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「東京の不動産は一般人の年収では手が届かない」今、不動産投資家がこっそり狙っている物件

  • 2022.9.29
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東京の不動産価格は高騰が続いている。このタイミングで買ってもいいのか。不動産コンサルタントの午堂登紀雄さんは「バブルの兆しはなく、待てば下がるわけではない。マイホームは欲しいと思った時に買うのが鉄則、一方で不動産投資を考えるなら狙い目の立地がある」という――。

東京の高層ビル・マンション
※写真はイメージです
一般人の年収では届かない

昨今の東京(特に23区内)の不動産価格は、もはや一般人の年収では住宅ローンが届かない水準まで上昇しており、なおかつ新築の供給が少ないので(山手線内はほぼ億ション)、中古物件ですら数年前の新築と同等かそれ以上の価格になっています。

そして都心ではもう高くて買えないという層が外へ外へと広がり、首都圏近郊のターミナル駅近くでも、昔の値段を知っている人には信じられない金額で取引されています。

不動産業者は「売るタマ(物件)がない」と嘆き、大手は大手で絨毯爆撃のように登記簿を取得しては所有者に「売りませんか」と攻勢をかけています(これもほぼ一巡した印象です)。

不動産投資家は「こんな利回りでは買えない」とスルーしていますし、銀行も「不動産の扱いが減った」とやはり嘆いています。

バブルの兆しはない

ではこの状況はバブルなのでしょうか?

結論から言うと、バブルの兆しはない、というのが私の印象です。

昨今の不動産市場は「何でもいいから買え」などという狂乱的なノリではなく、ほぼ実需(自分が住むために買いたいという客層)に支えられているからです(むろん点で見ればたとえば別荘地は人気で局地的なバブルと言えるかもしれませんが、マーケットとしてはあまりに小さい)。

特に都心部では家賃が高止まりしていることもあり、「家賃ももったいないし買ってしまおうか」と賃貸から持ち家に切り替えようという需要があります。

ただし都心部は高くて買えないので、手が届きやすい郊外路線周辺へと向かいます。

しかし考えることはみな同じですから、その郊外都市も値上がりし、住宅ニーズはさらに周辺へと波及し価格上昇が連鎖しているというわけです。

コロナで東京脱出・地方移住はごく一部

私が住んでいる千葉県の郊外都市でも、この数年は戸建てもマンションも建築ラッシュで、都内から多くのファミリーが移転してきました。

おかげで待機児童の増加により保育園はコンビニよりも増え、小学校は児童数1000人を超えるマンモス校が市内に4校も存在。教室が足りず昨年新設校ができたのに、2年後にはさらに2つの新設小学校が開校するぐらいです。

それはともかく、開発し尽くして新規供給がほぼストップし、たとえば5年前の新築物件が、発売時よりも2割くらい高値で売買されています。

コロナで東京脱出・地方移住というのはほんのごく一部で、都市部の住宅需要や不動産価格を変えるほどの規模はありません。

コロナで変化した需要といえば、マンションから戸建てに人気が移ったことでしょうか。特に分譲戸建ては場所にもよりますが、マンションより安いという現象がここ数年続いていますから、「リモートワークがしやすい自分の部屋が確保できる」と戸建ての人気が高まりました(ただし、都心や駅近に住みたい層にはマンション一択)。

知人の宅地・戸建て分譲の経営者も、「建てれば売れる」「蒸発するように売れる」と言っていました。

日差しの入るキッチンの眺め
※写真はイメージです
不動産投資家の動きは冷静

また、不動産投資家も比較的冷静で、たとえば2005~2007年ごろのミニバブルのように、利回りが2~3%でも焦って買うという人はほとんどいない様子です。

不動産業者も直後のリーマンショックで転売業者がバタバタ倒れていった悲惨な状況を覚えていますから、そこまでリスクを取らない。

特に個人投資家は「無理して買う時ではない」と静観している人が大半です。

それに対して、不利な立地や耐用年数を超えたような古い物件を持っている人は、いまが出口のチャンスとばかり売りに出しています(利回り12%や15%でも、「この場所か……、この築年数か……」と投資する気にはなれませんが)。

不動産投資家も冷静、戸建てもマンションも投機ではなく実需層が買っているという感じで、居住物件全般としてはバブル的な要素は見られません。

一方で地方の公共交通機関が少ない不便なエリアでは相変わらず家が売れずに余っていますから、1980年代のバブルとは明らかに違う。

ただし、高騰しすぎたタワマンなどでは調整が起こる可能性はあります。特に今後やってくる大規模修繕では、計画予算とどれだけ乖離かいりしそれがトラブルを生むのか不透明です。

待てば下がるのか

そこで、「では待てば下がるのか?」という疑問が湧くかと思いますが、これもあまり期待はできません。

たとえば円安が進んでいる昨今、海外の投資家・ファンド勢から見れば日本の不動産はバーゲンセールみたいなものですから、彼らが触手を伸ばしています。

都市部のオフィスビルや商業施設に限らず、最近の有名どころではたとえば長崎のハウステンボスをHISから買収したのは香港の投資会社ですし、今年9月26日に開業した熱海パールスターホテルは中国資本によるものです。

