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佐藤健“直木”の瞳に宿る優しさと切なさ…確かな演技力がファンタジックな物語を支える<100万回 言えばよかった>

  • 2023.1.21
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悠依(井上真央)を見守る直木(佐藤健)の優しい表情にキュン (C)TBS
悠依(井上真央)を見守る直木(佐藤健)の優しい表情にキュン (C)TBS

【写真】直木(佐藤健)に触れようとする悠依(井上真央)

井上真央が主演を務める金曜ドラマ「100万回 言えばよかった」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第2話が1月20日に放送された。直木(佐藤健)に何があったのかを譲(松山ケンイチ)と探り始める悠依(井上)。そのなかで切なさが増す佐藤の演技が光った。(以下、ネタバレがあります)

悠依と直木の切ない思いが胸に迫る

同ドラマは、運命だと思った相手を突然失った主人公・相馬悠依(井上)と、悠依の恋人で不可解な事件に巻き込まれて幽霊になった男・鳥野直木(佐藤)、なぜか直木が見えてしまうために2人の運命に寄り添わざるをえない刑事・魚住譲(松山)を中心に描く。

数奇な運命に翻弄(ほんろう)されながらも奇跡を起こそうとする3人が織りなす、“切なくて温かい”ファンタジーラブストーリーだ。

第2話は、切ない始まりだった。直木が譲に憑依したことで、幽霊としてそばにいると信じた悠依は、キャンドルに息を吹きかけてもらって炎の揺らぎで自分も存在を感じたいと願った。実現はできなかったが、直木がいるほうに手を伸ばし「大丈夫だよ、感じられるなら。大丈夫」と自分に言い聞かせるようにつぶやいて、ほほ笑んだ。

一方、直木は美容師の悠依が忙しさから立ったまま具なしおにぎりを食べる様子に「梅干しぐらい冷蔵庫にあるでしょ」などと心配顔。それに対するかのように「お昼食べてるだけで優秀」と言ったり、「あ~、腰痛い、座りたい」とのつぶやきに、直木が「1回座っちゃうとな」と言うと、悠依が「立ち仕事はね」と新たにつぶやいてと、まるで会話しているような雰囲気に。

切なくも、いまなお2人が通じ合っていることを彷彿とさせるシーンだった。そして、このあともシンクロする場面が多々あり、2人が本当に運命の相手だったのだと感じられた。

直木の失踪前の行動が徐々に明らかに

その後は、悠依が譲に直木に何があったのか調べてほしいと依頼し、幽霊の直木を交えて手掛かりを探そうとする様子が描かれた。

失踪前後の記憶がない直木だったが、ありかが分からないスマホのショートメールがPCと同期されていたことから、かつて悠依と直木が一緒に里親の家で過ごした尾崎莉桜という女性と連絡をとっていたことが判明した。

そこから第1話で描かれていたことの点と点がつながっていった。

里親だった広田(春風亭昇太)から莉桜を探して荷物を返して欲しいと頼まれていた直木。莉桜を探す過程で高原涼香(近藤千尋)と会おうとしていたのだが、その涼香は、譲が捜査している殺人事件の被害者だった。

また、終盤では、直木の遺体が見つかったかもしれないと警察に呼ばれ、違ったもののストレスから過換気症候群になってしまった悠依が、偶然助けてもらったことのある脳神経内科の医師・宋夏英(シム・ウンギョン)に診察してもらった。その悠依を心配して直木と共に迎えに来た譲を見た宋は韓国語で「ウソでしょ」とつぶやいた。

直木の“言えなかったこと”はいつか届くのか…

視聴者の考察も加速し、タイトルの略称「#金ドラ100よか」がTwitterのトレンド入り。その謎解きの面白さももちろん魅力だが、“幽霊”役の佐藤の演技力がファンタジーラブストーリーという物語をしっかりと支えているとよく感じる第2話だった。

幽霊となっても悠依を見守り続ける直木。冒頭で、仕事する悠依を見つめる直木の表情は優しさにあふれていた。しかし、過換気症候群になるほどに実は心が弱っていた悠依の瞳からあふれる涙をぬぐってあげることができない。その自分の手を見つめる悲し気な表情は一瞬にして見る者の胸を打った。

悠依が前に進んで行けるように、何が起きたかを解明しようと思いを強くする直木。

過去の回想シーンで、絵本「100万回生きたねこ」の感想として、「100万回泣いたら、そのあとは元気にピンピン生きてってほしい」と述べた悠依に、「悠依のそういうとこさ…」で直木は言葉を飲み込んだ。そんな直木に悠依は「薄情だって言いたいんでしょ」と言い、直木は「なんでわかんのよ」と返したが、本当は「すごく好きだって言えばよかった」と後悔していた。

その思いを伝えることができるのか。佐藤の演技と共に注目だ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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