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「こう歴史は作られるのか…」悲劇の真相にSNS感嘆【鎌倉殿】

  • 2022.11.22
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三谷幸喜脚本・小栗旬主演で、鎌倉幕府二代執権・北条義時の生涯を中心に描く大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。11月20日放送の第44回「審判の日」では、拝賀式のおこなわれる1日のうちに、実朝にさまざまな分岐点が用意されるものの、結局は歴史のシナリオ通りの悲劇に導かれていくという様が、巧みに描き出された(以下、ネタバレあり)。

鎌倉御所・政子の居室にて。あることを政子(小池栄子)に問いただす源実朝(柿澤勇人) (C)NHK
■ 源実朝の栄達の裏で渦巻く、あらゆる思惑

三代目鎌倉殿・実朝(柿澤勇人)の「拝賀の儀」の警護の準備が、泰時(坂口健太郎)を中心に着々と進むなか、実朝を父・頼家(金子大地)の仇と思う公暁(寛一郎)もまた、乳母夫・三浦義村(山本耕史)の助けを借りて、その日に実朝暗殺を決行する準備を整えていた。

公暁と三浦一門の動きを怪しんだ泰時は、義時とともに義村を詰問。義村の態度から謀反を察した義時は、式を任されている源仲章(生田斗真)に、中止や警護の強化を願い出るが相手にされない。

しかもその場で実朝から「ゆくゆくは御所を西に移すつもりだ」という、義時には決して許されない計画を聞かされ、さらに仲章からは「人の上に立ちたい。血でけがれた誰かよりよほどふさわしい」と、挑発的な言葉を投げかけられる。

鎌倉御所・廊下にて。怒る義時(小栗旬)をさらに挑発する源仲章(生田斗真)(C)NHK

泰時にしつこく疑われていることを察した義村は、暗殺計画の中断を決意。そのことを公暁に申し出るが、彼は三浦の手を借りずに目的を果たそうとする。一方、実朝に愛想が尽きた義時は、あえて公暁を泳がせて、実朝を見殺しにすることを決意。弟の時房(瀬戸康史)に「ここからは修羅の道だ」と宣言し、自分につきあってくれるように乞う。

公暁から命を狙われる理由がわからない実朝は、三善康信(小林隆)を通じて、兄の頼家が北条家に暗殺されたことを知る。実朝は公暁に頭を下げて、鎌倉を源氏の手に取り戻すために2人で力を合わせること、戦ではなく法の裁きで北条を倒すことを申し出た。しかし1人になった公暁は「だまされるものか・・・」と、憎悪に燃える目でつぶやく。

雪が降り積もるなか、夜からはじまった拝賀式。義時は太刀持ちとして実朝に同行し、公暁が実朝を斬ったら、自分の手で討ち取るという計画を立てていた。しかしそこに、下人・トウ(山本千尋)に暗殺を依頼していたはずの仲章が現れ、トウを捕縛したことを義時に告げる。さまざまな人がさまざまな思いを抱くなか、運命の雪の日が動きはじめるのだった──。

■ 三谷幸喜による「実朝暗殺犯」の真相にSNS感嘆

日本の歴史上にはっきりと記されており、時代劇として回避することは許されない、公暁による源実朝暗殺事件。「いよいよ今日がそのXデイか?」と、覚悟を決めた視聴者が多かった第44回。しかし大方の予想に反して、暗殺に至るまでの人々の思惑と行動を、式当日の1日でじっくり見せていくという、これまでになく緊張感あふれる回となった。

この真綿で首を絞めるような展開に、SNSでは「あのね、こんなに懇切丁寧に地獄を見せていかなくてもいいのよ?」「この生殺しの状態で1週間過ごせと?!」「もうひと思いにやっちゃってよ!」などの声が。ついには「源実朝」のツイッターアカウントまで「変に引っ張らないで早く楽にしてくれ」とつぶやくに至った。

