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身体ナビゲーションVol.77「口から始まる健康」

  • 2015.11.13
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

前回までは、普段あまり意識することのない胆のうについてご紹介してきましたが、今回からは話をしたり、飲食をしたりと日常的によく使われる“口腔”について解説したいと思います。

●口腔の仕組み

近年、“口腔ケア”という言葉をよく耳にするようになりましたが、そもそも口腔にはどのような仕組みがあるのでしょうか。

口腔は、食物を細かくして取り込むための構造が備わった消化管の入り口です。また、鼻腔とともに呼吸の末端にもなっています。

体表の皮膚と口腔粘膜の境界を“赤唇縁”といい、一般的には“唇”と呼ばれています。通常、皮膚は最表層が角質化していますが、赤唇縁は粘膜部分が角質化していないため、粘膜上皮直下の毛細血管を流れる血液が透けて見え、唇が赤く見えるのです。

口腔は前方の“口唇”、側部の“頬”、上部の“口蓋”、下部の“口腔底”によって囲まれ、底部には舌があります。舌は粘膜で覆われた筋肉性の突起で、十分に伸ばすと7~8cmの長さになります(個人差があります)。また、筋肉がとても発達していて、咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)・発音なども担う重要な器官です。

歯を境に舌などがある内方を“固有口腔”、外方を“口腔前庭”といいます。口腔の上部の口蓋は、骨のある固い部分を“硬口蓋”、その奥の柔らかい部分を“軟口蓋”といいます。

歯の数は乳歯の時点では20本ですが、永久歯に生え変わると28本(親知らずを除く)になります。健康寿命を延ばすためには、80歳になっても自分の歯を20本以上残すことが推奨されています。

●唾液が分泌されるまでの働き

歯以外の口腔の組織は表面が粘膜によって覆われていて、唾液で湿潤(しつじゅん)しています。唾液は口腔の中でさまざまな役割を担っていますが、まずは唾液が作られる過程を見ていきたいと思います。

唾液は、血液から作られるさまざまな成分を含む弱アルカリ性の液体で、健康な成人では1日に約1.5L分泌されています。唾液を出す唾液腺は大唾液腺と小唾液腺に分けられます。大唾液腺には耳下腺・舌下腺・顎下腺があり、小唾液腺には口唇腺・頬腺・口蓋腺などがあります。

唾液には水分の多い漿液性(しょうえきせい)の唾液と粘度の高い粘液性の唾液があります。漿液性の唾液は主に耳下腺から分泌され、粘液性の唾液は主に顎下腺から分泌されます。

唾液の性質は自律神経によって支配されており、副交感神経が優位になると漿液性のサラサラな唾液が多く分泌され、交感神経が優位になると少量の粘度の高い唾液が分泌されます。緊張すると口が渇くのは、緊張によって交感神経が優位になり、粘度の高い唾液が少量しか分泌されないためです。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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