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台詞を覚えない主演俳優、マフィアによる妨害…公開50周年『ゴッドファーザー』にまつわる仰天エピソード

  • 2022.11.20
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名作映画の裏側には、時には想像を絶するような驚愕のエピソードがつきもの。公開から50周年を迎えた世紀の名作『ゴッドファーザー』もまた、マフィア絡みのトラブルなど完成まで茨の道を歩んだ一作だ。そんな『ゴッドファーザー』制作の裏側を、プロデューサーのアルバート・S・ラディを主人公に描いたドラマ「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」がU-NEXTでの配信に加え、11月からはスターチャンネルで放送中。ここでは『ゴッドファーザー』にまつわる様々なエピソードを紹介していきたい!

【写真を見る】馬の生首エピソードなど、『ゴッドファーザー』の驚異の舞台裏

爆発的に売れた原作小説は金のために書かれた!

聖書に次ぐと言われるほどの大ベストセラーとなった「ゴッドファーザー」。この小説は、それまで純文学的な作品を生みだし高い評価は得つつもまったくヒットには恵まれず、それでいて無類のギャンブル好きという借金まみれのマリオ・プーゾが金のために執筆した1作だ。

「ゴッドファーザー」はマリオ・プーゾは借金から抜け出すために書いた小説だった(「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」) [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection
「ゴッドファーザー」はマリオ・プーゾは借金から抜け出すために書いた小説だった(「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」) [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection

とはいえ遅筆かつ金遣いの荒いプーゾは、出版社に未完の原稿を渡して手にした金もすぐに溶かす始末。破格の安さにもかかわらず映画化の権利をパラマウントに売るなどして金を工面しながらなんとか書き上げると、これが大ヒット。売上だけでなく評価も高かったためプーゾは、もっといいものにしておけばと後悔すらしたとか。

そんなプーゾはラディから脚本を依頼されるが、このオファーも「遅筆の小説家には映画の脚本は書けない」という当時の風潮からは異例のものだった。ちなみにプーゾは、ドン、ヴィトー・コルレオーネ役はマーロン・ブランドしかいないと考えており、自らコンタクトをとるなどキャスティングにも尽力している。

映画化権が売られていたかも?無茶振りから始まった企画

当時、失敗作が相次いでいたパラマウント。その損失を埋めるため、『ゴッドファーザー』の映画化権も売りに出されそうになっていたが、勝機を見いだした制作部トップのロバート・エヴァンスは400万ドルという低予算での製作を決定する。

マイルズ・テラーがラディを演じている(「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」) [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection
マイルズ・テラーがラディを演じている(「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」) [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection

そんな無茶とも言える企画で白羽の矢が立ったのが、新米プロデューサーのラディ。大スターのロバート・レッドフォードを超低予算映画『お前と俺』(70)に出演させた経験を買われたラディだったが、同時に『お前と俺』は興行的には失敗していたため、この断れないオファーに挑むことになった。

ガチのマフィアによる妨害!その打開策とは…?

プロデューサーのラディはマフィアの大物ジョー・コロンボと直接顔を突き合わせることに(「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」) [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection
プロデューサーのラディはマフィアの大物ジョー・コロンボと直接顔を突き合わせることに(「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」) [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection

作品に登場するジョニー・フォンテーンが自分をモデルにしているため映画化を邪魔したいフランク・ シナトラによる手回しや、イタリア系への偏見を助長するという理由からNYのマフィアたちは「イタリア系アメリカ人公民権同盟」という団体を立ち上げると、各方面に圧力をかけ、ロケ地を使わせないなどして映画化を妨害していく。

これで窮地に追い込まれてしまうラディだったが、なんとマフィアの大物ジョー・コロンボと直接会うという大胆な行動に。そして“マフィア”という言葉を劇中に登場させないという条件で映画製作を認めさせた。

アル・パチーノのためデ・ニーロが出演を断念…!

