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【ハイライトまとめ】マーベル俳優がスキー衝突事故の裁判に勝利、賠償金「1ドル」を勝ち取る

  • 2023.3.23
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俳優のグウィネス・パルトロウが、他のスキーヤーとゲレンデで衝突した事故をめぐる裁判に勝利した。両者のあいだに一体何があった?裁判で明らかになったこととは?(フロントロウ編集部)

2016年、グウィネス・パルトロウとスキーヤーが衝突する事故が発生

『アイアンマン』や『アベンジャーズ』といったマーベル作品への出演で知られ、最近は美容やウェルネスに特化したライフスタイルサイト「Goop(グープ)」の運営に力を入れるグウィネス・パルトロウが、スキー中の衝突事故で相手の男性から訴えられた。

現地時間2016年2月26日、ユタ州パークシティにあるディアバレーリゾートのスキー場でグウィネスと元眼科医のテリー・サンダーソンが衝突する事故が発生した。サンダーソン氏は、コントロールを失ったグウィネスが、初心者向けの斜面を滑っていた自分に背後から激しく衝突し、そのせいで脳の損傷や肋骨を複数箇所骨折するなどの深刻な怪我を負っただけでなく、その後の人生の楽しみが損なわれたとして、2019年に310万ドルの損害賠償を求めて訴えを起こした(※ただし、310万ドルを求める最初の訴訟は棄却され、現在は30万ドルの損害賠償を求めている)。また、サンダーソン氏は、事故後、グウィネスは雪の上に倒れた自分を放置したまま逃げ去ったと主張している。

画像: 2016年、グウィネス・パルトロウとスキーヤーが衝突する事故が発生

一方、グウィネスはぶつかってきたのはサンダーソン氏のほうだと反論している。サンダーソン氏は、事故当時、自分は下にいて上から滑ってきたグウィネスがぶつかってきたと証言しているが、グウィネスはぶつかってきたのはサンダーソン氏の方だとして、2021年に1ドルの損害賠償と弁護士費用の支払いを求めて反訴を起こした。

画像1: ©︎Gwyneth Paltrow/Instagram
©︎Gwyneth Paltrow/Instagram

スキーヤー同士の衝突事故では、当事者が山の上と下、どちらにいたのかが過失を判断する際に重要となってくるが、グウィネスは山の下の方でスキーの指導を受けていた子どもたちのうしろをゆっくりと滑っていたと、法的文書のなかで供述(※)。さらに、事故後、サンダーソン氏が自分に謝罪した=非を認めたとも述べている。
※ほとんどの場合、上方からのスキーヤーは前方にいるスキーヤーに注意する義務がある。

双方の主張が食い違うなか裁判所が「当て逃げ」への見解を示す

現地時間3月21日、ユタ州パークシティの裁判所でこの衝突事故の裁判が始まり、グウィネスも弁護士と一緒に出廷した。

なお、この裁判では、グウィネスがサンダーソン氏の介抱をせずに事故現場を後にしたかどうかが争点のひとつになると思われたが、陪審員が宣誓する前に、ケント・R・ホルムバーグ判事はサンダーソン氏が主張する“当て逃げ”の疑いに関する議論を陪審員が聞くことはないと裁定。ホルムバーグ判事は、グウィネスがきちんと停止し、サンダーソン氏に大きな怪我がないと判断してから、当時、一緒にいたスキーインストラクターとともに事件現場を離れたことを、証拠により立証したと述べた。

画像: 双方の主張が食い違うなか裁判所が「当て逃げ」への見解を示す

裁判の初日の冒頭陳述で、サンダーソン氏の弁護士は、事故が起こる前、グウィネスはスキーをする子どもたちを見ていて気が散っていたと主張。対して、グウィネスの弁護士は、グウィネスが斜面の右側でショートターンをしようとしていたところ、サンダーソン氏が突っ込んできて、彼女のことが“見えなかった”、“申し訳ない”と謝罪したと語った。また、その際、グウィネスは頭にきてサンダーソン氏に強い言葉をかけたが、彼の弁護士が主張するように現場から逃げたわけではなく、代わりに一緒にいたスキーインストラクターが対応にあたったと説明。グウィネスの弁護士によると、スキーインストラクターから大丈夫かと尋ねられたサンダーソン氏は、大丈夫だと答えたという。

