1. トップ
  2. 小池栄子「もう一回初めからやり直したい」大河ドラマの撮影を終えた思いを明かす<鎌倉殿の13人>

小池栄子「もう一回初めからやり直したい」大河ドラマの撮影を終えた思いを明かす<鎌倉殿の13人>

  • 2022.11.24
  • 136 views
小池栄子“政子” (C)NHK
小池栄子“政子” (C)NHK

【写真】倒れる大泉洋“頼朝”に泣きながら寄り添う小池栄子“政子”

11月27日(日)に、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第45回「八幡宮の階段」が放送される。三谷幸喜が脚本を務める同ドラマは、源頼朝に全てを学び、武士の世を盤石にした男・北条義時 が、朝廷との最終決戦に挑む最終盤に突入する。

WEBザテレビジョンでは、同ドラマにて主人公・北条義時の姉・政子を演じる小池栄子に、クランクアップした時の気持ちや、三谷脚本の魅力、政子を演じた上での今後の展望などを語ってもらった。

もう一回初めからやり直したい、と思うくらい魅了された一年半でした

――クランクアップの時の気持ちをお聞かせください。

自分が想像していたよりも「北条政子」という人間を愛してしまって、もう一回初めからやり直したい、と思うくらい魅了された一年半でした。なので、クランクアップの時に「もう(政子を演じることが)できないのが寂しい」という言葉が出ました。本当に小栗(旬)さんが作り上げた現場の温かさが心地よくて、撮影が生活のルーティンになっていたので仲間たちと離れるという寂しさもありました。

クランクアップから時間が経っても、まだ放送が残っているので不思議な感覚ではあります。作品が私たちの手元から離れてしまったので、あとは視聴者の皆さまの力によって盛り上げていただきたいという気持ちが強くあります。賛否巻き起こるような今後の流れになっていますし、それがどういうふうに皆さまに受け入れられていくのかということが楽しみでもあり、不安でもあります。それくらい素晴らしい脚本を三谷さんは書き上げてくれたと思っています。

新しい政子像というものをお示しすることができた

――三谷さんから「小池栄子さんの代表作になるような北条政子を演じてほしい」というお話があったと、お伺いしましたが撮影を終えていかがですか?

梶原善さんが「代表作になりました」と言ったことに対して、三谷さんが「自分で言うな」と言っていたのを拝見したので、私からは何も言わないですけれども(笑)。ただ、三谷さんの希望通り、私自身も目標にしていた新しい政子像というものをお示しすることができたのではないかなというのは自信を持って言えます。

――クランクアップ付近で三谷さんからメッセージなどはありましたか?

具体的に「ああしなさい」「こうしなさい」ということはなくて、「正直悩んでいます」とか「寂しさと緊張で眠れないです」など、私の話を一方的に聞いていただいていました。

思い出すと今もなお興奮する最終回だなと思います

――最終回の台本を読んだ時の感想を教えてください。

何も言葉が出ず、放心状態みたいな感じになりました。政子をどう演じていこうか考えていたのですが、演出の方や小栗さんが「いや、やってみないと分からないよね」「やってみた瞬間、一年半の答えがきっとそこにあるはずだ」と仰ってくれました。「どう演じるか決めなくていいと思います」「揺れ動いたままで全然良いと思います」「その時に感じたことを演じてください」と言われて気が楽になりました。本当に三谷さんはとんでもない脚本を書いてくださったなと。本当に私も予想しないようなラストだったので、思い出すと今もなお興奮する最終回だなと思います。

――政子を演じてみて感じた三谷脚本の魅力を教えてください。

1回だけ、あるいは1シーンしか出てこないようなキャラクターに対しても、そのキャラクターがちゃんと輝くような人物像の作り方や登場のさせ方をされていてすごいなと思いました。多くの役者の方々が「三谷作品に出たい」と話すのはそういう部分から来ているのだろうなと感じました。誰が欠けても成立しなかったというのが今回の「鎌倉殿の13人」だと思います。人物をいろいろな角度から深堀りして、さらにそこに笑いを加えて描いていくというのは三谷さんならではの技なのだろうなと感激しました。

子を失った悲しみに勝るものはない、と思っていました

――不幸なことが次々起こる政子ですが、小池さんはどのように思って演じられていましたか?

