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『いちにちパンダ』【今日の絵本だより 第326回】

  • 2022.10.28
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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『いちにちパンダ』 大塚健太/作 くさかみなこ/絵 小学館 1595円

10月28日は、パンダの日。 1972年10月28日に、日本で最初のジャイアントパンダが上野動物園に来園したことを記念して制定されたものです。 そう、今年は日本にパンダが来てから、ちょうど50年。 発売中のkodomoe10月号「季節の絵本ノート」でもパンダの絵本を5冊紹介していますが、今回はそれとは別に新たな1冊、『いちにちパンダ』をご紹介します。

ここは、パンダが大人気の動物園。 パンダ以外の動物は、いつも退屈。 トラのトラたろうもそのひとりです。 お客さんが誰も来ないので、寝転んで 「きょうも ひまだなあ」 と、サッカーボールでひまつぶし。 そこへ、飼育員が突然 「たいへんだ~!」 とやってきました。 「パンダが かぜを ひいてしまったんだ。 きょう いちにち パンダに なってくれないか?」

びっくりしたトラたろうですが、飼育員の差し出すパンダの着ぐるみを着て、ひとまずお客さんの前に出ていくと、みんな大喜び。 タイヤのブランコ、三輪車、すべり台、何をしても黄色い声援が飛んできます。 トラたろうは、すっかりいい気分。 飼育員もほっと一安心したところに、木から落っこちてしまったトラたろう。 かぶっていた着ぐるみのパンダの頭がとれてしまい……!?

トラとばれてしまったところに、思わず取った行動で、まさかの起死回生。 ピンチをチャンスに変えて、新たな人気者になったトラたろう、お見事です! 続編の『よるだけパンダ』(小学館)では、今度はカバのカバたろうに飼育員の無茶ぶりが。 パンダだけでなく、トラにカバ、他にもどんどん人気者が増えていく動物園、行ってみたくなりますよ。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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