マイケル役のアル・パチーノは知名度の低さからキャスティングを猛反対されていた(『ゴッドファーザー』) [c]EVERETT/AFLO
マイケル役のアル・パチーノは知名度の低さからキャスティングを猛反対されていた(『ゴッドファーザー』) [c]EVERETT/AFLO

マフィアに加えて映画製作の障害となったのが、パラマウントの親会社ガルフ・アンド・ウエスタン・インダストリーズの経営陣。映画で金を稼ぐことを第一に優先する彼らは、マーロン・ブランドがトラブルメーカーで金を稼げないと考えるなど、キャスティングに関しても上から口を出していく。

1作目に出演予定のロバート・デ・ニーロだったが、結果2作目で若かりしヴィトを演じることに(『ゴッドファーザー PART II』) [c]EVERETT/AFLO
1作目に出演予定のロバート・デ・ニーロだったが、結果2作目で若かりしヴィトを演じることに(『ゴッドファーザー PART II』) [c]EVERETT/AFLO

特にコッポラが熱望したマイケル・コルレオーネ役のアル・パチーノについては、当時無名だったことを理由に猛反対。そんな噂を聞きつけたパチーノはMGMの別のギャング映画と契約してしまうが、『ゴッドファーザー』にポーリー・ガットー役で出ることが決まっていたロバート・デ・ニーロがその映画に出演することでなんとか解決した。

絶叫は嘘じゃない!馬の首は本物だった

【写真を見る】馬の生首エピソードなど、『ゴッドファーザー』の驚異の舞台裏 [c]EVERETT/AFLO
【写真を見る】馬の生首エピソードなど、『ゴッドファーザー』の驚異の舞台裏 [c]EVERETT/AFLO

劇中で特に強烈なインパクトを放っているのが、歌手ジョニー・フォンテーンの映画への出演を認めなかった映画会社社長のジャック・ウォルツが、朝、目を覚ますと、ベッドの中に彼の愛馬の生首が置かれており、絶叫するというシーンだ。

「ジ・オファー」でも語られる馬の生首エピソード(『ゴッドファーザー』) [c]EVERETT/AFLO
「ジ・オファー」でも語られる馬の生首エピソード(『ゴッドファーザー』) [c]EVERETT/AFLO

この馬の生首についてはリハーサルでは偽物が使用されたが、本番では血も含め、撮影場所の近くにあった馬肉で作られるドッグフードの工場から拝借した本物の死体が使用されているというから驚きだ。

マーロン・ブランドによる驚きのエピソードの数々!

ブランドの自宅でのオーディションシーンも描かれている(「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」) [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection
ブランドの自宅でのオーディションシーンも描かれている(「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」) [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection

ヴィトを演じ、アカデミー主演男優賞に選ばれた(受賞は拒否)マーロン・ブランドは、もともとは映画会社からは起用を反対されていたが、コッポラが熱望し、ブランドの自宅でオーディションをすることに。そこでブランドは靴磨きのワックスを髪の毛に塗り、ティッシュを口に詰めるだけでヴィトに憑依。この圧巻の様子を収めたビデオがきっかけでキャスティングが決定した。

ドンが撫でる印象的な猫もアドリブだったというから驚き(『ゴッドファーザー』) [c]EVERETT/AFLO
ドンが撫でる印象的な猫もアドリブだったというから驚き(『ゴッドファーザー』) [c]EVERETT/AFLO

そんなブランドだが、セリフはいっさい覚えてこないため、セットや俳優など、カメラから隠れるあらゆる場所にカンペが貼られ撮影されたとか。またヴィトが自室で抱いている猫は、セットの辺りをうろちょろしていた野良猫をコッポラが即興でブランドに持たせたアドリブ。あまりに喉を鳴らすため、会話部分は録り直しがされている。

『ゴッドファーザー』の波乱の裏側を描いた「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」 [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection
『ゴッドファーザー』の波乱の裏側を描いた「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」 [c]Paramount+ / Courtesy: Everett Collection

こういった驚きのエピソードはほんの一部。映画化に至るまでの困難や撮影中のトラブル、公開までのいざこざなど、「ジ・オファー」では事細かに描かれているので、ぜひ名作の裏側をチェックしてみてほしい。

文/サンクレイオ翼

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