【エアコン】暖房のついた部屋、換気しないとどうなる？“効果的な換気方法”をプロに聞いた

換気をしないといけない…と、わかってはいるけれど、寒いからどうしてもサボりがち。でも、新型コロナウイルスやインフルエンザが流行っているし、どうしよう…。

今の時期は、このような悩みを抱いている方も多いかもしれません。では、換気をしないことで、実際にどのような影響があるのでしょうか？ また、換気をするべき頻度は？

気になるその疑問について、今回は三菱電機の久田 優美さんに答えていただきました！

換気をしないと、身体にどのような影響があるの？

--まだまだ寒さの厳しい日も続きそうですよね。「換気をしないと…」と思ってはいるのですが、外気で部屋が冷えてしまうことが躊躇われ、なかなか実行にうつせないことがあります。
しかし、そもそも換気をしないことで、実際に身体へどのような影響が考えられるのでしょうか？

久田さん：換気は、新型コロナウイルスの感染予防対策として近年重要視されていますが、特に寒さや乾燥が厳しくなる冬は、風邪やインフルエンザ、ホコリなどアレルギー対策としても重要です。また、換気をしないことで、結露によるカビ発生なども体調不良の要因になることも懸念されます。

--なるほど。流行り病に目が向きがちですが、アレルギー対策の観点でも換気は有効的なんですね。

換気をするべき頻度は？

--近年はリモートワークも普及して、毎日自宅で過ごすようになったという方もいらっしゃるかもしれません。今の時期は一日中暖房をつけている…なんてことも多いと思います。
その場合、どのぐらいの頻度で換気をするべきでしょうか？

久田さん：2003年７月に建築基準法が改正され、これ以降に建てられた全ての建築物の居室には24時間換気システム等の換気設備の導入が義務付けられていますが、弊社で24時間換気システムに関する調査を行った結果、約4割の人が「自宅にあることを知らない」、「24時間使用できていない」ことがわかりました。

--言われてみれば…私も、自宅に24時間換気システムがあるか知らないです。そもそも、そのような換気設備があることを、今回初めて耳にしました。

久田さん：松本さんのような方も珍しくないので、安心してください。
特にエアコンの暖房をつけている場合、外気との気温差が激しく換気を躊躇する人もいると思いますが、24時間換気システムの換気扇は「常にON」しておくのが正しい使い方です。最低でも120分に1回以上、家全体の空気を入れ換えることができ、24時間使用し続けることで効率的に換気できます。

--それはスゴい！

久田さん：また、冬の換気に関する実態調査を行った結果、24時間換気システムと窓開け換気を併用している人、もしくは窓開け換気のみの人が約7割を占めていることがわかりました。しかし、24時間換気システムを正しく使用できていれば、本来は窓開け換気の必要はありません。

--窓開け換気が必要ないなんて…今の時期はもちろん、暑さの厳しい夏にもうれしい情報ですね。

久田さん：もちろん、昨今の新型コロナウイルス流行の状況においてそれだけでは不十分な状況（大人数が同じ部屋で長時間過ごす、外部からの来客がある等）においては、窓開け換気を組み合わせ、一時的に換気量を増やすことで感染リスクを下げることが重要です。

「2段回換気」を使いこなそう！

--なるほど。ちなみに、窓開け換気をする上でおすすめの方法はありますか？

久田さん：冬の窓開け換気による室温低下や乾燥が気になる場合は、感染リスクが高まっている部屋（大人数が集まっている部屋、来客を招く部屋等）ではなく、少し離れた部屋の窓を開け、外気を間接的に室内に取り込む「2段階換気」もおすすめです。その際、窓を開けた部屋で暖房機を使用して入ってきた外気をすぐに温めることがポイントです。

--「2段階換気」！ これは良い方法ですね。早速、家族にも教えてあげたいと思います。

久田さん：そのほか、弊社製品では、2023年2月に発売予定のルームエアコン「霧ヶ峰」Zシリーズにおいて、新たに「換気ユニット（別売）」をラインアップし、空調しながら換気（排気）できるようになりました。ルームエアコン「霧ヶ峰」とロスナイセントラル換気システム、住宅用ロスナイ等の換気設備と自動連携する機能もおすすめです。このように、空調と換気を組み合わせる手段もあるため、エアコンや換気設備の購入を検討する際に参考にしていただければと思います。

--詳しく教えていただき、ありがとうございました！

今回取材したのは…

三菱電機株式会社
空調冷熱システム事業部
空調冷熱計画部 業務グループ
久田 優美さん

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筆者：松本陸杜／ライター
カルチャー系メディアを中心に活躍するフリーライター。ジャンル問わずさまざまなコンテンツを執筆している。なかでも食レポに関するワーディングに定評がある。週5日はコンビニに通う、コンビニ情報通。戦略を考えながら対戦するカードゲームが好き。