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【神戸里山を巡る1日ドライブモデルコース】茅葺屋根の古民家から六甲山の夜景ディナーまで

  • 2022.11.9
  • 7000 views

近年、都心と自然の近さや住みやすさなどで移住者も増え、注目を浴びている神戸市北区の里山エリア。六甲山の山々に囲まれた住居や、茅葺古民家、農場、牧場などが存在する緑豊かな里山風景が広がる地域です。今回はそんな里山エリアを1日ドライブしながら巡っていく、新しい神戸の楽しみ方をモデルコースでご紹介していきます。

11:00 絶品自家製チーズや牛乳が味わえる「弓削(ゆげ)牧場」でランチ

左から牧場長の弓削忠生さん、和子さん

まず始めに訪れたのは、新神戸駅から車で約20分、六甲山の裏山にある「弓削牧場」。

「弓削牧場」は住宅街に隣接するこの地で、1970年から牧場の運営を始めました。牧場のほか、無農薬・無化学肥料栽培の野菜やハーブの栽培、チーズの製造販売、レストランなども。

牧場内にある見晴らし台を登っていくと、放牧されて散歩中の牛さんたちを間近で見ることができます。

こちらの牧場で飼育されている牛たちは、24時間自由にのんびりとストレスフリーで過ごしています。

牛たちは見晴らし台のある小さな山の上まで登ってきます。普通の牧場の牛は平地で飼われているので、坂道を登ってくる牛を見るのはちょっと不思議な光景です。

また2006年にはスウェーデンから搾乳ロボットを導入、牛たちが搾乳したいタイミングに自分の意志でロボットに向かい搾乳を始めます。

見晴らし台からは牧場全体が臨め、すぐそばに住宅街があるとは思えない緑の多い風景です。

1985年にはカマンベールなどのチーズの販売も開始。そのチーズを作るために必要な牛乳は、すべてのびのびと育てられた牛たちの乳からできています。

後列左 モツァレラチーズ 756円

後列中 低温殺菌ノンホモ牛乳 756円

後列右 カイエ・フレ 540円

前列左 リコッタチーズ 756円

前列左から2番目 フロマージュ・プチタロー 756円

前列左から3番目 フロマージュ・フレ 486円

前列右 カマンベールチーズ 1,188円

※すべて税込価格

2012年からは牛の糞尿や野菜くずを発酵させ生成されたバイオガスの使用を開始。ガスを発生させる際にできた「消化液」を堆肥として無農薬・無化学肥料栽培の野菜やハーブを栽培するなど、牧場内での自給率をあげるために色々な取り組みにチャレンジ、循環型牧場を目指している弓削ご夫妻。

「消化液」はショップでの販売もしており、近隣の方が家庭菜園用に買われていくこともあるそう。

消化液

1.8ℓ 385円(税込)

5ℓ 660円(税込)

併設されている「チーズハウス・ヤルゴイ&ショップ」では、牧場内で作られたチーズの販売。レストランでは、無農薬・無化学肥料栽培の野菜やハーブをふんだんに使用した料理が味わえます。

ショップの入り口にある可愛らしい看板。

商品のパッケージにも施されているこちらのイラストは、弓削夫妻の3人のお子さんたちを和子さんが描いたもの。子どもたちへのあふれる愛情がイラストからにじみ出ています。

併設されたショップでは、はちみつやチーズ、たくさんの焼き菓子などがずら~り。ホエイから作られた石鹸や、

ホエイソープ

40g 385円(税込)

130g 770円(税込)

棒タイプ 2,970円(税込)

ジャムや焼き菓子などが並びます。どのパッケージにも先ほどのイラストが施されています。

ブルーベリージャム

150g 648円(税込)

400g 1,188円(税込)

きいちごジャム

145g 648円(税込)

400g 1,188円(税込)

レストランは木がふんだんに使用され、ぬくもりを感じるインテリア。今日のランチはここでいただこうと思います!

