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熱心すぎてもダメ? 子どもの自主性を伸ばす「テキトー育児」のすすめ

  • 2015.11.3
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【ママからのご相談】

3歳の娘のママです。娘のやることが気になってつい先回りして注意してしまいます。最近、娘が何をするにも、「ママ、これやっていい?」と聞くようになってしまいました。 私が娘の自主性を奪っているのではないかと心配です。子どもの自主性を伸ばすためには、どう接すれば良いでしょうか。

●A. 子どもを信頼して行動を見守ることが大切です。

ご相談ありがとうございます。個性幼児教育専門家の赤井理香です。

子どもには幸せになってほしいと願うのは共通する親の思いですが、明確な“答え”がないのが、子育ての難しいところ。ご相談者さまのように、良かれと思ってつい口を出し過ぎてしまうママも多いのではないでしょうか。

ただ、自分で考え自ら行動できる大人になってほしいと願うのであれば、口出し・注意のし過ぎは逆効果。子どもを信頼して行動を見守ることが大切です。具体的にどんな心がけで子どもに接すると良いか、大きなポイントが2つあります。

●子どもの自由意志を尊重する

少子化の影響もあり、育児書を読んでその通りに実践したりいくつも習い事をさせたりと、教育熱心なママが増えています。全てがそうだとは思いませんが、その中には、

「子どもには同じ苦労をさせたくない」

「子どもには自分が達成できなかったことを実現してほしい」

と子どもに過去の自分自身を投影している親御さんがいらっしゃいます。これは、子どもを見ているようで、ありのままの子どもには目を向けられていない状態です。

子どもは、親とは別の個性・人格を持つ、別の存在です。失敗という経験を積む権利も自分でやりたいことを選ぶ権利もあります。「子どもは親の人生の続きを歩んでいるわけではない」という当たり前のことを深く理解すれば、行動一つ一つに口を出したくなる衝動が抑えられ、子どもの自由意志を尊重できるようになります。

●子どもの経験を奪わない

幼稚園教諭時代、どんなに誘っても砂遊びをしないMちゃんという女の子がいました。どうしてやりたくないかを聞くと、「汚いから」とひと言。Mちゃんのお母さんは、いつもMちゃんにキレイな服を着せて、幼稚園に上がる前にも砂遊びをさせたことはないとおっしゃっていました。何かに触ろうとするMちゃんに対して、「汚いから触らないの!」と止める姿を見たのも一度や二度ではありません。

お母さんが砂遊びをキライでも、汚いものを触りたくないのも自由です。でも、その価値観を子どもにまで押し付けてしまったことで、Mちゃんはそのときにしか味わえない貴重な経験をする機会を奪われてしまいました。子どもは、たとえ失敗するとわかっていることでも、“経験”することで知恵を自分のものにできるのです。

●肩の力を抜いた子育てを

『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者である立石奈津子さんは、著書の中で以下のように述べています。

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完璧主義ではなく、テキトーに育てることが、人生のスタート時点で自己肯定感を確立させ、幸せな人生を送ることにつながる

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子どものやること一つ一つに口出し・細かい指示・注意ばかりしている“肩に力が入った子育て”よりも、子どもが失敗も含めたさまざまなことを経験するのをおおらかな気持ちで見守る“肩の力の抜けた子育て”を心がけることで、「あなたのことを信頼しているよ」というメッセージを送れるのかもしれませんね。

●転んでも自分で起き上がる強さを

・子どもが転ばないように、親が先回りして目の前にある石を拾って歩くような子育て

・石につまずいて転んだあと、自分で起き上がる子どもを尊敬して抱きしめる子育て

どちらが子どもに自信をつけさせ自主性を伸ばすことができる子育てなのか、誰の目にも明らかではないでしょうか。

人生、つまずくことは誰にでもあります。何度転んでも起き上がる経験を持っている人間は強いです。その強さが、自分で選択し自分で行動する自主性につながるのだと思います。

【参考文献】

・『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』立石美津子・著

●ライター/赤井理香(働くママ応援家)

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