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『BLUE GIANT』でも話題のブルーノート東京、行ったことある?日本最高峰のジャズ・クラブを体感してきた

  • 2023.3.24
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人気ジャズ漫画から誕生し、劇場でヒットを続けている長編アニメーション映画『BLUE GIANT』(公開中)。世界一のジャズプレーヤーを志し、日々鍛錬を重ねる若き演奏家たちの物語は、とてつもなくエモーショナルで、ハートを鷲づかみにさせずにおかない。情熱に突き動かされる主人公たちが目指すのは、ジャズの名門というべきクラブ「So Blue」のステージに立つことだ。

【写真を見る】プリンスやNe-Yo、Nasらとプレイしてきた次世代の凄腕ベーシスト、MONONEON(モノネオン)

このSo Blueのモデルとなったのが、原作のファンにはよく知られていることだが、東京の南青山にあるブルーノート東京。米ニューヨークの“Blue Note”を本店に持つジャズ・クラブで、様々なアーティストが出演しては連夜賑わいを見せているライブスポットだ。映画『BLUE GIANT』で、So Blueはジャズマニアが詰めかける店として描かれているが、実際のブルーノート東京の雰囲気をご紹介したい。

ジャズマンたちにとって憧れのクラブ「So Blue」 [c]2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 [c]2013 ⽯塚真⼀/⼩学館
ジャズマンたちにとって憧れのクラブ「So Blue」 [c]2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 [c]2013 ⽯塚真⼀/⼩学館
10代のうちにSo Blueのステージに立つことを目指す大たち [c]2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 [c]2013 ⽯塚真⼀/⼩学館
10代のうちにSo Blueのステージに立つことを目指す大たち [c]2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 [c]2013 ⽯塚真⼀/⼩学館

So Blueと同じたたずまいでうれしくなるブルーノート東京

まず、お店の外観からして原作や映画で描かれているとおりの佇まいでうれしくなる。歩道に置かれているガードレールの再現も忠実!?今日の出演者のポスターの前では、記念撮影をしているファンの姿もチラホラ。ドアを開け、階段を降りる構造も『BLUE GIANT』で描かれていた世界そのままで、壁一面に貼られたジャズ界のレジェンドたちのポートレイトは、まさしく壮観だ。

極上のライブステージが堪能できる日本最高峰のジャズ・クラブ「ブルーノート東京」
極上のライブステージが堪能できる日本最高峰のジャズ・クラブ「ブルーノート東京」

階段を降りると地下ロビーが広がっており、左手のクロークにはコートや荷物を預けることができる。右手にはチェックインカウンターがあり、ソールドアウトとなった公演でなければここで当日券の購入が可能。基本的にはチケットの発行はしておらず、webでの予約後、このカウンターでチェックイン手続きをすれば入場できる。電話での予約も一部座席は可能だが、公演によっては対応できない場合があるとのこと。アーティストグッズの販売がある場合も、こちらのカウンターで購入を。

ドアを開けるとジャズ界のレジェンドたちのポートレイトが壁一面に貼られたエントランスが
ドアを開けるとジャズ界のレジェンドたちのポートレイトが壁一面に貼られたエントランスが
『BLUE GIANT』で大とSo Blueの支配人、平が会話をしていた地下ロビー
『BLUE GIANT』で大とSo Blueの支配人、平が会話をしていた地下ロビー

ラスベガスのクラブを思わせる洒落た雰囲気のフロア

手続きを終え、音符に色付けされたお手洗いの表示に粋を感じつつ、地下2階のフロアへ。ブルーライトにうっすらと照らされたステージが目に入り、それだけで気分も高まってくる。客席はラスベガスのクラブのような洒落た雰囲気で、食事やドリンクを楽しんでいる方もいる。座席は、ステージに近いアリーナシート、ペアシート、4~6名用のボックスシート、サイドエリア、サイドソファとサイドボックス、そしてカウンターの6種類。すべて指定で、エリアによってはシートチャージが必要になる。

演奏を聴きながら食事ができるフロア
演奏を聴きながら食事ができるフロア

ミュージックチャージと呼ばれる入場料のほかに、飲食の1オーダーは必須。ドリンク一杯でもOKとのことだ。開演前に食事を楽しみたいなら、その45分~1時間前に設定されている開場時間に訪れてオーダーを。公演中もオーダーは可能だが、食事メニューのなかには開演後15分程度でオーダーストップになるものもある。

軽いおつまみ、デザートからディナーのフルコースに各種アルコールと幅広いラインナップが楽しめる
軽いおつまみ、デザートからディナーのフルコースに各種アルコールと幅広いラインナップが楽しめる

蛍光色の凄腕ベーシスト、モノネオンが登場!

