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【値段クイズ】会社員が生涯に支払う税金は総額いくら?一緒に給料明細をチェック!

  • 2022.11.22
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入社してから定年を迎えるまで、自動的に給料から税金が引かれ続ける会社員。自分がいくら税金を払っているのか知らない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、会社員人生で総額いくらぐらいの税金を払うのか考えてみましょう。

■入社から定年まで、所得税の総額はいくら?

問題です。22歳で入社してから65歳になるまでに支払う所得税を合計すると、会社員は総額でいくらぐらいの所得税(※)を支払うことになるでしょうか?次から選んでください。

※所得税額は、所得金額などに応じて変わりますが、ここでは会社員全体の平均額を用い、入社から定年まで変わらないものとして計算します。

1.約683万7,000円
2.約752万5,000円
3.約1,354万5,000円

正解は、2番の約752万5,000円です。

国税庁が毎年公表している民間給与実態統計調査(2021年9月発表)によると、2020年における給与所得者1人あたりの所得税平均額は年間約17万5,000円でした。これは、勤続年数、企業規模、業種、性別、雇用形態などに関係なく、すべての給与所得者の平均です。

つまり毎年約17万5,000円の所得税を43年間支払うものとして計算すると、総額は約752万5,000円(約17万5,000円×43年)となります。

ちなみに1番の約683万7,000円は、同調査結果より従業員数が5〜9人の事業所に勤める人の平均所得税年額約15万9,000円(2020年の平均額)に43年間を乗じて計算したものです。

3番の約1,354万5,000円は、同じく情報通信業の人の平均所得税年額約31万5,000円(2020年の平均額)に43年間を乗じて計算したものです。

■所得税の仕組み

日本の所得税は、累進課税といって課税所得が増えるほど税率が上がり、税金が高くなる仕組みを採用しています。例えば課税所得が195万〜329万9,000円までは税率が10%ですが、330万〜694万9,000円になると税率は20%に上がります。

この仕組みを使って計算すると、例えば課税所得が300万円の人は所得税が20万2,500円(300万円×10%-9万7,500円)です。ところが課税所得が350万円なら27万2,500円(350万円×20%-42万7,500円)となり、課税所得が50万円上がることで所得税額は7万円上がります。

●課税所得とは?

課税所得とは、所得税の課税対象となる金額です。例えば会社員で給与・賞与以外に収入がない人の場合は、年収(額面金額)から給与所得控除や基礎控除、配偶者控除などの各種所得控除の合計を引いた金額となります。

差し引く所得控除額が大きいほど、課税所得は小さくなるので税率が下がればなお良いですね。このことから分かるように、少しでも多くの所得控除を利用することで所得税を軽減させることができます。利用できそうな控除がある場合は、もれのないように申告しましょう。

■会社員が知っておきたい所得控除

所得控除は全部で15種類ありますが、ここでは会社員が利用できそうなものをいくつかピックアップして紹介します。

●生命保険料控除

生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合、契約内容などに応じて最大12万円を控除できます。

●扶養控除

16歳以上の子どもや親などを扶養している場合、被扶養者の年齢や同居の有無に応じて38万〜63万円を控除できます。夫婦共働きの世帯の場合は、年収の多いほうが扶養控除を利用すると、より一層税負担の軽減が期待できるでしょう。

●小規模企業共済等掛金控除

iDeCoに加入すると、小規模企業共済等掛金控除として年間拠出金の全額を控除できます。例えば会社員で月々2万3,000円を拠出している場合なら年間27万6,000円を所得から控除可能です。

●医療費控除

自分や生計を一にする家族のために払った医療費(医療保険などで受け取った保険金額等を除く)が年間10万円(※)を超える場合は、その超えた金額(200万円限度)を控除できます。
※その年の総所得金額等が200万円未満の人は「総所得金額等×5%」

●セルフメディケーション税制

薬局・ドラッグストアなどで購入した厚生労働省指定の市販薬(OTC医薬品)の購入額が年間1万2,000円を超える場合、その超えた金額(8万8,000円限度)を控除できます。ただし医療費控除を利用する場合には、セルフメディケーション税制は利用できません。

■所得控除を使って賢く節税しよう

会社員が支払う所得税の年間平均額は、約17万5,000円でした。入社してから定年までに支払う金額を合計すると約750万円となります。その税金を少しでも浮かせることができれば、家計や貯蓄に余裕ができそうですね。

所得税を節税するには、所得控除を活用して課税所得を少なくするのが効果的です。自分が利用できる所得控除がないか、さっそく確認してみてはいかがでしょうか。

文・續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))
生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

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