この日チョイスしたのは、「弓削牧場のミルク」「本日の自家製チーズ3種」ランチセットの「地鶏のハーブ焼きとホエイシチュー」の3品。

弓削牧場さん、一番のこだわりの「弓削牧場のミルク」。牧場の牛たちの牛乳100%で作られた、低温殺菌のミルクです。

搾りたてということなので、重めの食感なのかと思っていたら、とっても軽くてすっきりとした味わいでびっくり! 牛乳臭さも全く感じられず、ごくごくと飲めます。

チーズはどれもくせがなく食べやすくてとてもクリーミー。添えられたエディブルフラワーと一緒に食べると、花の香りが鼻に抜けて、クリーミーなコクのアクセントに。

ホエイシチューも、とてもあっさりしていますが、ほどよい酸味も感じられ、しみじみとしたおいしさです。

地鶏のハーブ焼きは、フロマージュ・フレ(生チーズ)をつけて。フロマージュ・フレの酸味が後味を爽やかにしてくれます。

弓削牧場のミルク L 350円(税込)

本日の自家製チーズ3種 700円(税込)

ランチセット

地鶏のハーブ焼きとホエイシチュー 2,450円(税込)

レストランの前に広がるスペースでも食事が可能。木々が揺れる音などを肌で感じ、ゆっくりと食事を楽しむのもよさそうです。

弓削ご夫妻の他、チーズ製造担当の長男太郎さん、スイーツ製造担当の次女麻子さんらにお見送りいただきました、お邪魔しました!

「弓削牧場」

651-1243 兵庫県神戸市北区山田町下谷上西丸山5-2

TEL: 078-581-3220 (9:00~18:00)

チーズハウスヤルゴイ&ショップ

営業時間 11:00~16:30

水曜定休(1・2月は火・水曜)

13:30 元医院を改造した、里づくりの拠点施設「ヌフ松森医院」で昭和レトロを楽しむ

さて、弓削牧場を後にして車で30分ほど、次に向かったのは「ヌフ松森医院」。

江戸時代に丹波篠山の地で殿様に仕えていたという松森正徳医師。明治維新を経て、ここ神戸市北区淡河(おうご)で「松森医院」を開業、と同時にすぐお隣にある好徳小学校の校長も兼任。3代にわたり地域の医療を支え、地域に貢献してきたお医者様。

その「松森医院」が3代にて閉院し、40年以上空き家になっていました。現在のオーナー上垣内夫妻が、保存・再生のために地域の方たちと協力し、淡河松森医院跡みらい会議を立ち上げ、2021年10月にオープンさせた里づくりの拠点施設が「ヌフ松森医院」なのです。

もともと病院だった雰囲気を活かし、「昭和レトロ」をコンセプトにした建物は雑貨屋や喫茶店、レンタルスペースやシェアオフィスなどが併設されて11月よりパン屋も開店します。

周辺には800棟余りの茅葺屋根の民家が点在、里山情緒を満喫できる環境です。

里山ツーリズㇺを体感できるレンタサイクルも3台完備されています。

病院の受付を活かした「珈琲スタンド カセットテエプ」。テイクアウト、もしくは元診察室を改装した「淡河(おうご)デパート食堂」でイートインも可能です。

こちらが「淡河デパート食堂」。診察室だったとは思えない明るくモダンな造りです。

食堂内には昭和を感じる懐かしい雑貨がたくさん並んでいます。

どれもこれもたくさんの色が使われていて、カラフルで可愛い。

「珈琲スタンド カセットテエプ」のメニューには、もちろん昭和テイストな「ナポリタン」や「クリームソーダ」も。レトロ雑貨を眺めながら、クリームソーダをいただけば、もうここは昭和そのもの、タイムスリップした気分です。

野瀬野菜のナポリタン 700円(税込)

クリームソーダ 400円(税込)

