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素朴な味わいのおいしい「すあま」は関西では食べられない?東日本がメインのお菓子って本当?

  • 2022.10.23
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もっちりとした食感と素朴な甘さの和菓子「すあま」。 おめでたい席などでも紅白のものが配られたりすることのあるお菓子ですが、実は全国区の和菓子ではありません。 東京を中心とした東日本、主に関東で見られる和菓子です。

「すあま」とはどんなお菓子?

 

まず最初に、すあまがどのように作られているかを見ていきましょう。

「すあま」の原料

すあまの主な原料は、うるち米を加工して粉にした上新粉です。 上新粉を湯でこねて蒸し、砂糖を加えて熱いうちにつくことで出来上がります。

大福などのように中にあんこなどを入れたりしないので、実にシンプルな和菓子となっています。

形が変わると「つるのこ」に名前が変わる

すあまは、巻き簾で巻いてかまぼこ型にするのが一般的です。 このすあまをたまごのような形に仕上げたものは、「つるのこ」「つるのこ餅」と呼ばれます。

鶴の卵に見立てたもので縁起がよいとされ、地域によってはお祝いの席や贈答品に使われることもあります。

似ている和菓子との違い

 

ご当地お菓子などの中には、すあまに似たようなものがあります。 一体どんな違いがあるのでしょうか?

「しんこ餅」との違い

「しんこ餅」は、主に新潟県などで食べられている郷土菓子です。 こちらも上新粉を使って作られているためすあまに似ていますが、すあまとは違い、中にあんこが入っているのが一般的です。

千葉や茨城などの関東地方、宮城などの東北地方でも幅広く食べられています。

「州浜」との違い

鎌倉時代に京都で生まれたお菓子の「州浜(すはま)」。 名前がすあまに似ていますが、両者はまったく違うお菓子。

州浜は、大豆や青豆を煎って挽いた「州浜粉」と呼ばれる粉に砂糖と水あめを加えてよく練ったお菓子です。

その名前は、州浜の断面が「州浜紋」と呼ばれる家紋に似ていることからきています。

「すあま」の由来

 

ここからは、「すあま」がどのように生まれたのかや、名前の由来について見ていきましょう。

「すあま」は関東ローカルなお菓子?

すあまは、江戸時代に生まれたとされる和菓子。 江戸の木場が発祥の地とされており、固くなりにくく日持ちのする和菓子として親しまれてきました。

すあまは、主に東日本でしか販売などされていません。 静岡以西では、その名前さえ知らないという人も多くいます。

逆に関東では、コンビニでも売っているほどよく見る和菓子なのですが・・・。

すあまの名前の由来は?

「すあま」という名前は、米粉と砂糖だけで作られたシンプルな味から「薄甘」→「すあま」と名付けられたという説があります。 また、中にあんこなどが入っていないため「素甘」から名付けられたという説や、前述の和菓子「州浜」から派生したという説もあり、諸説あります。

縁起物ともされる「すあま」

おめでたい席では、紅白の姿で配られることなどもあるすあま。 昔から縁起物としても扱われており、その際は表記が「寿甘」となることもあります。

寿の字が入ることで、一気におめでたい雰囲気が出てきますよね!

まとめ

「すあま」は、上新粉を材料とした、中にあんこなどの入っていない優しい甘さの和菓子です。 江戸時代に木場で生まれたとされる和菓子ですが、東日本を中心にして食べられており、関西や西日本ではあまり姿を見ることがありません。 関東では、コンビニでも取り扱われ、1つ100円しないこともあるお手軽価格の和菓子です。

似たようなお菓子に「しんこ餅」「州浜」などがあります。 また、すあま自体の形がかまぼこ状から円形に変わると「つるのこ」と名前が変わることもあります。

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