旺盛な国内需要に加え海外勢も参戦していますから、特に都市部や首都圏では、待っていても「ただ値段が上がるのを指をくわえて見ていただけ」ということになりかねません。

さらに今後は金利が上昇する懸念がありますから、値段が高いうえに住宅ローン金利も高いというダブルパンチになる可能性があります。

不動産価値の計算
※写真はイメージです

とはいえ地価も建築コストも上がっているため、特に都心部の新築物件は庶民には手が届かない値段になっている。物件検索サイトで探してみても、都心一等地の新築ファミリータイプマンションはほぼ億ションです。

首都圏郊外の主要路線の駅近も開発が終わったところが多く、資産価値が維持しやすい優良立地は中古物件狙いになるでしょうか。

いずれにせよマンションは立地さえ良ければ価格は下がりにくいため、中古マンションをフルリフォームするという方法もアリです。

一方、値段が手ごろだからといって、バス便など車がないと暮らせない場所では、戸建て・マンションともに資産価値が大きく下落するリスクにさらされますから、「永住」を前提にできる人はともかく、将来転居の可能性がある人にはちょっと怖い。

投資物件も下がる気配がない

都市部の投資物件(ワンルームマンション、1棟アパート・1棟マンション)も下がる気配がありません。

実需と違い、回っている物件ならいま売る必要はないですし、仮に売るとしても急いでいないので、利回りから逆算して強気の売値で出すことが多いからです。

たとえば年間の家賃収入が300万円、都市部近郊の平均利回りが6%と仮定すると、利回りで割戻して5000万円で売りますよ、というわけです。

下落の可能性としては2025年問題でしょうか。これは日本政策金融公庫のコロナ緊急融資の元本据え置き期間が5年で2025年から返済が始まるのですが、ここで返済できず自営業者や中小企業が不動産を投げ売る可能性があることです。まあ、この可能性も生産緑地の2022年問題の時と同様、空振りに終わるかもしれませんが。

この時代環境でも投資物件を買うには、丹念に業者を開拓すること、業者とのコミュニケーションを欠かさないこと、取引銀行の評価の目線に合わせた物件選びをすることが重要です。とはいえ高値掴みは避けなければなりません。入り口でコケたら身動きとれないですから。また、郊外の新築アパートも要注意で、数年で家賃が大きく下がるケースがよくあります。

マイホーム購入の判断基準

マイホームの優先順位や条件は人によって異なりますが、「家が欲しいが将来転居する可能性がある」という人には、「その物件を貸すと住宅ローンの返済額+管理費・修繕積立金を上回る家賃で貸せるか」というのが判断材料の一つとして役立つと思います。

そしてマイホームを買うタイミングはシンプルに「欲しいと思った時」です。

物件探し(検索して問い合わせる、モデルルームや現地を見る、詳細を業者に確認する、融資書類を準備するなど)には相応のエネルギーが必要で、本気度が小さいと途中で面倒になって挫折しやすいからです。

金利の先高感はあるとしても、とりあえずまだ低金利政策ですし、金利が上がれば景気が減速、すると銀行もなかなかお金を貸してくれなくなる可能性もありますから、マイホームを検討している人は時期を逸しないようにしたいところです。

不動産投資家が今、狙っていること

最後に、富裕層や個人投資家は、不動産関連ではいま何を狙っているのか。

私の友人知人関係という少ないサンプル数なのは割り引いていただくとして、富裕層は億ションだろうと関係なく、立地が良ければ買っています。資産価値が下がらないし、売っても損しにくい。が、これは私たちにはなかなかまねできないかもしれません。

では不動産投資家はどうか。都市部狙いの人は息をひそめて静観していますが、攻めている人は競合が少ない地方都市で買い進めています。

さらに、良質な賃貸物件が不足している県内第二、第三の都市を狙っている人もいます。こういう都市では新規にアパートを建てようという人が少ない一方、地元で就職して結婚する若いカップルもいますから、おしゃれなデザインのアパートを建てるとかなり引き合いがあるようです。

ほかには、やはり地方で余っている家をタダ同然で取得し、自分でリフォームして貸し出したり転売したりしている人もいます。

それとインバウンド再開を見越して民泊投資(180日規制がある一般民泊ではなく、旅館業免許を取得してホテルやゲストハウスとして運用する)に戻っている人もいます。

不動産活用と一口に言っても、住居系だけではなく、店舗、オフィス、倉庫、トランクルーム、イベントスペース、コワーキングスペース、時間貸し駐車場、キャンプ場などいろいろありますから、調べてみると面白いものが見つかるかもしれません。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士
1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒。大学卒業後、東京都内の会計事務所にて企業の税務・会計支援業務に従事。大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。現在は不動産投資コンサルティングを手がけるかたわら、資産運用やビジネススキルに関するセミナー、講演で活躍。『捨てるべき40の「悪い」習慣』『「いい人」をやめれば、人生はうまくいく』(ともに日本実業出版社)など著書多数。「ユアFX」の監修を務める。

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