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40代。女ひとり、働き、暮らす。会社を辞めた2人の場合。

  • 2022.10.7
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離婚を経て60歳からブログを開始し、人気ブロガーになった女性。40歳で離婚し、ひとりで生花店を営む女性。高知県に移住し、本屋を開店した女性......。

これらは「私らしく、働く」女性たちの一例。「私らしく、働く」と聞いて、あなたはどんなスタイルを思い浮かべるだろうか。

本書『私らしく、働くということ』(主婦の友社)は、「女ひとり、働き、暮らす」14の実例集。40代から60代の独身女性やシングルマザーにスポットを当て、14人の「これまで」と「これから」を紹介している。

■目次
CHAPTER1 気になるあの人の 仕事と暮らし
CHAPTER2 人気ブロガー&インスタグラマー8人 これまでとこれからの仕事の話
CHAPTER3 知りたい! 40代からの起業 私らしい仕事の見つけ方

聞いたのは、「私と仕事」「仕事ヒストリー」「人生のターニングポイント」「ワークライフのお供」「私の癒やし時間」「暮らしとお金」「スキルアップ&自己投資」「今後のライフプラン」「長く働き続けるための心身の整え方」「起業、私の場合」など。

CHAPTER1に登場する「パート勤務・ブロガー ショコラさん」「イラストレーター 柿崎こうこさん」「整理収納アドバイザー・インフルエンサー sakkoさん」「PAUSE生花店 店主 吉原友美さん」「派遣社員・ユーチューバー 団地暮らしのcinnamonさん」「うずまき舎 店主 村上千世さん」から、2人のスタイルを紹介しよう。

流れに任せて過ごす

1人目は、整理収納アドバイザー・インフルエンサーのsakkoさん(40代)。賃貸マンションでひとり暮らし。Instagramを中心としたインフルエンサー、そして整理収納アドバイザーとしてフリーで活動中。

sakkoさんは約20年間、ファッション関係のバイヤーとして国内外を飛び回っていた。コロナ禍が始まった年の春に退職し、現在は基本的に在宅ワーク。週3日休むことを目標に、自分のペースで仕事をしている。

「好きなことを仕事にし、それが誰かの役に立っているうえ時間の自由が効くなんて、本当に幸せなことです。仕事は自分を成長させてくれる存在。ただ与えられた仕事をこなすのではなく、さらによくするためにはどうすればいいか? 考えて行動することで、成長し続けられていると思います」(引用ママ)

会社をやめたいなと思い始めたころに、整理収納アドバイザーという資格があることを知り、「私に合うのはこれだ!」と直感で講座に申し込んだというsakkoさん。

会社員のうちに資格取得、インスタグラマーデビュー。依頼が徐々に増えて退職を決意し、現在に至る。他の人がまだ知らないものを見つける力、ものへのこだわりは、バイヤー時代の経験が生きていると感じている。

フリーランスは発信しなければ収入はゼロになると考え、発信スキルをいかに高めるかに注力。一方で、SNSはいつサービスが停止するかわからないという怖さも。ブログ、LINE、YouTubeなど、sakkoさんはパイプを複数持つようにしている。不安要素がなくなるくらい、スキルアップのための努力も欠かさない。

「今の働き方は気に入っていますが、会社員になって、SNSを副業にする可能性も。時代の流れや年を重ねるにつれやりたいことが変化するかもしれないので、外に出て働くことを選ぶ可能性も十分あります。今後のことはあまり決めすぎないで、流れに任せて過ごすつもりです」

10年後にどう生きていたいか

2人目は、うずまき舎・店主の村上千世さん(40代)。賃貸一軒家でひとり暮らし。大阪で会社員として勤めたのち、高知県に移住。香美市で山の上の本屋「うずまき舎」を2014年にオープンした。

移住してきた当初は、「ただ自然豊かな土地で畑を耕しながら、自分のできることをして暮らしていきたい」との漠然とした思いだけがあり、本屋をすることになるとは思っていなかったという村上さん。

「起業して夢を叶えた移住者というイメージを持たれることも多いのがですが、実情はそんなに整然としたものではありません(中略)手持ちのもの、自分がほしいもの、地域にあるものを組み合わせ、つぎはぎのようにしてどうやらできあがったのがうずまき舎です」

短大で陶芸を専攻し、卒業後は手芸用品の企画の仕事に。安定した収入もやりがいもあったが、30代半ばに先のことを悩み始める。そんなときに出合ったのが、布作家・早川ユミさんの『種まきノート』という1冊の本。

そこには、村上さんがかつて思い描いていた自給的な暮らしが描かれていた。ワークショップに参加して「ユミさんみたいな暮らしをしたい」と打ち明けたところ、「それなら今すぐやらなきゃ」と早川さんからひと言。グラグラしていた気持ちが吹っきれ、会社をやめることを決意した。

仕事をやめた当初は、次の住まいも仕事も決まっていなかったという村上さん。そこから「生きていく欲求のほかにどうしても必要なものは何か」と考え、最後に残ったのが「本と、本がある場所」だった。

「10年後に自分がどう生きていたいかをイメージできれば、自然とその方向に向かえるはず。私もまだ模索中の身ですが、人に会ったり本を読んだりすることが舵取りの大きな指針になっています」

世の働く女性たちは、どんなことを考え、どんな働き方をしているのか。気になるけどなかなか見えてこないもの。そこを切り口にした本書は、とりわけ同世代の読者の刺激になるだろう。あなたの「私らしく、働く」のイメージが、読みながらくっきりしてくるかもしれない。

紆余曲折を経て「自分軸」を手に入れ、「私らしく、働く」女性たち。地に足のついた生き方、身の回りを整えた丁寧な暮らしに、背筋が伸びる思いがした。

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