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「チェンソーマン」も話題!「呪術廻戦」「進撃の巨人」「ユーリ!!! on ICE」を手掛けてきたMAPPAの10年と魅力に迫る

  • 2022.11.28
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スピード感あふれる戦闘シーンや、細部まで描き込まれた緻密な作画で人気のテレビアニメ「チェンソーマン」。制作を手掛けている株式会社MAPPA(マッパ)は、名作『この世界の片隅に』(16)をはじめ、「呪術廻戦」や「進撃の巨人 The Final Season」、「ユーリ!!! on ICE」など数多くの人気作や話題作を手掛けてきたアニメ制作スタジオだ。昨年設立10周年を迎え、さらなる飛躍を続ける同スタジオの作品を改めて考察してみたい。

【写真を見る】MAPPA制作の最新アニメ「チェンソーマン」の躍動感がすごい!

【写真を見る】MAPPA制作の最新アニメ「チェンソーマン」の躍動感がすごい! [c] 藤本タツキ/集英社・MAPPA
【写真を見る】MAPPA制作の最新アニメ「チェンソーマン」の躍動感がすごい! [c] 藤本タツキ/集英社・MAPPA

様々なジャンルの作品をハイクオリティに仕上げる確かな技術力

MAPPAは、マッドハウスで多くのヒット作を生みだしたプロデューサーの丸山正雄が、片渕須直監督の『この世界の片隅に』を世に送りだすため2011年に立ち上げた。2016年から大塚学を社長に、本社のある東京だけでなく、仙台、大阪にもスタジオを設立。制作工程を専門化させ、フリーランスのクリエイターを積極的に起用するなどして、世界観のまったく異なる作品を高いクオリティで数多く制作することを可能にした。また、作画に定評があり、「呪術廻戦」「進撃の巨人」「チェンソーマン」といった、原作の持つタッチや世界観を損なうことなく、物語に漂う空気感さえも落とし込んでいる。

そんな人気コミックを数多くアニメ化してきたMAPPAの第1号作品(手塚プロダクションとの共同制作)となったのが、1960年代の長崎を舞台に、ジャズに傾倒する高校生たちの青春を描く「坂道のアポロン」。音楽もののアニメは演奏シーンの描写が難しいとされるが、指の動きやスタジオに充満する熱気などがリアルに表現されており話題を集めた。また、ギャンブルの強さによって学内での優劣が決まる名門校が舞台の「賭ケグルイ」では、ギャンブルの手に汗握る緊張感や、味方をも欺かんとするキャラクターたちの不敵な表情が、アニメーションでも見事に表現されていた。

描画のあまりの細かさからアニメ化は不可能と言われていた「ドロヘドロ」もMAPPAが制作を担当した。同作は、魔法とスチームパンク、ホラーが融合したような世界観を持ったダークファンタジー作品。おどろおどろしさがありながら、緻密でスタイリッシュなテイストでファンが多く、アニメではテレビ画面からあふれだす独特のムードが魅力的だった。

このように、他社が二の足を踏むような、マニアックでダークさがあふれる原作を手掛けることが多い印象のMAPPA。2018年には、1980~90年代にかけて別冊少女コミックで連載された「BANANA FISH」をアニメとして甦らせた。主人公であるアッシュ・リンクスたちの苦悩や悲しい運命を2クールにわたって放送。深夜アニメとはいえ、ストーリーのヘビーさに多くの視聴者が嗚咽した。ほかにも、「かつて神だった獣たちへ」や「平穏世代の韋駄天達」など、一筋縄ではいかない作品をいくつもアニメ化してきた。

エッジの効いたオリジナル作品をいくつも発表

原作ものだけでなく、MAPPAはオリジナルアニメも数多く手掛けている。「残響のテロル」は、ある目的のために爆弾テロを引き起こそうとする少年ナインとツエルブ、それに巻き込まれていく三島リサの姿を描いたサスペンス作品。核やテロなどの社会問題に切り込んだストーリーが物議を呼んだ。一転、シュールなコメディ「パンチライン」のような作品も生みだし、音楽と劇中歌を小室哲哉が担当したことでも話題に。また、フィギュアスケートの世界を題材にした「ユーリ!!! on ICE」では、漫画家の久保ミツロウが原案・脚本・キャラクターデザインを手掛けている。羽生結弦ブームとの相乗効果で瞬く間に人気作となり、平昌オリンピックで須崎海羽と木原龍一のペアが同作の劇中曲を試合で使用するなど、現実のフィギュアスケート界にも影響を及ぼした。このほか、佐賀県を舞台にゾンビとなった少女たちがアイドルとして活躍する「ゾンビランドサガ」シリーズなどもあり、エッジの効いた視点もMAPPAの持ち味だと言えるだろう。

「チェンソーマン」にも生かされた躍動感ある動きと音楽

MAPPAは原作コミックのコマとコマの間を描くことにも長けている。例えば、「いぬやしき」での機械の体となった犬屋敷壱郎のメカの動きや「呪術廻戦」での目に見えない”呪い”の表現、「進撃の巨人 The Final Season」における立体機動の動きなど、原作では描ききれなかった部分を補強し、魅力をさらに引き出している。さらに、テーマソングにも定評があり、「BANANA FISH」でKing Gnu、「呪術廻戦」ではEve、「いぬやしき」にはMAN WITH A MISSIONを起用しヒット曲を誕生させてきた。

それらの手腕は最新作「チェンソーマン」でも発揮されている。主人公のデンジ(声:戸谷菊之介)たちが繰り広げる様々な悪魔とのバトルは躍動感にあふれ、米津玄師が作詞・作曲し歌うオープニング映像では、キャラクターがコミカルに踊る様子も。また、劇中歌をマキシマム ザ ホルモンが、エンディングテーマに関しては、Vaundy、ずっと真夜中でいいのに。、TOOBOE、anoらが担当し、毎回変わっていくという力の入りよう。第8話以降にもEve、Aimer、女王蜂、TK from 凛として時雨らが控えており、本編と同じくらい注目したいポイントになっている。MAPPAならではの技術力と表現力が注ぎ込まれた「チェンソーマン」から引き続き目が離せない!

文/榑林史章

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