1. トップ
  2. 「恋と弾丸」世界配信で海外でも話題、エロさ・おもしろさ・かっこよさを両立させるドラマの狙い

「恋と弾丸」世界配信で海外でも話題、エロさ・おもしろさ・かっこよさを両立させるドラマの狙い

  • 2022.12.1
  • 257 views
「恋と弾丸」1話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館
「恋と弾丸」1話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館

【写真】ベッドシーンが繰り広げられる通称“桜の間”

MBS・ドラマ特区枠で放送中のドラマ「恋と弾丸」(毎週木曜夜0:50-1:20ほか)は、ヤクザの若頭・桜夜才臣(古川雄大)と普通の女子大生・ユリ(馬場ふみか)が運命的に出会い、激しく惹かれあう“烈愛”ラブストーリーだ。濃厚なベッドシーンが繰り広げられる通称“桜の間”をはじめとした耽美な映像美と、パワーワード満載のセリフ回しで、桜夜とユリのジェットコースターな恋愛を描き、活発な反響を集めている本作。どのようにドラマが作られているのか、MBSプロデューサーの上浦侑奈さんと、制作プロダクション・ソケットの櫻井雄一さんに話を聞いた。

「ドラマ特区」は深夜だからこそ挑戦できる

――「恋と弾丸」が放送されている「ドラマ特区」枠では、過去にもBLドラマ「美しい彼」やユニークな青春群像劇「夢中さ、きみに」など、幅広い作品を制作しています。この枠のコンセプトや狙いはありますか?

MBSプロデューサー・上浦さん ジャンルを決め込まず、枠内で幅広い作品を楽しんでいただけるようにしているのが狙いです。ドラマ特区枠は恋愛ものの印象が強いかもしれませんが、「ホームルーム」「教祖のムスメ」など、サスペンスやサイコホラーも放送していて、我々が今おもしろいと思うこと、新しくやってみたいことにチャレンジしています。深夜ドラマだからこそ、エッジの立った作品に挑戦できるところはあるかもしれませんね。

――「恋と弾丸」をドラマ化しようと考えたのはなぜですか?

上浦さん 過去に同じ「Cheese!」(小学館)さんの連載作品である「コーヒー&バニラ」をドラマ特区枠で制作したとき、ちょうどその頃連載が始まったばかりの「恋と弾丸」についても、勢いがある作品だとお聞きしていました。その後「ねぇ先生、知らないの?」の撮影で小学館さんの編集部をお借りしたとき、再び「恋と弾丸」に巡り合い夢中になりました。当時撮影でご一緒していた馬場(ふみか)さんとも、「恋と弾丸」の話で盛り上がったのを覚えています。“烈愛”という設定や、出会ってすぐ惹かれ合うところから物語が始まるのは、“カップルを愛でる”という近年の少女マンガのトレンド。同時に桜夜さんのヤクザという設定もあって、2人がただ幸せに過ごしていけばいいというわけではなく、危うさや怖さ、知らない世界への憧れも共存した物語になっているのが魅力だと感じました。

拍子木の音は劇団☆新感線オマージュ

出会ってすぐさま惹かれ合う2人 「恋と弾丸」2話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館
出会ってすぐさま惹かれ合う2人 「恋と弾丸」2話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館

――この作品をドラマにする上で、どのようにおもしろくできると思いましたか?

ソケットプロデューサー・櫻井さん この作品はひとことで言うと“エロおもしろい”。原作の名ゼリフの応酬、ツッコみながらも没入できるマンガのインパクトをどうドラマにするか考え、「劇団☆新感線だ!」と思いつきました。新感線は“おもしろいのにカッコいい”。この作品も、エロさ・おもしろさ・かっこよさの全てを両立させたいと思い、オマージュで拍子木の音などの演出を入れています。コメディのおもしろさではないので、笑わせようとしているわけではありませんが、“ネオ歌舞伎”のようなイメージで、ある意味舞台的な作品にしたいと思いました。

――桜が咲き乱れるベッドシーンの空間をはじめ、映像美が魅力ですが、スミス監督の起用理由を教えてください。

上浦さん スミスさんは比喩表現の天才。映像という言語によって人気原作である「恋と弾丸」を新たな形にするとき、ラブストーリーをありのまま撮るというだけではなく、原作の華やかな世界観を映像で再現し、いかにふたりの心情世界に正確に寄り添って、比喩的に“ラブ”の部分を描けるかが大切だと思ってお願いしました。

桜夜才臣役・古川雄大は「異次元の美しさと恐ろしさを持てる人」

危険なヤクザの若頭・桜夜才臣(古川雄大) 「恋と弾丸」1話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館
危険なヤクザの若頭・桜夜才臣(古川雄大) 「恋と弾丸」1話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館

――今回のキャスティングについてはどのように決まったのでしょうか?

