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“酒大好き”妻、下戸の夫…「飲む人×飲まない人」の夫婦関係はうまくいくのか?事例3パターン

  • 2023.1.15
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「飲酒」が夫婦仲の分かれ目になることも?
「飲酒」が夫婦仲の分かれ目になることも?

忘年会やクリスマス、お正月とイベントが続いた年末年始。お酒を飲む機会が多かった人もいることでしょう。夫婦ともに楽しくお酒を飲むタイプであれば特に問題が起こることはないですが、どちらか一方が飲まない場合、夫婦関係にどのような影響があるのか、事例を紹介します。

お酒をやめて夫婦関係が良好に?

国税庁の報告によると、日本国内におけるアルコールの販売量は1996年度をピークに減少を続けており、酒類の消費量(成人1人当たり)も減少傾向にあることが分かっています。さらに、厚生労働省による「国民健康・栄養調査(2016年度)」では、特に若年層の男性の「習慣的に飲酒」する割合が減っており、逆に女性は増えているとしています。飲酒習慣の男女差が非常に小さくなっており、将来的に、女性のアルコール依存症者が増加することも予測されているようです。

夫婦間でも「夫は下戸、妻はお酒好き」でトラブルになるケースの相談が増えてきています。

里香さん(44歳、仮名)は、家で毎日飲むことはないものの、友人たちと食事をするときには楽しむ程度にお酒を飲んでいました。一方、夫の元哉さん(40歳、同)はお酒が全く飲めません。里香さんが酔っぱらって帰ってくるとあからさまに嫌な顔をして、お酒を飲む人のことを軽蔑するような発言をしていました。

里香さんは「毎週飲みに行くわけでもないし、たまの集まりに息抜きで行くのだから」と、そんな元哉さんを無視していました。夫婦関係は決して円満ではなく、仕事への取り組み方や、家事のやり方の違いでしょっちゅう、小さな言い合いをする状態でした。

ある日、友人の誕生日会に呼ばれ、飲み過ぎた里香さんは泥酔して帰り、玄関先でそのまま寝てしまいます。それを見つけた元哉さんは「みっともない。大人のくせに」と激怒し、里香さんをそのまま放置して、子どもたちを連れて2日間ほど実家に帰ってしまいました。もちろん、里香さんは子どもからも怒られました。

家族全員に合わせる顔がない里香さんは相当反省し、元哉さんに謝罪し、二度とお酒は飲まないと誓ったそうです。

「もともと体に合っていなかったのかもしれません。夫へのストレス解消程度で飲んでいましたが、きっぱりやめました。今は、夫の趣味であるテニスを私も始めて、それがストレス解消になっています。夫の言いなりになるのが嫌で、お酒をやめるのが嫌だっただけなのかもしれません」

ストレス解消法がお酒からテニスになった里香さんに、私は飲酒をやめるよりも、根本にある“円満でない夫婦関係”の修復を勧めました。

夫に隠れて飲酒を続け…アルコール依存症に

美由紀さん(52歳、仮名)の夫は、8歳年下の和樹さん(44歳、同)。美由紀さんが和樹さんに一目ぼれでした。美由紀さんはお酒が大好きでしたが、和樹さんはお酒が嫌いだったため、彼に「お酒を飲まないなら付き合ってもいい」と言われます。美由紀さんは承諾したものの、やはりやめることができず、隠れて飲んでいました。

結婚後、美由紀さんは不妊治療の末に出産します。不妊治療中や妊娠中、そして出産後に母乳を飲ませていた期間はお酒をやめていましたが、その後、また隠れて飲むようになりました。

初めは350ミリリットルの缶チューハイを1日2本と決め、買ってきて飲んだらすぐにマンション下の自動販売機横のゴミ箱に捨てていました。しかし、徐々に酒量が増えていき、お酒を家にストックするようになったのです。それが和樹さんに見つかるたびに大げんか。美由紀さんが謝り、飲まないと約束する…その流れを繰り返していました。

あるとき、和樹さんが事故に遭って入院します。美由紀さんは1人で家事全般をするようになり、がくぜんとしたといいます。

「子どもの塾の送迎はいつも、夫が車でしてくれていました。それを自分がやらなくてはいけなくなったとき、運転のためにお酒を飲まないでいることができなくなっていました。夫の送迎中に隠れて飲んでいたので、その時間になって飲まないでいると猛烈にイライラして、飲みたい欲求が湧き上がってきてしまって。『これはまずい、依存症になっている』と気付きました」

家からは遠いものの、美由紀さんは病院に通い始めました。和樹さんは「自分の入院で、飲酒のし過ぎに気付いたのならむしろよかった」と言ってくれたそうです。“災いを転じて福となす”の事例でした。

美由紀さん夫婦のケースは、妻だけがお酒を飲み、夫婦仲が悪くなっていたパターンです。しかしもちろん、同様の事例でも関係良好な夫婦もいます。

未知さん(38歳、仮名)は、外での1人飲みが大好き。居酒屋やスタンドバーの“ワンコインワイン”が好物です。一方、夫の浩之さん(38歳、同)はお酒を飲みません。未知さんが外で飲んでいるときは、大好きなゲームを1人で楽しんでいます。

「僕は1人でゲームをする時間が大切で、未知は1人でお酒を飲む時間が大切。だからちょうどいいんです。深夜0時近くになると、必ず未知から連絡が入ります。そうしたら僕が迎えに行って、一緒に帰ります。お酒を楽しんで上機嫌になっている未知を見るのも楽しいです。お笑い芸人みたいで面白いし」

浩之さんのように、お酒を飲むパートナーを、愛を持って受け入れていれば夫婦関係は良好でしょう。

お酒好きな人がお酒をやめることは難しいものです。たばこやコーヒー、パチンコなども同様でしょう。「私、お酒やめるから、あんたはたばこをやめなよ」と切り返されたら困ることになりますね。

飲酒による弊害をしっかりと確認してから結婚するのが一番ですが、酒量ごときで結婚をやめるというカップルはなかなかいません。ならば結婚後、トラブルになったときは、飲酒ルールを決めるなど改善策を講じてください。

「酒やめろ」「無理」。こんな平行線の会話は、夫婦仲をジワジワむしばんでいきます。互いの妥協点を見いだすしかありません。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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