子を失った悲しみに勝るものはない、と思っていました。子が亡くなった時点で、私も一度死んだ、というような感覚でした。なので、それ以降は本当に腹をくくって、自分がやるべきことや、やらなければいけないことにまっしぐらになろうと思って演じていました。そうなった時に、政子には姉として義時とどういうふうに向き合うかという課題が残っていたのだろうなと思います。

――政子は変化していく義時を常に横で見ていた存在だと思いますが、義時に対してどういう思いを抱いていたと思いますか。

義時が変わっていく様子や苦しんでいる様子は、自分の事のように側で見ていて苦しかったです。政子が頼朝と一緒になったことで北条家は狂っていく訳ですから、「自分が頼朝と一緒になることを選択しなければ」とか「自分が巻き込んでしまったな」という思いを義時が変わっていけばいくほど強く感じていました。

旬くんと本当の家族になれたと感じています

――小栗旬さん演じる北条義時はいかがでしたか?

小栗さんは演じていて辛い時は辛い、悔しい時は悔しいと言う素直な方なので、義時が憑依しているかのように現場にいらっしゃることがあって、でも私は「頑張ってね」としか言えなくて、それが姉・政子として情けないなと感じました。同じ役者としても、もっと支えられたらいいのにという思いも抱いてやきもきしていたことはあります。でも、旬くんが「地獄を見ようが最後まで一緒に頑張ろうね」と言ってくれて、それがとてもうれしかったです。

家族や姉弟で始まった物語なので、きっと最終的に三谷さんは家族の話で終わらせるのだろうと思っていました。撮影が進むにつれて御家人たちがどんどんいなくなって、気づいたら本当に家族しかいなくて、撮影もずっと家族だけで撮影しているような感じで、「でも家族の物語が家族で終わるというのはある意味幸せだよね」などと話していました。約一年半の撮影で役の中ではありますが、旬くんと本当の家族になれたと感じています。

本当に3人とも大切な存在で幸せになってほしかった

――頼朝と頼家、実朝と3代の将軍を見つめてきた政子ですが、それぞれのキャラクターについての思いを教えてください。

頼朝が、一番癖がなかったのかもしれないと思います。彼は自分の夢を追って突き進んでいましたが、決して悪い旦那、悪いパパではなく、ちゃんと政子と向き合っていたと思いますし、かわいらしいところもあり、みんなが憧れるカリスマ性もあり、それはモテるだろうな、と思う良い男だったと感じています。

一方、頼家は偉大な父を持ったことの反動で屈折してしまった部分があって、実朝も政子が頼家を失ったことで過保護にし過ぎて、少し腫れ物に触るように接してしまったなと思います。子どもがどういう人間になっていくのかというのは、親の影響が大きいと思うので、乳母が育てている時代だから現代とは親と子どもの距離感も違いますけど、ダメな親だったな、という感想が残っています。

頼朝が生きていたとしても頼家とぶつかっていただろうし、男の子を育てるということは大変だと感じました。本当に3人とも大切な存在で幸せになってほしかったし、そうできなかったのは自分の責任だなというのは撮影が終わった今もなお感じています。

今まで自分がやってきた役の中では一番反響がある

――栗原英雄さん演じる大江広元の政子推しが気になっていますが。

私は「あなたは頼れるけどそういう気持ちはないのよ、ありがとう」とたしなめていくくらいでいいのだろうと思って演じていました。「一方的にどんどん想いを募らせてくれ」とは思っていましたけど(笑)。三谷さんには「もうちょっと受け入れて欲しかった」というようなことは言われて、「大江は政子のこと好きだけど、そういう好きではないですよね」とか言って、笑いながら誤魔化していました(笑)。

――「鎌倉殿の13人」や政子と向き合う中で、楽しいと感じる部分はありましたか。

楽しいと思ったのは、普段の生活で「政子」と呼ばれたことです。好き嫌い含めて自分の役が世の中の皆さんの心を揺さぶるものになって届いているということが、とてもうれしくて励みにもなりました。