鎌倉御所・廊下にて。三浦義村(山本耕史)と話しながらその様子をよく見ている義時(小栗旬)(C)NHK

そして実朝の暗殺犯は、先週の第43回で「三浦義村黒幕説」に決まったかと思いきや、三浦が一旦引いたために「公暁単独犯説」も再浮上。さらにそこに、義時が実朝を排除するために、この計画をあえて止めずにいるという「義時便乗説」という新説が。結果的に、この三者の狙いが合致してしまったために、悲劇の幕が切って落とされる・・・というのが、三谷幸喜による暗殺の真相となった。

このあまりにも周到な流れに、「すごすぎる。実朝暗殺、どの説をとるのかと思っていたら、公暁は単独犯だし三浦は黒幕だし、北条は加担してるし実朝も北条失脚の好機としている(仲章は自滅の選択か・・・?)」「『結果的に公暁単独犯になっちゃった』という、まさに『こうやって歴史は作られる』を見せていくスタイル」「歴史上決まった出来事を、ここまで『誰がトリガーを引くかわからない』状態にもっていく脚本力、恐れ入るわ」などの言葉がタイムライン上に並んだ。

■ 地雷を踏みまくり・・・実朝の「光」属性が仇となる

そして視聴者の心をもっともドキドキさせたのが、頼家の死の真相を知った実朝が、公暁に詫びを入れるとともに、打倒北条の共闘を持ちかけるというシーン。これが上手くいけば、文字通り歴史がひっくり返る展開となるので、誰もが祈るような気持ちで見ていたに違いない。しかし母・つつじ(北香那)の戒めも届かないほど、鎌倉殿への執着と憎悪で凝り固まった公暁の心は、あまりにも光属性な実朝に溶かせることはできなかった。

特に視聴者が「それ1番言っちゃいけない言葉!」「地雷を踏んでしまった」と悲鳴を挙げたのは、実朝が公暁に「お前の気持ちは痛いほどわかる」と声をかけてしまったとき。予想通り公暁は「あなたに私の気持ちなどわかるはずがない」と怒りを見せ、実朝への妬みと憎しみをぶちまける・・・という流れに。

これにはSNSでも「もしかしたら悲劇を回避できたかも知れないのに、実朝の誠実さや生来の『光』が最後のトリガーを引くという。シンプルな憎悪の破裂よりも遥かに残酷な脚本」「憎いほど妬ましい相手に同情されるだけでなく手を取り合おう! でもできるだけ穏便にやろうね! 俺に任せろ! なんて甘っちょろいこと言われてブチ切れないわけないよ」と、あまりにも過酷な運命の分岐点に嘆きの声が止まらなかった。

大倉新御堂にて。義時が依頼した神像を届けてくれた運慶(相島一之)に礼を言う義時(小栗旬)(C)NHK
■「ここからが修羅の道」義時のセリフにツッコミの嵐

さらに視聴者の大きな反響を呼んだのが、義時の「ここからが修羅の道だ」の一言。シーンとしては非常にシリアスなものなのだが、これまでも十分地獄のロードを並走してきた視聴者からは、次々とツッコミが。

「えっまだその道に入ってなかったん!?」「ここから更に入れる修羅の道があるんですか!?」「3時間歩いて『登山口 入り口』って看板を見つけた時みたいな気持ちにさせてくれるな」「第43話までに通ってきたのが何の道だったのか検索してみたけど何も分からない(笑)。なんだろう、一般道・・・?」などの言葉が並んだ。

とはいえこの言葉の真意は、「もう義時には実朝じゃなくもっとその先の、本来逆らってはならない存在が敵になるのが見えちゃったからってことだろうね。御家人同士が争っていた状況から、もっと大きなものと戦うフェーズに入る」という視聴者の言葉通り、鎌倉の長い安定のために、いよいよ「京」と戦う覚悟を決めたということだろう。しかしその前に、次回の避けられない悲劇に、しっかりと向き合う覚悟をしておこう。

『鎌倉殿の13人』の放送はNHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。第45回『八幡宮の階段』では、右大臣拝賀式を終えた実朝と、義時を追い詰める仲章に降りかかる悲劇が、ついに描かれる。

文/吉永美和子

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