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弁護士に聞いた!被害総額1億円超も…「国際ロマンス詐欺」で全財産を奪われた巧妙な手口と見破り方

  • 2022.11.11
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2022年6月27日、山梨県警は、富士河口湖町に住む50代の男性が1億5,400万円をだまし取られたと発表しました。

その手口が、昨今消費者庁・国民生活センターなどから繰り返し注意喚起がされている「国際ロマンス詐欺」と呼ばれる手法です。

男性だけではなく多くの女性も被害に遭う国際ロマンス詐欺ですが、その手口は年々巧妙化しています。

■国際ロマンス詐欺の実態

国際ロマンス詐欺とは、「SNSやマッチングアプリなどインターネットで知り合った外国人と親しく連絡を取り合ううちに送金を迫られる」詐欺のことをいいます(引用:独立行政法人国民生活センター「愛のギフトを受け取ってほしい!?それってもしかして『国際ロマンス詐欺』?」)。

恋愛関係をもとに金銭をだまし取るという意味では、構造的には結婚詐欺・恋愛詐欺と呼ばれるものと変わりません。

しかし、インターネット・スマートフォンの普及に伴いSNSやマッチングアプリを利用する人が増えたことで数が多くなっていること、相手が外国人であること、という点に特徴があります。

国民生活センター越境消費者センター(CCJ)に寄せられた相談のうち、出会い系サイト・マッチングアプリなどに関する相談は2018年には合計で12件であったにもかかわらず、2021年には187件にも増加しており、非常に注意が必要です。

■国際ロマンス詐欺の手口とは?

国際ロマンス詐欺の手口の特徴として、以下のようなものが挙げられます。

1)外国人がSNSやマッチングアプリで接触してくる。
2)仲が深まってくると(恋仲になってしまうケースが多い)、その外国人が聞いたことのない事態に巻き込まれ、「お金が必要になった!」と切り出してくる。

■外国人がSNSやマッチングアプリで接触してくる

全世界の人が利用しているSNSやマッチングアプリなら、外国人でも日本人にアプローチすることが容易です。国際ロマンス詐欺の犯人は、SNSやマッチングアプリを通じて日本人に接触してきます。

■聞いたことがない事態に直面して「お金が必要になった」と迫ってくる

やり取りをして恋仲になっていくと、日本では聞いたことのないような事態に相手が巻き込まれ、「お金が必要になった!」と切り出してきます。

たとえば……

・贈り物をしたいけれど、受け取るには受取人払いで50万円が必要
・贈り物を送るために税関や通関の手数料が必要
・日本に行く途中の空港で身柄を拘束され、解放してもらうのに保証金が必要になった
・軍隊でSNSをしているのがバレてお金を支払わないといけない

実際にお金を支払ってしまうと、相手はさらに金銭を請求してくることがあり、積もり積もって合計で数百万円、数千万円という被害になることも珍しくありません。

■投資詐欺と絡んで手口が巧妙化している

国際ロマンス詐欺の手口は、投資詐欺と絡めてさらに巧妙化しています。

最近では、恋仲になった外国人に投資をすすめられ、500万円を投資し、引き出そうとしたところ180万円もの保証金を要求され、払えなくなると外国人とも連絡が取れなくなる、という事例が国民生活センターで報告されています。

この事例の手口が巧妙な点は、少額の投資をさせて一度利益配当をすることで信頼させ、そこに「2人の将来のために」と甘い言葉で500万円もの出資をさせているところです。

出会い系サイトやマッチングアプリなどに関する年度別相談件数187件のうち、このような投資などに関する相談が170件に上り、相談の9割以上を占めるに至っています。

■国際ロマンス詐欺を見破ることができるかもしれない画像検索

では、国際ロマンス詐欺かどうか見破る方法はあるのでしょうか。そのひとつが「画像検索」です。国際ロマンス詐欺ではインターネットに掲載されている画像を無断で利用していることが非常に多いです。そのため、SNSやマッチングアプリで利用されている相手の写真をGoogleで画像検索してみてください。

アカウントと実際に出てきた人が別人であれば、国際ロマンス詐欺であると見破ることが可能です。

国際ロマンス詐欺では振り込んだ金銭がすでに海外に流出している可能性があるので、取り戻すのは困難を極めます。まずは被害に遭わないための対策を心がけましょう。

文・角田英紀

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