この日行なわれたのは、新世代の凄腕ベーシストとして世界的に注目を集めるMONONEON(モノネオン)の来日公演。アメリカ、テネシー州出身のモノネオンはプリンスやNe-Yo、Nasなどの大物アーティストとプレイしてきた経歴を誇り、自身もアーティストとして活躍中。本公演は、ギターとキーボード、ドラムのメンバーを従えてのものだ。ジャズというよりはソウル~ファンクのアーティストだが、ブルーノートではジャズに軸足を置きながらも、異なるジャンルのアーティストを洋邦問わず積極的に招聘しており、音楽の多様性を世に伝えている。

蛍光色をあしらったコスチュームを身に着け、ベースのヘッドに蛍光色の靴下をかぶせるなどかなり個性的な出で立ちのモノネオンだが、その演奏技術はめちゃくちゃ高い 撮影/古賀 恒雄
蛍光色をあしらったコスチュームを身に着け、ベースのヘッドに蛍光色の靴下をかぶせるなどかなり個性的な出で立ちのモノネオンだが、その演奏技術はめちゃくちゃ高い 撮影/古賀 恒雄

客電が抑えられると、いよいよステージのスタート。モノネオンとバンドの面々は拍手に迎えられ、客席を横切ってステージに向かう。演者が客席を通ってステージに上がるパフォーマーのマナーは、これまた『BLUE GIANT』で描かれていたとおりだ。トレードマークの蛍光色をあしらったコスチュームに身を包み、蛍光色の靴下をヘッドにかぶせたベースを奏でながら歌うモノネオン。真剣に耳を傾け、リズムをとるオーディエンス。

ギターとキーボード、ドラムのメンバーを従え、ベースを弾きながら自らボーカルも務めるモノネオン 撮影/古賀 恒雄
ギターとキーボード、ドラムのメンバーを従え、ベースを弾きながら自らボーカルも務めるモノネオン 撮影/古賀 恒雄

最高の音響環境で観るライブに観客のボルテージも最高潮!

当然といえば当然だが、とにかく音がいい。天井から吊るされたスピーカーは、あらゆる客席に音が届くよう多方向に設定されている。各楽器のソロ演奏もくっきりと響き、実に心地よい。会場で飲んだビールの酔いも手伝い、立ち上がってつい踊ってしまったが、店員の方に訊くと「ほかのお客様にご配慮いただければ問題ありません」とのこと。ジャンルによっては、スタンディングで鑑賞するオーディエンスが多くなる日もあるとのことだ。

モノネオンはジャズというよりはソウル~ファンクのアーティストで、ブルーノートにおける音楽の多様性を感じさせる 撮影/古賀 恒雄
モノネオンはジャズというよりはソウル~ファンクのアーティストで、ブルーノートにおける音楽の多様性を感じさせる 撮影/古賀 恒雄

熱気に満ちあふれたパフォーマンスを終え、拍手や歓声に送られて、モノネオンとバンドメンバーは、最初に通った客席内の通路を横切り、去っていく。演奏は文句なしに素晴らしかった。それを支えているのが、ブルーノート東京の独特の空気感。演者と観客の距離が近いということもあるが、音の良さも相まってサウンドとオーディエンスの距離も近いものとして感じられた。音楽との緊密な関係を築ける場所、それがブルーノート東京とも言えるのではないだろうか。

観客も拍手をしたり、歓声を上げるなどフロアが熱気に満ちあふれていく 撮影/古賀 恒雄
観客も拍手をしたり、歓声を上げるなどフロアが熱気に満ちあふれていく 撮影/古賀 恒雄

ライブ後は“Bar BACKYARD”で余韻に浸ってみては?

終演後もドリンクやデザートのオーダーは可能。また、地下ロビーには“Bar BACKYARD”というバーも併設されており、グラスを傾けながらライブの余韻に浸ることもできる。未成年である『BLUE GIANT』の主人公たちよりも上の年齢の方には、ぜひオススメしたい。

取材・文/有馬楽

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