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―あのコの恋愛事情― 目の前の男と解決できないことは他の男とも解決できない 編

  • 2015.11.23
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皆さんこんにちは。15万本以上の爪を施術してきたネイリストでスキンケアカウンセラーの川上あいこです。ネイルサロンは不思議な空間。手を握り合ったまま過ごす約2時間。
手を握り合っているからなのか、リラックスした密室空間がそうさせるのか、秘密の内緒話しを打ち明けて下さる方がとても多い場所でもあります。親しいのに友人関係ではない。もしかしたら来月は会わないかもしれない。
近くて遠い関係だからこそ、プライドも恥もなく自分の真っ黒な本心さえも吐き出せてしまうのかもしれない。そんなサロンワーク中のみんなの恋のお話を切り取ってお送り致します。
※許可を頂いたものだけ掲載しています。※個人を特定できる情報が含まれないよう職業等にフィクションも織り交ぜています。ご了承ください。

■うまくいかない何か

「なんか最近彼とうまくいかなくて」ぽつぽつ話し始めたまゆみさん(仮名)。「彼とうまくいかない理由ってなんかあるんですか?」と聞いてみたら、小さなことがたくさんある感じ。会うタイミングが合わないとか、食事の趣味が合わないとか、連絡のすれ違いとか、想いのすれ違いとか。1つ1つは取るに足らないような小さな出来事なのに、チリも積もれば山となって二人に重くのしかかる。

■小さな出来事こそ隙間を大きくする

例えば、うまくいかない理由が彼の浮気なら、続けるのか別れるのかそれが問題で、例えば、彼の仕事の忙しさが理由なら、そのことだけを話し合えば問題は解決するのに、小さな問題が多くなると話し合うのが難しい。
すれ違いが大きくなって、合わないことが多くなってくると、ほんのちょっとの遠慮や配慮のようなものが増えてきて「私の気持ちをもう少しわかってくれても」だったり「こんなに我慢させるなんて、私のことを想っていないんではないだろうか?」なんて不安まで重なってくる。
2人の間の小さくも大きな隙間。さて、ここからどう解決したいいものか。

■目の前の男と解決できないことは他の男とも解決できない

「友達にも結構相談してるんですけど、みんな“ありえない”て反応で。やっぱりもっと合う人と付き合った方がいいのかな?て思ってるんです。」とまゆみさんは言う。「彼とは直接話し合ったんですか?」と聞いてみたけれど、直接対決はまだらしい。
ここでの一番大きな落とし穴って「相談」だと思う。人は面と向かって相手を否定することにもされることにも慣れてない生き物であって、相談と言っても「うんうん、わかるー!」という返事が返ってこないと、ついつい自分の正当性を並べてしまう生き物でもある。
「それは彼ひどいねー!まゆみは悪くないよー」(私だったらそんなこと気にしないけど)「別れた方いいんじゃないー?ありえないでしょ」(て言っておくか)
隠れた副音声つきの「相談」という時間は、お茶やお酒のつまみには持ってこいなんだけど、結局は二人の問題なのだ。
二人の間にある空気感や、直前までの会話、数日前の電話の内容まで含めて起きている「二人の隙間」なのであって、その瞬間だけを切り取ってどちらがありえないのか二人を一部しか知らない誰かがジャッジするなんて、簡単にできることではないのだ。
尚且つ、その相談相手が彼友だったり男性だったりするとたちが悪い。「男としてそれはないねー」て言われたら「やっぱり!」て思ってしまうし、彼友が「アイツはまゆみちゃんに本気だよ」なんて言われても「やっぱり!」なんて思ってしまって、彼との本質的な問題点ではなくて、自分や彼友の頭の中にいる彼と問題解決してしまったような気にすらなってくるのだ。

当たり前のことなんだけれど、彼との問題は彼と向き合うしか解決方法はない。「こう思ってるかも」「やっぱりそうなのかも」と自分の頭の中の彼と向き合うのではなくて、目の前にいる彼と話し合うしかないと思うのだ。「みんながこう言ってた」という多数決はこの際置いておいて、彼の心の中に直接問いかけることをしないと答えは出ない。
1人の人に向き合って、本心から会話をすることをしない限り、彼以外のどんな男と付き合ったところで、絶えず「隙間」は発生してしまうような気がする。彼に本心をぶつけるという作業は、思ったより疑いやすい自分を発見したり、ヤキモチ焼きの自分を再確認したり、ワガママな自分を感じたりと、自分にとってもカッコ悪くて痛い作業になると思うのだけれど、本当の自分でぶつかって「相手の気持ちとすり合わせる」という作業ができないと、ちょっとうまくいかなくなっただけで相手を変えてしまうだけで時が過ぎていってしまう。
恋愛を重ねる度に自分も年齢を重ねていくのに「言わなくてもわかって」の察してちゃんのままでは進歩がないし、同じことを繰り返すだけだったりする。
目の前の男と解決できないことは、相手を変えたって解決できないのだ。
話し合ってみて「合わない箇所」を見つけたなら、譲歩できる問題なのかとまた話し合うしかない。その結果「無理だな」と別れることになったなら、次はその部分も含めてお付き合いする人を探せばいいだけなのだ。
何か思うところがあったのか「彼と話してみる」とまゆみさんは決めたらしい。これが二人で乗り越える第一関門になるのか、別れの原因になるのかは来月のご来店時に報告を聞くしかないのだけれど、誰かと向き合う覚悟をした女性というのは一歩大人になった雰囲気で、なんとなく解決方向にいくんじゃないかな?という気がした。
誰かと本心で話すこと。カッコつけずに本来の自分で話すこと。そして、譲歩することや理解すること。恋愛って重ねれば重ねるほどに、自分の年輪を増やすチャンスでもある。(川上あいこ/ライター)
(ハウコレ編集部)(横田彩夏/モデル)(柳内良仁/カメラマン)

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