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カンヌでW受賞の話題作!250匹の犬がハンガリーの街を疾走する映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』

  • 2015.11.20
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今回は、ちょっと珍しいハンガリーの映画を紹介します。明日公開のその映画のタイトルは『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)』。ハンガリー映画を観られる機会もそれほど多くはないのですが、珍しい理由は本作の映像です。250匹もの犬が首都ブタペストの街中を疾走する驚きの映像を、なんとCGなしで撮影しているのです! たくさんの犬の中心にいるのは、自転車に乗る少女。少女と犬に一体何が起きるのか…? 250匹の疾走シーンから始まる本作は、冒頭から観客をブタペストの街に引き込んでいきます。

孤独を感じる少女リリの友達は愛犬のハーゲンだけ

両親が離婚し、母親と暮らす13歳の少女リリ(ジョーフィア・プショッタ)。自分を取り巻く世界に疑問を抱く多感なリリは、学校で所属するオーケストラでは問題児扱いされ、どこにも居場所がないと感じています。そんなリリの心のよりどころは、賢くて素直な愛犬のハーゲンだけでした。

しばらくの間、父親に預けられることになるリリ

ある時、母親の都合でリリは数日間、あまり仲良くない父親ダニエル(シャーンドル・ジョーテール)のもとに預けられることに。久しぶりに対面したダニエルは、リリが連れてきたハーゲンを煩わしく思い、邪険に扱います。雑種犬の飼い主に重い税を課す新たな法律(劇中の架空の法律)が施行されたこともあり、ハーゲンは同じアパートの住人からもにらまれてしまいます。

ダニエルに捨てられてしまうハーゲン

当局からの税金の催促にいら立つダニエルは、リリの反抗的な態度に怒り、高架下にハーゲンを置き去りにしてしまいます。ショックを受け、必死にハーゲンを捜し回るリリ。一方、リリのもとに戻ろうとしていたハーゲンは、執拗な野犬狩りを行う当局に追われ、迷い込んだ路地でホームレスに拾われていました。その時から、ハーゲンの長く壮絶な受難の日々が始まります…。

犬たちの“名演技”に圧倒される

ハーゲンがたどる運命は過酷で、途中、観ているのが少しつらくなりますが、様々な試練に立ち向かうハーゲンの姿に引き付けられます。

冒頭に登場した疾走シーンの理由が判明する後半の40分は、どの映画でも観たことのない迫力で、心が震えずにはいられません。出演したのは、保護施設から集められた犬たちがほとんどだそうです。ハーゲン役を2犬で表情豊かに演じたルークとボディの兄弟犬をはじめ、犬たちの圧倒的な“演技力”に驚かされます。彼らは、カンヌ国際映画祭で“パルムドッグ賞”を受賞したほか、本作に「ある視点」部門でグランプリをもたらしました。

撮影後、施設に戻すのを不憫に思ったコーネル・ムンドルッツォ監督たちが里親を募ると、「映画に出たスター犬を飼いたい」と話題になり、全ての犬たちが無事に新しい家族のもとに引き取られたそうです。素晴らしいですね!

リリが奏でるトランペットの音色がブタペストの街に響き渡る『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』。ハーゲンの目を通して見るブタペストは、どんな街なのでしょうか? ハンガリー発の本作で、驚きと感動をぜひ味わってみてください。

『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』

11月21日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー

2014©Proton Cinema, Pola Pandora, Chimney

監督:コーネル・ムンドルッツォ

出演:ジョーフィア・プショッタ、シャーンドル・ジョーテール/ルークとボディ

配給:シンカ/提供:シンカ、ミッドシップ/2014年/ハンガリー、ドイツ、スウェーデン合作/119分/シネスコ/後援:ハンガリー大使館/PG12

公式サイト:www.whitegod.net

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