こちらは元レントゲン室を改装した駄菓子屋「新松森商店」。駄菓子とおもちゃがたくさん! 所狭しと並んでいます。見ているだけでワクワクしますね。

2階に上がると、昭和レトロな食器の販売や、雑貨屋さんも。

コワーキングスペースやワーケーション用の部屋もありました。

神戸市では施設内の2部屋を「お試し住居」として、里山暮らしに興味関心のある個人や家族などに、里山体験として2泊3日からの貸出しもしています。

オーナーの上垣内さんご夫妻と、4代目院長ののソラ君(右)、婦長のミツバちゃん(左)。店内はDOGフリーとなっていてワンコたちにも愛されています。

2023年には入口正面にみえる母屋の再生工事も始まる予定です。今は中を覗くことはできませんが、これからどう変化していくのか楽しみです。完成後にはまた訪れたい施設でした。

「ヌフ松森医院」

神戸市北区淡河町野瀬492

TEL:080-6619-6527

珈琲スタンド「カセットテエプ」

駄菓子とおもちゃ「新松森商店」

コッペパン屋「メリーゴーランド」2022年11月OPEN

昭和レトロな雑貨「ニューマツモリ」

定休日 月・火・水 祝日OPEN

営業時間 10:00~16:00頃(ストップ)

14:30 縁側でティータイム 里山の茅葺屋根のベーグル店「はなとね」

次に訪れたのは、「ヌフ松森医院」からすぐ、車で5分ほどのところにある、築260年以上の茅葺き古民家でベーグルとスチームべーグル(米粉の蒸しパン)のお店「はなとね」。

田んぼが広がる里山の光景を目にしながら車を走らせて行くと‥‥‥

「はなとね」の看板が見えてきます。もうすぐです。

駐車場も完備されていますよ。

石段を下りたところに迫力のある立派な茅葺屋根が見えてきました! こちらが「はなとね」さんです。

店主の村上さんご夫婦。この茅葺屋根の立派な民家に魅了され、県外から移住し店舗を営んでいます。

こちらの民家「前田家」は神戸市指定有形文化財にも指定されており、歴史を感じます。白い大きなのれんがしっくりきますね。

ご主人がベーカリーで修業後、独立の際に考えたのが、食を通しての地域貢献。アレルギーのある方にもおいしく食べてもらえるパンを、ということでいきついたのが牛乳・卵を使用しない「ベーグル」。そして小麦アレルギーのある方向けに「米粉」を使用したパンの販売も始めました。

木・金・土曜日は店頭での販売、通販も行っています。店頭販売日の前日は、夕方5時頃から翌朝オープンを迎えるまで、仕込みから全てご主人が1人で行いオープンを迎えるそう。

丹精込めてできあがったパンは、個数制限でベーグルが15~20種類、米粉蒸しパンは2~5種類ほど販売しています。

サンドイッチは食事系のものはもちろん、フルーツを使用したものなどメニューも豊富。

筆者は当日販売されていた「バジル&チーズ」を購入しました。濃厚なチーズと、それに負けないバジルの香りが立つ食べ応えのあるベーグルでした!

ベーグル バジル&チーズ

200円(税込)

里山を眺めながら、縁側で、もしくは味のある家屋内でイートインも可能です。コーヒーはご主人が豆から挽いたもの。

自然があふれる「はなとね」では、アライグマや、ヘビ、ヤモリやカエルなども出没するそうですよ。ペットの同伴の来店もOK! ドライブ中の休憩に立ち寄って、ちょっと一息。ベーグルを食べながらコーヒーをのんびり味わう、そんな立ち寄り方もいいかも知れません。

 

 

「はなとね」

兵庫県神戸市北区淡河町神田143-2

営業曜日:木曜・金曜・土曜

営業時間:10:00~16:00

18:30 イタリアの巨匠デザイナーの手により、リゾート施設へ復活を遂げた文化遺産「六甲山サイレンスリゾート」

はなとねから、車で25分弱走らせたところにある「六甲山サイレンスリゾート」、もともとは、宝塚にある「宝塚ホテル」の分館として1929年に開業した六甲山ホテルでした。

