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100年前のレトロモダンな建物が残る大丸心斎橋店。改装前にアート鑑賞気分でショッピングを

  • 2015.12.1
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明治時代の建築家、ウィリアム メレル・ヴォリーズが100年前に設計した建物をメンテナンスしながら使い続けている大丸心斎橋店本館。しかし安全のために全面改装されることが決定しました。貴重な建物がそのままの状態で見られるのは2015年12月30日まで。星や動物をモチーフにした空間は今も色あせない、美しいデザインです。

創業1717年の百貨店、大丸。1933年に現在の建物が完成

地下鉄御堂筋線「心斎橋駅」から直接連絡し、心斎橋筋商店街にも隣接している大丸心斎橋店。呉服店からはじまった老舗デパートです。明治時代後半、アメリカの建築家ウイリアム メレル・ヴォーリズにより設計され、20年もの歳月をかけ1933年に完成しました。ステンドグラスや大理石、繊細なレリーフなど、アールデコ様式で彩られた巨大な建物は、西洋建築自体がまだ珍しかった当時の人々には驚きだったと想像できます。

教会建築をルーツにしたデザインがほどこされています

アメリカで宣教師をしていたこともあるヴォーリズの建築は教会の様式を取り入れたものが多く、大丸心斎橋店では特にキリスト教で重要な数字である八角の星のモチーフが多く取り入れられています。ただ星を描くだけではなく、立体感や奥行きを出すなど建築デザインとして素晴らしいものです。彩色や繊細なレリーフからも、手間ひま惜しまず作られたことが分かります。

幸運をもたらす動物たちのモチーフも発見

大丸心斎橋店には幸運をもたらす動物たちもあちこちにあしらわれています。心斎橋筋商店街側の入り口は荘厳なクジャクのレリーフがお出迎え。御堂筋側の玄関上にはウサギと亀のレリーフ、玄関ホール上には鶴とキツネのステンドグラスなど、イソップ童話をモチーフにした動物たちも。ほかにも外壁やエントランスなどいろいろなところに動物を見つけることができますよ。

歴史や時代の片鱗があちこちに刻まれています

大丸心斎橋店に残るヴォーリズの建築は、第二次世界大戦など戦争時に鉄など金属類を没収されてしまった箇所も。階段の手すりなどをよく見ると鉄でデザインされていた装飾が一部木材になっていました。大切に修復されたその跡からも100年という時を感じとることができます。

歴史を振り返る回顧展などを開催

12月2日(水)~30日(水)までは本館7階の催事場にて「大丸心斎橋店 回顧展」を開催。大丸の歴史が分かる写真や当時の広告、ヴォーリズが描いた心斎橋店の設計図など、貴重な資料を見ることができます。

各フロアでは改装前の売り尽くしセールも開催中です。

100年前の建物とは思えないほどモダンで普遍的なデザインのヴォーリズ建築。全国に彼が設計した建物が残っていますが、そのなかでも最高峰のデザインと言われているのが大丸心斎橋店です。外壁など保存できるところをできる限り残し、新たに本館がリニューアルオープンするのは2019年秋を予定。歴史が詰まった建物を改めて見直しながら、ショッピングを楽しんでみてくださいね。

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