私たちはTVの中で作品を作っても実際にどういう方が見てくれていて、どういうふうに楽しんでくれているのか、というのが伝わりづらい部分はあるので、街中で「政子様」とか「ドラマ見ています」と実際に顔を見て言われると、その一言で「来週も過酷なシーンだけど頑張ろう」と思えます。政子は、今まで自分がやってきた役の中では一番反響があるなと感じることができて、感謝していますし楽しかったなと思います。この作品は時を経ても色褪せずに残っていく作品なのだと思いますので、今回見逃した方もぜひ機会があれば見ていただけたらと思います。

三谷さんの脚本のすごさを感じました

――これまでの放送の中で、一番印象に残っているシーンはありますか?

落ち込んでいる義時の元に餅を持っていって、「なんだか首を絞めたくなるのよ、小さい時から」と言いながら笑い合っているシーンは、今もあそこに戻りたいと思うほど好きなシーンです。昔の義時と何も変わらないという安心感を感じられて、たぶん今の義時からはあの笑顔は引き出すことができないと思うので、あのシーンが義時を笑顔にすることができるギリギリのラインだったのかなと思います。

あとは、和田義盛を討ったシーンも印象的です。実朝が和田のことを他の御家人たちの前でかばった時は、それは鎌倉殿として言ってはいけなかったのではないかなと、オンエアを見ながら改めて思いました。もしかしたらあのかばう言葉さえなければ和田は滅ぼされなかったかもしれないとか、みんながすれ違い始めたことの集大成のようなシーンだった気がします。いかに言葉が大事かということを感じましたし、直後の義時の「これが鎌倉殿に取り入ろうとしている者の末路だ」という言葉などには三谷さんの脚本のすごさを感じました。

大河ドラマは日本人として見続けていくべきもの

――小池さんが台本を読んだ時とオンエアを見た時で印象が違ったシーンなどはありますか。

泰時の首を揉んでいるシーンで、オンエアで「ボキボキ」と音が鳴っていたのは驚きました。今回の大河ドラマチームは、時折「嘘でしょ!」と思うような効果音をつけていて、編集の方たちも楽しんでやられているのだなと感じましたし、一視聴者として楽しかったです。

あと、今回は作中で流れるクラシック音楽も話題になっていて、これを機に私もクラシック音楽を聴いてみたいと思いましたし、「このシーンでこの音楽を流すんだ」といったその音楽の意味みたいなものを感じて、ドラマはいろいろな部署が力を合わせて作っているということを改めて実感できました。大河ドラマは日本人として見続けていくべきものなのだと思いました。

――放送後のSNSの盛り上がりや世間の考察などは、現場でも話題になっていたのでしょうか。

なっていました。例えば、第33回のサブタイトルの「修善寺」で「『修善寺』と『終善児』をかけているんだ」と盛り上がっていて、「そんなつもりないのに」と三谷さんがインタビューで仰っていましたが。でも、そうやって作品が自分たちの手を離れ皆さんが盛り上がっているのを感じるととてもうれしいです。

“ニュー小池栄子”を見せていけたらいいなと

――大河ドラマを経験して女優として感じたことや今後の展望をお聞かせください。

たくさん自分の芝居の課題も見つかりましたし、演出から芝居のダメ出しも受けました。それは何かというのは恥ずかしくて言えませんが(笑)。どこかアプローチが変わったなとか芝居の仕方や質が変わったなと思ってもらえる姿を来年以降でお見せできたらうれしいです。そのためにもっといろいろな作品を見て研究して勉強しないといけないなと思います。

今回、いろいろな世代の方々と接することでき、多くの先輩方とご一緒して気持ちだけでは残れない仕事なのだと感じました。自分がもっと勉強しないと10年後に残っている役者にはなれないなと、とても痛感しましたので、今後は「今まで見たことないな」と思ってもらえる“ニュー小池栄子”を見せていけたらいいなと思っております。

元記事で読む
の記事をもっとみる