2007年には国の近代化産業遺産にも認定されています。

築100年を過ぎたとき、地震に耐えられないという理由で一旦クローズ。その後2017年、木を触らせたら世界一という建築界の巨匠イタリア人のミケーレ・デ・ルッキの手により、約2年の歳月をかけ修繕工事がなされます。そして2019年7月、「六甲山サイレンスリゾート」として生まれ変わったリゾート施設です。

文化遺産として残すべきという使命のもと改修され、開館当時の美しさを蘇らせました。館内で使用されている壁、柱、梁なども当時のままで残されています。

天井にはその大きさと美しさについ目を奪われる、ステンドグラスが。

入り口を入ってすぐのこちらの大階段、改修前は階段上に床面が覆いかぶさり地下に隠れていたものを、ミケーレが慎重に復活させたのです。床下から重厚な階段が現れたのは驚きですよね。

館内にあるショップでは、エシカルな生活のヒントになるものが販売されています。

蜂が活発に動き回るという六甲山では、はちみつが豊富に取れるとのこと。

自家製 生はちみつ

小 2,400円(税込)

大 4,100円(税込)

こちらは六甲山の杉のアロマミスト、スプレーすると清々しくすっきりとした香りが広がります。

Aroma Mist 六甲山の香り 2,200円(税込)

他にもヒノキのおもちゃ、ペットボトルリサイクルからできたシューズ、再生ガラスから生まれたガラス細工など、見ていて飽きることがありません。

またこちらのサイエンスリゾートには、カフェテリア、レストランが併設されています。こちらはカフェテリア。天井が高く、とても開放感のある造りです。

19:30 ディナーは神戸湾から淡路島まで見渡せる絶景ビューを見ながら「空のダイニング」

今日のディナーはレストランの「空のダイニング」でいただこうと思います。こちらはレストラン入口。

1階のテラスでは目前に壮大な景色が広がり、神戸湾から淡路島までの美しい眺望が見渡せます。外の風を肌で感じながら、食事も一層おいしく楽しむことができそうです。

この日いただいたメニューは「絶景夜景ディナーコース」。「空のダイニング」では、兵庫県の但馬牛や、いちじくを使用したメニューなど、その時においしい旬の野菜や瀬戸内海の海の幸などがいただけます。

Dinner Course

絶景ディナーコース

1名 11,000円(税込)

段々と日が落ちて、目の前に広がるのはまさに100万ドルの夜景。日中に過ごした自然あふれる緑の光景から一変。1日の終わりにこのような眺めを一望できるのは六甲山ならではです。

「六甲サイレンスリゾート」

住所:神戸市灘区六甲山町南六甲1034

営業時間:11:00~18:30

定休日:月曜日

TEL:078-891-0650

「空のダイニング」

【営業時間】

11:00 – 16:00 ランチタイム

16:00 – 20:30 ディナータイム

【ご入店最終時刻】

19:00

【ラストオーダ】

19:30

定休日:月曜日

(祝日の場合は翌火曜日)

一日モデルコースの予算はいくら?

 

ランチ:3,500円(弓削牧場:弓削牧場のミルク、本日の自家製チーズ3種、ランチセット)

ドリンク:400円(ヌフ松森医院:クリームソーダ)

おやつ代:200円(はなとね:ベーグル バジル&チーズ)

ディナー:11,000円(六甲サイレンスリゾート:絶景ディナー)

合計:15,100円

おみやげなどを購入する、レンタカーを借りる場合は、その分予算を追加してみてください。

神戸都心から車で30分弱の「神戸里山近郊」を巡るツアー。茅葺屋根の古民家や、牧場、六甲山など、いつもの「神戸観光」とは違った魅力を感じることができるのではないでしょうか。有馬温泉からも近いので、温泉帰りに足を伸ばしてみるのもおすすめです。

神戸里山を巡るドライブ、ぜひ参考にしてみてくださいね。

[Photos by bobo]

※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。

※店舗営業については最新情報をご確認ください。

 

 

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