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京都の老舗「本家尾張屋」の期間限定カフェがオープン

  • 2015.12.9

約550年の歴史を持つ蕎麦とお菓子を扱う老舗「本家尾張屋」の錦富小路店で、期間限定のカフェがオープンしています。そば粉やそばの実を使ったオリジナルスイーツやエスニックなメニューが楽しめます。

多くの観光客で賑わう錦市場のすぐそばに

地下鉄「四条」駅から徒歩約10分。四条富小路の交差点を少し北へ歩いたところに本家尾張屋の錦富小路店があります。本家尾張屋といえば、応仁の乱の前々年にあたる1465年に菓子屋として創業した京都屈指の老舗。江戸時代の中頃には蕎麦も扱い始め、蕎麦屋としても300年の歴史を誇ります。

そんな本家尾張屋が今年9月18日に、2016年3月27日までの期間限定でカフェをオープンしました。

京都屈指の老舗が、あえてそのルーツに向き合う

広々とした店内の中央には、長さ5メートルもあろうかという大きなテーブルが鎮座。天井から吊るされたライトは蕎麦屋のときからあるもので、貼られていた和紙をはがしてモダンにアレンジしたそうです。

今回、カフェをオープンした理由を尋ねると「ルーツであるお菓子に今一度向き合いたいと思った」と16代目当主・稲岡亜里子さん。稲岡さんは写真家としての顔も持つ異色の経歴の持ち主で、長い間日本を離れて生活するなかで得た視点を生かし、蕎麦菓子の新しい形や楽しみ方を提案したいと思ったと言います。そして、稲岡さんのアイデアに協力したのが友人の船越雅代シェフ。世界で活躍したキャリアを持つふたりが、日本の伝統的な素材「蕎麦」に向き合いました。

代表銘菓をアレンジ。和洋折衷の味わいを

人気のスイーツ「そば餅のケーキ」は、本家尾張屋の看板商品「そば餅」の皮の生地に自家製の餡を練り込んで焼き上げたもの。木の葉の形に仕上げ、表面にはチョコーレート、そしてそばの実と抹茶が散らしてあります。稲岡さん自身も子どもの頃からそば餅の皮が大好きだったそうで、このケーキの原型となるものはときどき、家庭の味として焼いていたと言います。

スポンジ部分は素朴な味わい。餡のやさしい甘みをチョコが引き締めます。ホイップクリームを付けながら食べると一転、洋菓子の味わいに。プチプチとしたそばの実の食感が楽しい一皿です。

シェフも驚いたというそばの実のタコスをご賞味あれ

ランチメニューもあります。「OWARIYA×MASAYO FUNAKOSHI TACOS」は、そばの実と旬の野菜で作った具材を本家尾張屋の蕎麦でも使っているそば粉で作ったトルティーヤで巻いていただくタコスです。

実はこの具材、メニュー考案時にはひき肉も使っていたのですが、実際にやってみるとそばの実自体に肉のようなしっかりとした食感と濃厚な味わいがあることを発見。最終的にそばの実だけで作ることにしたそうです。いただいてみると、確かにひき肉のようなコクがあって、ボリュームも満点。なのに、植物由来のせいでしょうか、あと味が軽くもたれません。そばの新しい魅力を知ることのできる斬新なメニューです。

こちらの錦富小路店はカフェ終了時で閉店となります。また、今後カフェオープンの予定はないとのこと。この機会だけのスペシャルメニューです。

さらに、船越シェフによるディナープランもあります。こちらは予約制。さまざまな国の味を知るシェフが腕をふるいます。ぜひ、足を運んでみてくださいね。

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