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理学療法士が伝授! 背中の上部をほぐすストレッチ8選

  • 2023.1.29
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肩が耳に付きそうなほど猫背になって、パソコンの画面をのぞき込んでいる。自分がもう何時間この姿勢でいるのかさえ分からない。そんな人は背中の上部が驚くほど凝っているはず。幸いにも背中上部のコリは、セルフストレッチで簡単に解消可能。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

「私たちの目は頭の前面に付いているので、後ろより前に体を出すことのほうが圧倒的に多くなり、背中の上部が凝ってきます」と説明するのは、ピラティススタジオ『Balanced Body』のマスターインストラクターで理学療法士のキャリー・ラム。「背中上部のコリの主な原因は、パソコンを使う仕事、下を向いてスマホやスクリーンを見詰める行為、座りすぎ、腕を体の前に出して行う長時間の作業です」

背中上部の筋肉は“使いすぎ”や“使わなすぎ”でも凝ってくるので、定期的なケアが必要。ラムに言わせると、背中上部と首が凝っているのはバネがねじれているのと同じ。

フィットネスアプリ『Centr』認定パーソナルトレーナーのマリクリス・ラペによると、背中上部には広背筋、肩甲挙筋(肩甲骨)、菱形筋(肩甲骨を背骨のほうに引き込む筋肉)、僧帽筋という複数の筋肉がある。「仕事で座りがちな上に一貫した就寝前のルーティンがない人は、背中上部のストレッチを習慣の一部にしてください」

ストレッチに最適なタイミング? ラペによると、朝起きてすぐ長時間の睡眠で凝った体をほぐすのもよし、2時間ごとに数分間の休憩をとって凝った部分をほぐすのもよし。「そうすれば、テックネックにもなりにくいです。テックネックは、ずっと同じ姿勢でいたりスマホやパソコンを何時間も使ったりしているうちに、筋肉が緊張しっぱなしの状態になることです」

努力に見合う効果は得られる。ラムの話では、ストレッチを続けていると可動域が広くなるだけでなく、柔軟性と運動パフォーマンスが高くなり、ケガのリスクも低下する。

とはいえ、ストレッチにも“やりすぎ”はあり、ラムいわく骨粗しょう症の人は特に注意が必要。「胸部(背中の上部と真ん中あたり)に痛みを生じさせる臓器も複数あるので、背中上部のコリに息切れ、胸部の痛み、吐き気などの症状が伴うときは必ず病院へ行きましょう」

背中上部のストレッチ8選

1.出入り口で胸筋のストレッチ
Women's Health

1.出入り口(または通路の角)に立ち、腕をドアのフレームに引っ掛ける。2.腕をフレームに引っ掛けたまま、片足を前に出して少しだけ前かがみになる。胸が開き、左右の肩甲骨が中心に寄るのを感じて。3.頭と背中を一直線にして30秒ホールド。これを3~4回繰り返す。

プロのアドバイス:手の位置を高くしたり低くしたりするとストレッチの強度が変わる。片側ずつ伸ばすのもあり。

2.座位で体側面のストレッチ
Women's Health

1.椅子に座って背筋を伸ばし、足の裏を床にピッタリつける。2.息を吸いながら右腕を天井に向かって伸ばす。背骨が長くなっていくのを想像して。3.左腕はリラックスさせたまま、右腕を左に倒す。4.息を吐きながら右腕を真上に戻して、そこからゆっくり下ろしてくる。5.左右それぞれ5~8回ずつ。

プロのアドバイス:呼吸を上手に使いながら少し長めに(20~30秒くらい)ホールドすると、可動域が広がってストレッチが深くなる。

3.うつぶせのボールストレッチ
Women's Health

1.うつぶせになり、柔らかい小さなボール(直径20~25cm)を胸の下に置き、体の横で腕をつく。2.息を吸いながら胸を持ち上げ、ボールを少し前に転がす。3.息を吐きながらスタートポジションに戻る。8~10回リピート。

プロのアドバイス:「ボールを使うことで動かすべき体の部位が分かりやすくなります。背中の真ん中は、ストレッチでもないがしろにされやすい部分です」とラム。「ボールがないときは、あると仮定して同じ動きをしてください」

