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【医師に聞いてみた】子どもの乾燥カサカサ肌、痒がって辛そう!保湿のためのスキンケアについて医師に聞いてみた

  • 2022.12.7
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肌がカサカサ、かゆい!見ていても辛くなる、子どもの乾燥肌。少しでも楽にしてあげられたら・・・。
そんなご家庭に向けて、今回はアルバアレルギークリニック院長、続木康伸先生に子どもの乾燥肌についてお伺いしました。



子どもの肌と乾燥

子どもの肌は、成人の1/2~1/3ほどしかありません。
また、生理的に肌の油分量(皮脂量)は変化し、生まれてから6歳くらいまでは生理的に皮脂が減ります。特に1~6歳のころは、皮脂がもっとも少ない時期ともいわれています。
また、子どもの場合には、肌の機能がそもそも未熟なため、肌のバリア機能が弱まったり、壊れたりすると、容易に肌の水分がなくなってしまいます。
乾燥した肌はドライスキンといわれますが、このドライスキンの状態では、すでに肌バリア機能が壊れていることが分かっています。
つまり、これらが重なり合うために、雪だるまのように乾燥した肌はさらに乾燥し、さらなるバリア機能の低下を起こしていきます。

乾燥すると痒くなるワケ

ドライスキンの状態は、すでに肌バリア機能が壊れていることはお話ししましたが、肌のバリアが壊れているということは、外の刺激から身を守れないということです。
つまり、普段は何ともないような外の物質が刺激になり、これらの刺激が、かゆみとなります。かゆみが治らないと、かゆくて掻きます。すると、さらに肌バリアが物理的に壊れるので、さらなるかゆみを引き起こします。
これが進んでいくと、赤くなる「紅斑」やブツブツした「湿疹」、また体中が傷だらけになったりします。

スキンケア製品の選び方とポイント
ママ広場


乾燥肌の場合のスキンケア製品は、「軟膏かクリーム」一択です。クリームより硬い感じが軟膏になります。一方で、保湿力は高いですが、塗りにくい面もあります。子どもがスキンケアの最中におとなしくしているワケはなく、どうしても短時間で塗りやすいローションや泡タイプを選びがちです。しかし、ローションと軟膏では保湿力が全く違うので、子どもの乾燥肌にはローションや泡タイプはおすすめできません。
スキンケア製品の成分としては、「植物・食物成分が入っていない」ことが望ましいです。これは、肌バリアが壊れている場合、肌からの物質が最もアレルギーを引き起こしやすく、スキンケア製品に含まれている植物・食物成分のアレルギーになるリスクが高いからです。成人の場合には製品は限られますが、小児の場合には、「植物・食物成分が入ってないという意味の無添加」を探すことは可能です。厳密な意味でいえばすべての物質はケミカルであり、ノンケミカルだと製品自体が成り立ちません。
この部分はあまりこだわらずに、保湿力に重点を置いた方がよいと思います。
また、ワセリンは肌の水分蒸散を抑える(バリア機能を高める)ことによる保湿効果は高いのですが、うるおいを与えるためのものではない点は覚えておいてください。肌の状態にあった保湿剤を選びましょう。

スキンケアのポイント

子どものスキンケアのポイントは、わかりやすくいえば、乾燥が防げれば、肌のバリア機能も回復するということです。
大切なのは「刺激となる汚れをとり」、そして「肌を守ること」ことに集約します。
つまり、「体を洗って」と「保湿剤を塗ること」ということです。
体を洗うことに関しては、毎日おふろに入ってもらってかまいません。泡タイプのボディソープを使い、泡だらけになるくらいの泡で優しく洗いましょう。ボディソープが残っているとかゆみにつながるので、しっかり流します。
また、入浴後に保湿剤を塗るのがベストです。出来るだけ早く塗った方がよいですが、例えば親と子どもでおふろに入った場合、髪を乾かすといった、大人の身支度時間などもあります。そんなときは、おふろに入っていない方が外で待機しているなら手分けするのがベスト、ベターは親の身支度が終わってから保湿です。

保湿していても乾燥が治らない、悪化するなら

保湿をしていても乾燥が治らない、かゆみが収まらない場合には、肌のアレルギーである「アトピー性皮膚炎」の可能性が高くなります。
「掻かないで」といっても、止められるものではありませんし、止まらないのが子どもです。
根本的なかゆみを早くとってあげることが大切です。
「治らない」と思ったら、すぐに病院にいって治療を開始するほうがよいでしょう。

[執筆者]

ママ広場


続木 康伸(つづき・やすのぶ)先生
アルバアレルギークリニック 院長

[プロフィール]
新生児から妊婦まで、九州や東京からも患者が訪れるアルバアレルギークリニック院長 。
これまでの経緯をよく聞いて、あなたの症状に対して薬を選び、これまでとは違った角度で血液検査の分析を行い、あなたのアレルギーを全く別の方向からアプローチすることを目指しています。

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