さらに、グウィネスの弁護士は、サンダーソン氏はスキー事故の約6年前に脳卒中のような症状を発症し、右目の視力を失っていることから、同氏が主張する健康問題が本当に事故に起因しているのか疑問を呈した。

グウィネスを訴えた男性が事故後の“問題発言”を釈明

事故後、サンダーソン氏はスキー事故に関するネットニュースの記事のリンクが添付されたメールを娘たちに送っており、そこには「私は有名になった」と書かれていた。

画像: グウィネスを訴えた男性が事故後の“問題発言”を釈明

一部でこのメールは、グウィネスのような有名人と事故を起こしたことで自分に注目が集まる状況を、サンダーソン氏が好意的に受け止めていたのではないかと解釈されたが、証言台でその真意を問われた同氏は、「繰り返しますが、事故の後は頭が混乱していました。私はただ、子どもたちが私が事故にあったということを他の人たちから聞く前に、自分から先に伝えようと必死になっていただけなんです。言葉選びを間違えました。自分の気持ちとはまったく違うものでした。深刻な状況を少しでも和らげようとしたのが裏目に出てしまったんです」と釈明している。

グウィネスは事故の瞬間、“性的暴行”を受けたと思い固まった

事故の瞬間、サンダーソン氏のスキー板がグウィネスのスキー板のあいだに入り、グウィネスは無理やり股を開かされるような状態になったことから、性的暴行を受けたのではないかとパニックになり、固まってしまったという。

画像1: グウィネスは事故の瞬間、“性的暴行”を受けたと思い固まった
画像2: グウィネスは事故の瞬間、“性的暴行”を受けたと思い固まった

なお、サンダーソン氏の弁護士から、何をもって性的暴行だと思ったのかと聞かれたグウィネスは、「スキーをしていたら、2本のスキー板が私のスキー板のあいだに入り、私の足を無理やり引き離しました。それから、誰かが背後から体を押しつけてきたんです」、「(性的暴行は)その瞬間に頭によぎったことでした。奇妙なうめき声がして、うしろに(サンダーソン氏の)体があったので、何が起こっているのか理解しようとしました」と証言している。

テイラー・スウィフトの名前が挙がる

事故とは無関係のシンガーのテイラー・スウィフトの名前が挙がる場面もあった。この裁判で、グウィネスは「1ドル」の損害賠償を求めているが、この金額は、2017年にテイラーが元ラジオパーソナリティのデヴィッド・ミューラーをセクハラで訴えた裁判で勝ち取った賠償金の額と一致している。

画像: テイラー・スウィフトの名前が挙がる

テイラーが賠償金を1ドルに設定したのは、お金のためではなく、自身の名誉と尊厳、そして声をあげることの大切さを示すためであったことから、グウィネスの弁護士は「(1ドルという額は)このような状況にあるすべての女性にとって、その価値は計り知れないということを象徴しています」と裁判で言及。グウィネスも、「私が求めているのは1ドルです。実際にはそれ以上の被害を受けているので、これは象徴的なものです」と共鳴した。

ちなみに、サンダーソン氏の弁護士から、賠償金の額を1ドルに設定したのはテイラーの影響かと聞かれたグウィネスは、「最初に聞かれたときに、テイラーの裁判のことはよく知らないと言ったと思うのですが、今は知っています。(テイラーとは)仲良しとは言いませんが、友好的ではあります。以前、子どもたちを連れて彼女のコンサートに行ったことがありますが、頻繁に話をするような仲ではありません」と答えている。

