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『HiGH&LOW THE WORST X』前田公輝と塩野瑛久が語る、釣り仲間たちの“ちょうどいい”関係性

  • 2022.9.26
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日本のどこかにある「SWORD地区」を舞台に、個性豊かな不良チームたちが拳を交えるアクション&バトルストーリー「HiGH&LOW」(以下、ハイロー)シリーズ。その最新作『HiGH&LOW THE WORST X』が公開中だ。前作『HiGH&LOW THE WORST』(19)に続き、SWORD地区最凶の鬼邪高校で頭を張る花岡楓士雄役に川村壱馬。そこに、鬼邪高狩りを企む瀬ノ門工業高校の天下井公平(三山凌輝)とその右腕・須嵜亮(中本悠太)ら新キャラクターが加わり、テッペンをめぐってバトルを繰り広げる。

【写真を見る】「ハイロー」前田公輝と塩野瑛久がなかよくギャルピース!轟&小田島の関係に名前を付けるなら?

公開中の『HiGH&LOW THE WORST X』 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
公開中の『HiGH&LOW THE WORST X』 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

公開から数日、「ハイロー」の熱狂が日本中の映画館を熱くさせるなか、ファンたちを深い沼に突き落としているのが、鬼邪高校3年の轟洋介と、鳳仙学園の四天王の一人、小田島有剣だ。前作で拳を交えた2人の意外な展開に驚きつつ、その関係性に歓喜するファンたちが続出している。そこで轟を演じる前田公輝と、小田島を演じる塩野瑛久にインタビュー。映画が公開されたいまだから話せる裏話をたっぷり語ってもらった。

轟洋介役の前田公輝、小田島有剣役の塩野瑛久が、公開後だからこそ話せるディープな見どころを紹介 撮影/興梠真穂
轟洋介役の前田公輝、小田島有剣役の塩野瑛久が、公開後だからこそ話せるディープな見どころを紹介 撮影/興梠真穂

※本記事は、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

「最初に絡みに行ったのは小田島の方だったんだろうな」(塩野)

――まさか小田島と轟が釣り仲間になっているとは驚きでした。この設定について、お2人でどんなことを話しましたか。

塩野「若干話しましたよね」

前田「うん。本当、若干」

塩野「きっと最初に絡みに行ったのは小田島のほうだったんだろうなとか。で、轟は無視してるんだけど、小田島は構わずという感じで。小田島は策士なんで、遠くのほうで『エサがねえなあ』とか『誰か貸してくんねえかな』とかしつこく言ってきて。それで轟が半ギレになって、エサを渡してくれたんじゃないかとか」

本作では、別チームの二人が釣り仲間であるという、意外な事実が判明 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
本作では、別チームの二人が釣り仲間であるという、意外な事実が判明 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

前田「なにか偶然がないと、この二人って合わないと思うんで。そもそも一匹狼だった轟が辻と芝マンにあれだけ心を許すようになったのも、映画の中では描かれていない奇跡的なめぐり会わせが絶対あったからで。小田島とも釣りという共通の趣味がたまたまあって。アキくん(塩野)が言ってくれたみたいに、小田島からのアクションに対して『うるさいから魚が逃げる』とか、そういうことを轟も言ってた気がするんですよね」

塩野「そうそうそう」

前田「小田島って放っておくとずっと1人で喋ってるんで(笑)。エサをあげないと黙らないから、しぶしぶ渡したのかなとか。といっても、撮影前に綿密に打ち合わせる時間もそんなになかったので。それぞれがそれぞれでバックボーンを作って。あとでこういう取材の場でお互い話しているのを聞いて、ほとんど解釈が一緒だったんだって知った感じです」

「轟と小田島は似た者同士」(前田) [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
「轟と小田島は似た者同士」(前田) [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

「はたから見ると“友達”。でもお互いの間では“知人”」(前田)

――この映画で描かれた轟と小田島の関係性は名前をつけるならなんでしょうね。

前田「きっかけは戦友ですけど、でも戦友でもないしなあ」

塩野「なんだろうな。難しいな」

前田「たしかに“何友”って表現しようとすると、めちゃめちゃ難しいね」

塩野「轟としては、仲間を思いやる気持ちがちょうど芽生え始めたころなんですよね。今回、突撃しに行くのも、そういう仲間意識があってのことだろうし。だから小田島にも『なんだ、こいついいやつじゃん』というのはあると思う」

