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身体ナビゲーションVol.76「胆のうからのSOSサイン」

  • 2015.11.6
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

前回は、普段あまり知られていない胆のうの構造や働きについてご紹介してきました。胆石などで胆のうを切除したという話は珍しくはないので、「なくても大丈夫なのでは?」と思われているかもしれませんが、やはりないといろいろと障害があるものです。今回は胆石などで胆のうを失わないよう、胆のうからのSOSサインをご紹介したいと思います。

●胆のうの大敵

胆のうの大敵として一番に挙げられるのは多過ぎる脂質です。胆汁の成分の1つであるコレステロールは、同じく胆汁の成分である胆汁酸とリン脂質の力を借りて胆汁中に溶け込んでいます。しかし、コレステロールの割合が高くなると、溶け込みきれなかったコレステロールが少しずつ固まり、やがて指で潰せる硬さの石のような塊が胆のうや胆管の中で作り出されます。その大きさは数mmから数cmとさまざまです。

なお、分泌物などの成分が固まって石のようになったものを結石といい、主成分がコレステロールであればコレステロール結石といいます。コレステロール結石ができる原因はまだ明らかになっていませんが、脂質の多い食事を頻繁にとる人や、肥満、ストレスの多い人にできやすい傾向が見られます。

肉の脂身や揚げ物など脂質の多い料理を控えることは、生活習慣病の予防にもなるので、肉類を食べるときは豚カツなどの揚げ物や油で炒めたものを避け、網焼きや、蒸し物など調理方法にひと工夫するといいでしょう。

●胆石症の症状3つ

●(1)激しい痛み

胆のうや胆管で作り出される結石の種類は、70%がコレステロール結石、残りはビリルビンを主成分とするビリルビン結石などです。胆のうや胆管で作り出される結石のことを胆石と言い、胆石が作り出されるこの病気を胆石症といいます。

胆のうの中にある胆石は、胆汁を絞り出すために胆のうが収縮すると、そのはずみで動いて胆のう管に引っ掛かることがあります。すると、それを押し出そうとして胆のうはさらに収縮するため、激しい痛みを引き起こします。その痛みは右側の肋骨の下あたりから始まって、右側の背中から肩甲骨、肩にまで及ぶことがあり、胆のうの筋肉が疲れて緩んだり、胆石が胆のうの中へ戻ったりするまで1時間~3時間も続きます。

また、胆石が総胆管をふさぐと、そこを通ることができない胆汁が肝臓を経て血液中に逆流するため、黄疸を引き起こします。なお、胆石があっても症状の出ないことも多いため、胆石は『サイレントストーン(沈黙の石)』と呼ばれることもあります。

●(2)白便

十二指腸で働いた胆汁のうち、ビリルビンは腸内細菌の働きによって、ウロビリノーゲンに変換され、大部分が便と共に排泄されるので、便には黄色っぽい色が付きます。しかし胆石によって胆汁の流れが滞ると便に色が付かないため、白っぽい便が出ることがあります。

●(3)胆のう炎

胆石が胆のう管や総胆管に詰まり、そこへ大腸菌などの細菌が繁殖すると、胆のうに感染して炎症が起こる胆のう炎を引き起こすことがあります。腹部の右上あたりが長時間(人によっては5~6時間)にわたって激しく痛み、手で触れて分かるくらいに腫れることもあります。

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胆のうの症状は背中や肩などから痛みを感じ始めるケースが多いため、単なる凝りと間違えられやすいので注意が必要です。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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