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10月の手紙やメールで使いたい「季節の美しい日本語」

  • 2022.10.1
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10月は深まる秋を実感する時季。日本には、その季節に合った美しいことばがたくさんあるので、手紙やメールに季節を感じることばを使うと、心が和みやさしい気持ちになれるでしょう。そこで、各月に使いたいことばを3つずつ、和文化研究家の三浦康子がご紹介します。10月は「女心と秋の空」「十三夜」「そぞろ寒」です。

10月の美しい日本語~女心と秋の空(おんなごころとあきのそら)

「女心と秋の空」は、変わりやすい秋の天気と移り気な心模様を重ねたことわざですが、もともとは「男心と秋の空」でした。

「男心と秋の空」のことわざができたのは江戸時代。当時は男性の浮気に寛大だったこともあり、移り気なのはもっぱら男性でした。男心は主に女性に対する愛情が変わりやすいことをさしていて、若い娘に男性を警戒するよう戒めたり、ふられた際の未練を断ち切る慰めにも使われたりしました。

その後、大正デモクラシーで女性の地位が向上すると恋愛の価値観も変わり、西洋文化の影響で女性が素直に意思表示できるようになったことから、「女心と秋の空」とも言われるように。女心は、愛情に限らず、喜怒哀楽の感情の起伏が激しいことや物事に対して移り気なことを表しているので、愛情をさす男心とは少しニュアンスが違います。

「男心と秋の空」がメインで、「女心と秋の空」が載っていない辞書もありますが、どちらを使っても間違いではありません。男女が入れ替わったり、意味が微妙に違っていたり、この言葉自体も“秋の空”のように思えます。

<例文>

  • 女心と秋の空といいますが、好きなものがよく変わってしまうんです。
  • 男心と秋の空だから、あの人には気をつけたほうがいいわよ。
  • 女心と秋の空というけれど、私の移り気なんてかわいいもの。男心と秋の空のほうが心配です。

10月の美しい日本語~十三夜(じゅうさんや)

「十三夜」とは旧暦9月13日のお月見のことで、十五夜に次いで美しい月とされています。十五夜が中国伝来の月見を手本にしているのに対し、十三夜は日本で始まった風習で、栗や豆の収穫祝いでもあるため、「栗名月」「豆名月」という別名があります。十五夜と十三夜をあわせて「二夜の月」といい、どちらか一方しか月見をしないことを「片月見」「片見月」と呼んで縁起が悪いとされました。

また、昔は月の巡りで暦を作り、月明かりで暮らすなど、月は生活に欠かせないものだったので、こうした特別な月以外でも、人々は月に特別な思いを寄せて暮らしていました。そんな様子が月の満ち欠けによる呼び名に表れています。

十五夜以降、月の出がおよそ50分ずつ遅くなるので、月がためらっている(いざよう)ようだとして「十六夜(いざよい)」、まだかまだかと立って待つ「立待月(たちまちづき)」、待ちくたびれて座って待つ「居待月(いまちづき)」、もう寝てしまう「寝待月(ねまちづき)」など。昔の暮らしを思いながら、月を眺めてみても楽しいでしょう。

<例文>

  • 今夜は十三夜ですね。方月見にならないよう、月を眺めたいと思います。
  • あいにくの空模様で十三夜の月は見えそうにありませんが、栗や月見団子をお供えしたいと思います。
  • 十三夜ということで、SNSにも月の写真がいっぱいあがっていましたね。

10月の美しい日本語~そぞろ寒(そろぞざむ)

「そぞろ寒」とは、季節の移ろいを感じさせる寒さをいいます。「そぞろ」は何となく、わけもなくという意味で、体で感じる寒さというよりも、季節が移ろっていくさまを心に受け止めて感じる寒さを表します。

10月になると秋も深まってきて、朝晩の冷え込みも増してきます。二十四節気では、10月8日頃に冷たい露がおりる頃を表す「寒露(かんろ)」、10月23日頃に霜が降りる頃を表す「霜降(そうこう)」となります。

秋の寒さを表す言葉には、「そぞろ寒」のほか「秋寒(あきさむ)」「朝寒(あささむ)」「夜寒(よさむ)」「肌寒(はださむ)」、秋のうすら寒い感じを表す「うそ寒」などがあり、状況に合わせて使い分けることができます。

<例文>

  • そぞろ寒の時季、いかがお過ごしでしょうか。
  • そぞろ寒に秋の深まりを感じる今日この頃。ホットココアに手が伸びてしまいます。
  • 夜寒の時期となりましたので、御身おいといください。

日ごとに秋が深まる10月。風情あふれるこの時季を美しい言葉とともに愉しんでみてください。

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