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「提灯に釣り鐘」とはどんな意味の言葉?実は洒落でもうひとつ意味がある面白い言葉

  • 2022.10.7
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外見は似ていてもまったく釣り合わない存在であることを指すひょうげんのひとつ「提灯に釣り鐘」。 形状こそ似ていても、性質が全く異なる存在に対して用いられます。。

この「提灯に釣り鐘」には、洒落た意味もあるので、そちらも併せて説明します。

「提灯に釣り鐘」とは

 

まずは「提灯に釣り鐘」について見ていきましょう。

「提灯に釣り鐘」の意味

「提灯に釣り鐘」は、外見は似ていてる両者がまったく釣り合っていない存在であることを意味します。 中身が違うことによって比較にならないことを例えた表現としても使用されます。

洒落を込めた「提灯に釣り鐘」の意味

「提灯に釣り鐘」は、古くは「片思い」の意味で使用されて来ていたこともある表現です。

和紙でできた「提灯」と鉄を用いた「釣り鐘」の2つを比較したら、当然「釣り鐘」だけが重いです。 そこから一方が重いということで「片重い」となり、漢字違いの「片思い」という洒落を込めた意味となっているのです。

身分違いを表現するために古くから使われた「提灯に釣り鐘」

 

ここからは「提灯に釣り鐘」の由来について見ていきましょう。

「提灯に釣り鐘」の由来

「提灯」も「釣り鐘」も、どちら吊り下げて使用する道具という共通点があります。 しかし、両者は材料が異なるためその重量や大きさという点ではまったく違う存在です。

この見た目こそ似ている点があるものの、存在としては全く異なるという点から来た言葉とされています。

物語に用いられた「提灯に釣り鐘」

「提灯に釣り鐘」は、歌舞伎や浄瑠璃の演目「仮名手本忠臣蔵-九段目-山科の雪転」の中のセリフとして登場します。

そこでは、身分が釣り合わない縁談として「提灯に釣り鐘」が使用されています。 当時の「提灯に釣り鐘」は、この用い方からわかるように、身分違いの縁談という意味でも用いられていました。

「提灯に釣り鐘」の類義語

 

ここからは、「提灯に釣り鐘」の類義語について見ていきましょう。 類義語としては、「月とすっぽん」「雲泥の差」などがあげられます。

雲泥の差

「雲泥の差」とは、非常に大きな違いの例えとなる表現です。

「後漢書―矯慎伝」にある故事から来ているとされています。

それは、中国が後漢という国名だった時代のこと。 「呉蒼」という人物が、山奥で隠遁生活を送る人物「矯慎」に手紙を出しました。 その書き出しに、お互いの立場を例えた「乗雲行泥」という一節があります。

「乗雲」は雲の上のような高い世界で暮らしていることを、「行泥」は俗世で欲にまみれた生活していることをあらわしています。 高潔な世界で生きる「矯慎」のことを、「呉蒼」は俗世で暮らしながらもいつも慕って敬愛しているという気持ちを表現した文言となっています。

この2人の生き方の違いから、「雲泥の差」という言葉が生まれたとされています。

月とすっぽん

「月とすっぽん」とは、釣り合いがとれないことを意味します。 2つを比べた時に隔たりが大きすぎて、比べ物にならないことを言います。

月もすっぽんはどちらも丸いですが、月は天に輝き清らかで美しい存在なのに対して、すっぽんは水の中を這いずるようにして行きています。 そこから天と地ほどの差があることを表すようになったとされています。

まとめ

「提灯に釣り鐘」は、両者が不釣り合いな存在であること、比較にならない存在であることを意味します。

古くは、片思いという意味で使われてきたこともある語句です。 提灯と釣り鐘は、ぶら下げられるという共通点がありますが、材料が異なるので重さや大きさなどが違ってきます。 提灯は軽く、釣り鐘は重いです。 そこから、「片方が重い」→「片重い」→「片思い」という洒落めいた意味合いとなったのです。

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