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育児と仕事を両立中の広末涼子さん、「家族は出発点で、家庭が帰る場所」

  • 2022.11.12
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11月11日から公開の映画「あちらにいる鬼」で、夫の奔放な女性関係を黙認する妻を演じた俳優の広末涼子さん。プライベートでは、3人の子どもを育てる母でもあります。子どもへの接し方や、年齢を重ねることで感じた思いなどについて聞きました。

――広末さんは、3人の子どもの母でもいらっしゃいます。仕事と家事や育児のバランスには今でも苦心されているとか。

広末涼子さん(以下、広末): どんな仕事をしていても同じだと思うんですが、母親ってどうしても家族や子どもを優先してしまうというか……。やっぱり自分より大切な存在ができることは1番の喜びなので、手を抜けない。

でも、私は女優業も同じくらい好き。双方をきちんとするのはすごく大変なことだとは思うんですが、両立のチャンスをいただけていることに感謝しています。その意味でも、女優として様々な作品に関わっていきたいですね。日々、全力投球です。

朝日新聞telling,(テリング)

母親としてできることは、すべてしたい

――今回の映画「あちらにいる鬼」では、作家の夫の奔放な女性関係に目をつぶる妻・笙子(しょうこ)を演じられました。母でもある笙子との共通点はありましたか。

広末: 雰囲気こそ違うけど、そこまでかけ離れていない気もします。私も自分の不安から感情を露わにすることはないし、子どもを過剰に“子ども扱い”をしない。
一見、女性的に見えるんですが、実際は作家の夫の代わりに文章を書くこともあった笙子。自身を客観視できるような部分もあり、普通ではない感覚を持ってる人です。そういう空気感は自分と近いのかもしれません。

――お子さんに「これだけは守ってほしい」ということはありますか。

広末: うーん……。「優しくて強い子になってほしい」というのは、ずっと言い続けています。でも、それ以外には「こうなってほしい」とか「これをしないでほしい」というのは無くて。私は母親としてできることは、すべてしたいと思って関わっていて、愛情表現はしてもしても“し過ぎる”ことはないとも思っています。愛されているという自信が、自己肯定感に繫がると考えているんですよね。
家族は出発点で、家庭が帰る場所。安心できる場所があることで、他者を好きになれたり、挫折を味わったときに克服できたりすると思うんです。

朝日新聞telling,(テリング)

書くことは自分の心の中をさらけ出す“感覚”

――広末さんは4月に『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』(宝島社)を上梓されました。哲学者が残した言葉や尊敬する女性たちの言葉を自ら選び、ご自身の思いをつづったエッセイです。文章を書くという行為はいかがでしたか。

広末: 私の文章なんて、分量的にも内容的にもプロの方に比べれば幼稚ですが、書くことは自分の心の中をさらけ出す感覚がありました。演じるときは台本があり、言葉が既にあるので安心感があります。
一方、自分の言葉を文章として出すのは違う。どう評価されるかも怖くて、若いときは恥ずかしくてできなかった。
でも、この年齢になり、もし誰かを元気にできたり、同じように育児をしている人に共感してもらえたり。そういうチャンスがあったら、挑戦してみたいと思えるようになりました。今回、書くのには想像以上に時間がかかりましたが、自分と向き合うことはできました。

自分の過去を整理できたというと変ですけど、アルバムをめくり返しているような感覚にもなれたので、いい機会を貰えたと思っています。ただ、作家さんのように書き続けるのは難しいですね。情報のアンテナも張れないし、引き出しも少ないし、ボキャブラリーも……(笑)。

朝日新聞telling,(テリング)

年を重ねれば重ねるほど、面白い

――広末さんは、仕事と育児を両立されていますが、20代後半から40代前半のtelling,読者の女性の中には「やりたいことがあっても踏み出せない」という人もいます。

広末: 結婚を取るか、仕事を続けるか――と悩む人も多いようですが、私は「どちらも諦めないでほしい」と考えます。
特に結婚や出産、育児は1人でできることではなく、タイミングや出会いが大切だから、機会を逃してほしくない。かけがえのないものだと思います。

一方で、仕事に関しては「自分の代わりをできる人はいない」と考えてしまいがち。私もそうでした。だけど、実際は私がいなくても回ります(笑)。
仕事に限らず、色んなことをいったん手放したとしても、また「やりたい」と強く思えば、復活できることもある。だから、どんどんチャレンジをしてほしいし、するべきだと思いますね。

――年齢を重ねるのが楽しみという人もいる一方、怖いという人も。
広末: 年を重ねれば重ねるほど、どんどん面白くなっているので、ポジティブに捉えた方がいいと思います。10代、20代は突っ走って、視野も狭い。30代から40代になってから、「これまでとは、人や社会に対する見方が、変わってきたな」と思いました。ということは50代、60代になって40代の今を振り返ると、「あの時はまだまだ若かったな」って、きっとなるはずです。

そんな経験ができるのだから、年齢を重ねることは可能性に満ちていると思います。年を重ねれば重ねるほど楽しくなりますよ、絶対。

■岩田智博のプロフィール
ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。

■坂脇卓也のプロフィール
フォトグラファー。北海道中標津出身。北京留学中に写真の魅了され大阪の専門学校でカメラを学んだのち、代官山スタジオ入社。退社後カメラマン太田泰輔に師事。独立後は自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。

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