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『おばけのパンこうじょう』【今日の絵本だより 第331回】

  • 2022.11.18
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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『おばけのパンこうじょう』 オームラトモコ/作・絵 理論社 1485円

発売中のkodomoe12月号では、巻頭特集「パンの絵本」で、ほかほかおいしいパンの絵本を59冊ご紹介しています。 今回は特別にここでもう1冊、『おばけのパンこうじょう』をご紹介します。

ここはバケバケベーカリー、おばけのパン工場。 まだ外は真っ暗な夜明け前から、おばけたちが次々に出勤してきます。 入口でタイムカードを押して、更衣室で白衣に着替えたら、手洗い、消毒、ほこりとり、マスクに手袋、準備OK! みんなで並んで朝礼です。 今日から入る新人パートのばけやまさんが、みんなの前でごあいさつ。 さあ、お仕事のスタートです。

今日が初日のばけやまさんは、先輩のばけのさんに連れられて、全体の流れを見学します。 ベルトコンベアーの一番最初は、パン生地づくりの工程。 3つのレーンにわかれた生地は、それぞれバニラ味、イチゴ味、チョコ味に。 小さく切りわけられ、形を整えられて、おばけの姿をした3色のバケバケパン(かわいい!)が次々にできていきます。 生産ラインはすべて順調に流れていると思ったら、 「ピカッ ゴロゴロ」 と、窓の外に雷が。 するといきなり、「バチッ!」と音がして、工場が真っ暗に。 えっ、停電!? 「シュ〜ン!」と、ベルトコンベアーも止まってしまいました。 突然のまっ暗闇、みんな大丈夫!?

一冊丸ごと、楽しい工場見学気分が味わえる物語。 停電から無事に復旧して、袋詰めされたたくさんのバケバケパンは、無事に配達車でお店まで届けられます。 お店でも大人気のキュートなバケバケパン、食べてみたい! それを工場で生み出すおばけたちの、テキパキした働きぶりも素敵です。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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