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それって共依存カモ!? 子どもの成長を阻害する「お膳立て症候群」とは

  • 2015.12.3
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こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。

子どもの成長とともに、「どこまで親が手を出していいのか?」「どこまで自分でやらせるべきなのか?」そんなご相談が筆者のもとに多く届くのですが、 中には行き過ぎな過保護も見受けられます。

実はこれ“お膳立て症候群”と呼ばれ、良かれと思ってやっている親御さんの思いが子どもの可能性を奪ってしまう結果になることさえあります。

そこで今回は、心理学でいう共依存から親子間のお膳立て症候群についてひも解いていきたいと思います。

●お膳立て症候群とは

わが子を愛するがあまり、すでに自分でできる年齢に達していることにまで、親が手を出し、全てをお膳立てしないと気が済まない、もしくは子どもの失敗に対して過度の恐怖心を感じてしまうことをいいます。

筆者のもとを訪れたクライアント様の具体例としては、小学生の歯磨きを「磨き残しがあってはいけないから」と母親がする。遠足の目的地に危険がないか、前もって子どもを連れて確認に行く。これらは特異な例ですが、よくあるのが翌日の授業の準備や洋服の準備を親がすること。これもお膳立て症候群の始まりだといっていいでしょう。

●子どもの失敗は成功のためのプロセスのひとつ

子どもが学校に行くのに忘れ物をするのは、物事に取り組むためには十分な注意を払って準備をしなければならないという学びのための失敗。洋服を自分で選んで準備をするのは、そのセンスを育む大切なトレーニングです。それを全て親がしてしまっては、子どもの感性や社会に対する適応性を親御さんがつぶしてしまうようなものではないでしょうか。

子どもたちは、足場の悪い所で走って転べば、そういった場所では走らないことを学びます。はさみで手を切れば、刃物を扱うときには慎重にならなければならないことを学びます。そういった日常の失敗は成長の大切な糧なのです。

●共依存にならないために

お膳立て症候群に陥ると子どもは、全てお膳立てをしてもらわないと何もできなくなってしまい、成長と共に親が子どもの支配下に置かれ、受験の失敗さえ親の責任になり家庭内暴力などの問題行動の引き金にもなりかねません。そこまで陥ってしまうと、親は子どもの全ての世話をすることでしか自分の存在価値を見いだすことができなくなってしまうという共依存にまで至ってしまいます。

そうならないためにも、子どもがボタンのひとつでも自分でかけられるようになったら、着替えには手を出さず最後に整えてあげる程度にする。時間がかかってでも部屋の片づけは自分でさせるなど、子どもの成長に合わせた“認め方”をすることが、子どもたちの健やかな成長には欠かせないのではないでしょうか。

人間の基本的な欲求には“承認欲求”というものがあり、自分でできることを認めてほしいという強い欲求があります。全てをお膳立てしてしまうのは、その承認欲求を親が満たしたいのであって、子どもの承認欲求は満たされないということを頭の片隅にでも置いていただきたいと思います。

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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