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止まらない食欲、寝たりない…それって「ウィンターブルー」の恐れあり!?

  • 2015.11.6
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寒い時期が近づくにつれて、普段よりも過剰な食欲を“食欲の秋”という言葉でごまかしてみたり、“寝ても寝ても眠い”と感じたり……一度は経験をしている大人女子が多いのではないでしょうか。

寒い時期になると「いつもよりお腹がすく」「寝ても眠い」と感じるその症状は、実は“冬季うつ”の恐れがあるかもしれません。

そこで今回は、予防医療のスペシャリストである筆者が、“冬季うつの実態と解消法”をご紹介します。

 

■「冬季うつ」って?

最近では“ウインターブルー”とも呼ばれる冬季うつですが、もともとは冬になると極端に日照時間が短くなる北欧に多くみられる症状です。

しかし、近年は生活時間の乱れなどで日本でも各地で冬季うつに悩む人が増加しつつあります。ウインターブルーと呼ばれる冬季うつですが正式名称は“季節性気分障害”。

秋口になると憂うつな気分が続いたり、何に対しても興味や喜びを感じなくなったり、または心身ともに疲れやすかったり、自己肯定感が低くなったり、もしくは不眠や仮眠、食欲不振または過剰な食欲と実にさまざまな症状が出現します。

そして、春先になるとその症状が消えてしまうことが2年以上続いた場合に“季節性気分障害(冬季うつ)”と診断されます。

 

■「冬季うつ」の原因

原因に挙げられるのは冬場の日照時間が短くなることによって起こる睡眠ホルモンとも呼ばれる“メラトニン”の分泌が減少してしまうことです。

実は、このメラトニンは脳内で必須アミノ酸の1つトリプトファンを原料に、“セロトニン”が作られ、セロトニンが夜になると活動を停止してメラトニンへと働きが変わります。

しかし、日照時間が短いとセロトニンからメラトニンへの変換がうまく出来ず、体内時計が狂って睡眠に障害が起き、うつの症状の一因となってしまうのです。

 

■「冬季うつ」の予防と改善法

(1)体内時計をリセット

脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分にある体内時計のコントロールセンター。ここで1日の血圧や体温、時間によって分泌量の違いがあるホルモンなどのコントロールが自律神経を通して行われています。

体内時計のリセットは、朝に起きたら一番にカーテンを開け、朝陽を浴びる事で視覚から入った日光の刺激によって視交叉上核が刺激されリセットされます。

すると体内時計からの信号でメラトニンの分泌が止まり、目が覚めそしてその14~16時間後にまた体内時計の指令によってメラトニンの分泌が始まり穏やかな睡眠へと導いてくれます。質の良い睡眠を得るためには、朝陽の力で体内時計をリセットすることがとても重要になってくるのです。

(2)ランチには赤魚、おやつにはバナナを

トリプトファンを多く含む食品はマグロやカツオなどの赤魚がトップクラス。カツオ100gに対して310㎎、マグロ100gでは300㎎も含まれます。

また糖質やビタミンB6を一緒に摂る事でセロトニンに変換が促進されるのですが、カツオやマグロにはビタミンB6もしっかり含まれています。ご飯と一緒に食べれば、糖質も摂れるので、ランチはカツオやマグロのお刺身や煮魚の定食などがいいでしょう。

またバナナにはトリプトファンが100g中10㎎と赤魚と比べると少ないものの、ビタミンB6や糖質も含まれているので、小腹がすいた時などはバナナをチョイスすることがオススメです!

(3)朝の20分のウォーキング

朝陽を浴びながら20分程度のウォーキングをすると体内時計をリセットできるだけでなく、セロトニンの分泌も促されるので、ダイエットだけでなく冬季うつの予防のためにウォーキングがオススメです。通勤で一駅歩いたり、バスを徒歩に変えてみたりと工夫して歩くようにしてみましょう。

 

寒い日が続くと、あまり体を動かさずについつい暖かい部屋にこもりがちになります。朝や日中の暖かい時間帯に体を動かして“冬季うつ”を予防しましょうね。

【著者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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