グウィネスの娘と息子が証言

事故当時、グウィネスと一緒にスキー場にいた、娘のアップル(18)と息子のモーゼス(16)も証言台に立つ予定だと言われていたが、出廷する代わりに供述調書が読まれた。

画像2: ©︎Gwyneth Paltrow/Instagram
©︎Gwyneth Paltrow/Instagram

アップル(※事故当時は11歳)もモーゼス(※事故当時は9歳)も事故の瞬間を目撃していないそうで、騒ぎを聞いて駆けつけたモーゼスは、スキーウェアを見て、事故に遭ったのが母のグウィネスであることに気づいたという。モーゼスによると、グウィネスが男性に向かって怒鳴る声が聞こえたそうで、Fワードと呼ばれる放送禁止用語を交えて「一体、何なの!私にぶつかってきた!」と言っていたと供述。

さらに、事故直前、モーゼスがグウィネスに「ママ、僕がスキーをしているところを見て!」と声をかけ、そのせいでグウィネスの注意が逸れたとサンダーソン氏の弁護団は主張していたが、モーゼスはそのようなことはなかったと否定した。また、グウィネスと一緒にいたスキーインストラクターがサンダーソン氏を怒鳴ったという主張についても、“ない”としている。

一方のアップルは、騒ぎが起きていることには気づいていたが、事故が起きた場所よりも下を滑っていたため、現場へは駆けつけずそのままロッジに向かったそう。また、ロッジに戻ったあと、グウィネスから事故について話を聞かされたそうで、「ランチのときに母から話を聞きました。何が起こったか話してくれました。母が少しショックを受けているように見えたので、何があったのか尋ねると、『あのバカ野郎は私に突っ込んできたの。彼は私の背中に突っ込んできたのよ』と言いました。そう言いながら、“背中にぶつかってきて、2人とも倒れてしまった”という動作をしたのを覚えています」とそのときのことを振り返っている。

グウィネスが裁判に勝訴、「1ドル」の損害賠償を勝ち取る

現地時間3月30日、陪審員が評決に達した。事故が起きたユタ州の法律では、下を滑るスキーヤーに通行権があるが、グウィネスもサンダーソン氏も自分の方が下にいたと主張していた。

3時間弱の審議の結果、陪審員はグウィネスに過失はなく、サンダーソン氏に100%の過失があると判断。グウィネスに1ドルの賠償金を支払うようサンダーソン氏に命じた。

画像: グウィネスが裁判に勝訴、「1ドル」の損害賠償を勝ち取る

今回の評決を受けて、グウィネスの弁護士は、「私たちは、この満場一致の結果に満足しており、裁判官と陪審員の思慮深い対応に感謝しています。グウィネスは、自分の信じることを主張してきた歴史があります。今回の状況も同様で、彼女は正しいことのために立ち上がり続けるでしょう」とコメント。

対するサンダーソン氏の弁護士は、「結果に失望していますが、私たちは法的プロセスを愛し、支持しています。ホルムバーグ判事、陪審員、スタッフの努力に感謝します。これからしばらくは、評価と今後の方向性を議論することになります」としている。

評決後にグウィネスが男性に声をかける

評決が出たあと、席を立って法廷を後にしようとしたグウィネスが、サンダーソン氏の方に近づいていって何かを声をかける様子がカメラにとらえられたが、米ETによると、「I wish you well(意味:お元気で、うまくいくことを願っています)」と伝えたという。それに対し、サンダーソン氏は「ありがとう」と答えた。なお、サンダーソン氏はグウィネスのこの行動について、「とても親切な方だと思いました」と米Extraに語っている。

画像1: 評決後にグウィネスが男性に声をかける
画像2: 評決後にグウィネスが男性に声をかける

その後、グウィネスは「虚偽の主張を容認することは、私の誠実さを損なうと思いました。私はこの結果に満足しており、ホルムバーグ判事と陪審員の方々の努力と、彼らがこの事件を慎重に扱ってくれたことに感謝します」という声明を出している。(フロントロウ編集部)

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