プログレッション:「可能であれば、胸と一緒に両腕を持ち上げて前に伸ばしてみてください」とラム。「胸を下ろすときも腕は残して、少し高くしてみましょう」

4.壁を使ったロールダウン
Women's Health

1.背中を壁につけて立ち、足を30cmほど開く。ヒザを軽く曲げ、ややスクワット気味になる。2.自分の体を壁から少しずつ剝がしていく。最初は頭で脊椎を1つずつ丸めとるイメージ。尾骨だけが壁についている状態になったらストップ。痛みが出ない範囲で行い、深く息をすることに集中しよう。3.腹筋を使い、息を吐きながら丸めた体を伸ばしていく。今度は脊椎を1つずつ積み重ねるイメージで、頭が壁についたらOK。これで1回。4.5~8回繰り返す。

プログレッション:スタート時に両腕を頭上に伸ばし、体と一緒に下ろしてくる。途中で一度、ゴールポストのような姿勢になるはず。

5.猫と牛のポーズ
Women's Health

1.よつんばいになり、手首を肩の真下、ヒザを股関節の真下に置く。背中は丸めず、ニュートラルな状態をキープして。2.息を吸って牛のポーズ。おへそを床に向かって落とし、アゴを上げ、背中を反らせて天井を見る。3.息を吐きながら猫のポーズへ。おへそを背骨のほうへ引き込み、背中を丸める。首をリラックスさせて、頭を下げる。これで1回。4.8~10回繰り返す。

モディフィケーション:背中が痛いときは背中を反ったり丸めたりせず、ニュートラルな状態にしておこう。

プロのアドバイス:ヒザが痛いときは、ヒザの下にタオルかヨガマットを敷くといい。

6.フォームローラーでチャイルドポーズ
Women's Health

1.ヒザをつき、腰幅より少しだけ広めに開く。2.腕をできるだけ前に伸ばし、両手をフォームローラーに押し付けながら広背筋をストレッチ。3.30秒ホールドしたらリリース。4.これを2~3回繰り返す。

モディフィケーション:チャイルドポーズが始めての人は、フォームローラーを使わずにやってみよう。「手のひらではなく指先をフォームローラーに押し付けるイメージで行うと、ストレッチが深くなります」とラペ。

プログレッション:慣れてきたら、フォームローラーの両端に手を置いてチャイルドポーズをしてみよう。広背筋が一段と伸びているのを感じたら、その状態から少しだけ体を起こし、ローラーをヒザのほうまで引いてくる。もう一度ローラーを前に転がし、チャイルドポーズ。このイン&アウトを何度か繰り返してみて。

7.フォームローラーで胸椎のストレッチ
Women's Health

1.あおむけになり、後頭部に手を当ててヒザを曲げ、足の裏を床にピッタリつける。2.フォームローラーを横向きにして、背中の真ん中あたりに当てる。息を吸いながら背中を伸ばし、胸を開く。このストレッチを痛いところまでするのは危険なので、気持ちいい範囲を超えないように。3.息を吐きながらスタートポジションに戻る。これを5~6回繰り返す。

プロのアドバイス:「これはデリケートな部位をケアするストレッチなので、長時間座ったあとは特にゆっくりと安定したペースで行いましょう」とラぺ。

モディフィケーション:椅子に座って背筋を伸ばし、後頭部に手を当てる。椅子の背もたれをフォームローラー代わりにして胸椎を30~60秒ストレッチ。

プログレッション:胸が開いた状態で腕を左右に伸ばしてみよう。親指を下にして(床につける必要はない)、30~60秒ホールドしてからスタートポジションに戻る。

8.糸通しのポーズ
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1.よつんばいになり、手首を肩の真下、ヒザを股関節の真下に置く。2.左手を右肩の下に通して、頭を床につける。3.この状態で30秒ホールド。右肩の向こうから左腕をそっと引っ張られているイメージで、背中の上部をひねって伸ばす。4.左右それぞれ2~3回ずつ。

プログレッション:このストレッチに2ステップ加えれば、可動域も広げられる。

1.上記のステップ1~2を行う。2.この状態を3秒ホールドしたら、肩の下に通した腕を天井に向かって伸ばす。その腕を目で追って、いまの可動域が許す範囲で上を見る。3.8〜10回繰り返したら、左右を入れ替えてリピート。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Andi Breitowich Translation: Ai Igamoto

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