わった後に感想を共有するという反応があるのはただ本を読むよりもモチベーションが維持できる上に感想記録を可視化することによって自分が本を読んだという実感をさらに深めることができます。

1冊本を読み終わったら、本を読みきった行動を記録を一緒につけるという形で認めてあげましょう。書名と著者名、読んだ日(読み始めた日と読み終わった日)と印象に残ったシーンや心に残ったセリフなどどこにどうして感動したのかを書きとめると文章力ひいてはプレゼンテーション能力を鍛えるのにもつながります。

私が担当する専門学校の授業でもゲームクリエイターとして就職する訓練としてプレイしたゲームや読んだ本のどこがどのように面白く感じたのか? と言語化する習慣をつけるよう指導をしています。

読書記録は本1冊につきノート1ページ分、あるいは目も一枚と決めて読んだ数が目に見えてわかるようにするとよいでしょう。また、読み終えたらポイントやシールを与えてもよいでしょう。自分はこれだけ本を読んだんだ! という実感がさらなる読書活動へのモチベーションにつながります。

【参考リンク】

・保護者に対する調査について | 国立教育政策研究所(http://www.nier.go.jp/13chousakekkahoukoku/kannren_chousa/hogosya_chousa.html)

●ライター/大根はじめ(マンガ家)

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