上浦さん 桜夜さんについては、まず原作が35歳という設定なので、年上男性の迫力と余裕と色気を描くためにそこから年齢を下げたくないと思っていて。その年代であの異次元の美しさと恐ろしさを持てる人として、古川雄大さんほどぴったりの方はいらっしゃらないと思いました。

馬場さんのユリについては、まず強いヒロイン像。かつては守られるヒロインが多かったですが、「恋と弾丸」はヒロインが自分の力で乗り越え、成長していく姿が大きな魅力となっています。そこで女優として、モデルとして、グラビア巻頭表紙でも日々道を切り開きながら戦ってこられて、女性からの共感度が高い馬場さんにお願いしたいと思いました。原作通りスタイルも抜群で、ご本人が原作ファンで理解があるので、制作チームと同じ景色を見てくれると感じました。

勝気な女子大生・ユリ(馬場ふみか) 「恋と弾丸」6話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館
勝気な女子大生・ユリ(馬場ふみか) 「恋と弾丸」6話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館

櫻井さん 蝶子役の中村静香さんは、今まで比較的かわいらしい印象のキャラクターを演じることが多かったので、ああいう思い切った役、記号的な悪女を演じたらおもしろいんじゃないかと考えました。

ユリへの嫉妬に狂う蝶子(中村静香) 「恋と弾丸」5話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館
ユリへの嫉妬に狂う蝶子(中村静香) 「恋と弾丸」5話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館

木村慧人さん演じるジンは、この全員キャラが濃い物語の中で、唯一爽やかな正義の味方という印象の役なので、まっすぐさがある方に演じてほしかった。木村さんご本人もとてもまっすぐな方で、ドラマ出演はほぼ初めてということですが、裏でも緊張しながら練習する姿が初々しかったですし、馬場さんはじめとする共演者がそれを支えていました。

「恋と弾丸」6話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館
「恋と弾丸」6話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館

上浦さん 黒羽麻璃央さんのセミリオは原作だとロシアンマフィアですが、昨今の情勢下ではかえって現実が流入してしまい没入感を妨げると考え、どこかはわからないけれど海外マフィアという設定にしています。フルスイングでセミリオの狂気や恐ろしさを体現でき、迫力を出せる方ということで信頼してお願いしました。

櫻井さん 「恋と弾丸」ではかなり過酷な撮影になることが予想されていたので、チームワークが大事。黒羽さんは僕らも「コーヒー&バニラ」でご一緒したことがありますし、何より古川さんが信用できるキャストがいいと思いました。お2人はミュージカル「エリザベート」などでも共演されているので心強い。桜夜VSセミリオのアクションシーンも、肉薄して全力でできていたと思います。

タイなどアジア圏でも話題、超濃口の恋愛を楽しんで

――放送開始からの反響はいかがですか?

上浦さん 「silent」(フジテレビ)が同じ曜日で、他にも「ファーストペンギン!」(日本テレビ)、「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日)など強い作品がたくさんある中で、Tverの見逃し配信総合3位に食い込んだりと、ゴールデン帯のドラマに立ち向かうことができています。なかなかないことなので、引き続きぜひ多くの方に楽しんでいただきたいですね。視聴者にはキュンキュンしてくださっている方もいれば、未知の世界を覗く感覚で見てくださっている方もいます。ベッドシーンの桜が咲き乱れる空間をSNSで“桜の間”と名付けていただくなど、深夜にも関わらず盛り上がりながら見ていただけて嬉しく思います。また、ディズニープラスで世界配信されていることで、アジア圏、特にタイで大きな反響を得ているそうなんです。ヤクザという概念が海外にはないので、日本的な話としても楽しんでいただけているのかなと思います。

―—最後に、今後の見どころを教えてください。

上浦さん 5話(TVerで見逃し配信中)は“媚薬盛り盛られ回”で、蝶子と桜夜さんの対決が結末を迎えます。そして6話以降、ユリの幼なじみであるジンとの男のけじめや、ラスボスとして登場するセミリオと相対する中で、桜夜さんが今まで見せてこなかった顔を見せます。彼の本質的な恐ろしさ、狂気、そして愛情がより強く描かれていく。同時に愛情に飢えた人なので、ユリを愛する中で少しずつ成長する姿とのギャップにも魅力を感じてもらえると思います。

才臣(古川雄大)とジン(木村慧人)の対決も 「恋と弾丸」6話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館
才臣(古川雄大)とジン(木村慧人)の対決も 「恋と弾丸」6話より (C)「恋と弾丸」製作委員会・MBS (C)箕野希望/小学館

櫻井さん 6話からは対マフィアの戦いが始まり、物語の規模も広がっていきます。とにかく超濃口の恋愛なので、「silent」さんのように考察なんかはないんですが(笑)、めくるめく耽溺、エロさ、おもしろさを存分に味わってもらえたらと思います。

元記事で読む
の記事をもっとみる