前田「轟と小田島って、見た目も性格も全然違うけど、どこかしら似た者同士だと思うんですよね。学校の看板のことを俯瞰的に考えているところとか、なんかしら共通点があって距離が近くなっていったところはあるんじゃないかな」

ルックスこそ優等生風だが、全日制でも事実上No.1の実力を持つ轟 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
ルックスこそ優等生風だが、全日制でも事実上No.1の実力を持つ轟 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

――小田島は前作で轟に敗れたことに対しては、もう払拭できているという解釈ですか。

塩野「いや、最初はできてなかったです。それこそ前作で鬼邪高と鳳仙が団地に乗り込みに行くシーンでも、門の前で鬼邪高と合流した時、どっちが行くんだという流れになって。台本では小田島が『まあ、佐智雄、いいじゃねえか』みたいな感じで取りなす台詞があったんですよ。でも、僕はそれが腑に落ちなくて。ちょっと舌打ちを入れて『佐智雄』って声をかけて、佐智雄に判断を仰ぐ芝居に変えさせてもらったんです。今回はあれから時も流れて、佐智雄が鬼邪高を認めている部分があるからこそ、小田島も『まあまあいいじゃねえか』と言えるようになったのかなと」

鳳仙四天王の1人で、鳳仙の頭である上田佐智雄(志尊淳)の相談役を務める小田島 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
鳳仙四天王の1人で、鳳仙の頭である上田佐智雄(志尊淳)の相談役を務める小田島 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

前田「たぶんお互いの間では“知人”としか捉えていないんじゃないかな。でも、はたから見ると“友達”と思われている関係。誰かに聞かれても『まあ、知ってるよ』とは言っても“友達”だとは答えなさそう。いまだけの期間限定感みたいなものはお互い感じてるかもしれませんね」

塩野「そうだね。やっぱりパーソナルスペース的には鳳仙の仲間が第一。そこは変わらないだろうし」

前田「こっちも鬼邪高だしね」

塩野「そうそう。そのうえで今回みたいな、なにか大きいことが起こった時は、協力関係を仰ぐ。そういう連携みたいなものがこの2人にはあって。それ以上でも以下でもないのかなとは思います」

「電話して振り返ったら轟がいるシーンはカッコよかった!」(塩野)

――ぜひアクションシーンの裏話も聞かせてください。

前田「今回みたいに楓士雄、轟、小田島の3人で向かっていく時って、仮に3人とも10手ずつつけたとして、それを別々のスピード感でやっちゃうと合わないんですよ。どちらかの手はもう終わってるのに、ほかの誰かの手はまだ続いているから、やることがなくてどうしようみたいな。そうすると、急に物語が止まったみたいな感じに見える。そこの呼吸感はちょっと頭を働かせないといけないというか、新感覚でしたね」

塩野「今回はそういう場面が多かったですね。3人で体育館に到着してすぐのアクションもそうですし、楓士雄との廊下のシーンも」

今作でもハードなアクションシーンが盛りだくさん [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
今作でもハードなアクションシーンが盛りだくさん [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

前田「あと、須嵜戦ね。めっちゃムズいんですよ、2対1って。いつも辻と芝マンは2対1のツインで戦ってるのに、そんな苦労話を全然僕に言ってこなくて。きっとそれはアイツらの中の美学なんだろうなと思うと、男としてちょっとかっこいいなと思いました。一番難しいかもしれない、2対1は」

――どういったところが難しいんですか?

前田「シンプルに当たっちゃいそうになるんです。避けてるところの隙間に向こうからパンチが来たりとか」

塩野「もうちょっと離れてやったら、当たりそうになるリスクは減らせるんですけど。全員が画の中にキュッと収まるほうがタッグ感は伝わりやすい。だからギリギリまで接近して戦うことにこだわりたくて。本当、スレスレの隙間を縫ってパンチを繰り出していかなきゃいけなかった。あれはたしかに難しかったですね」

前田「そうそう。相手の軌道を先読みして、そこに自分のパンチを入れなきゃいけないから」

塩野「しかも、その間に細かいリアクションもちゃんと入れなきゃいけないっていう」

前田「2対1だと“死に間”(演者がなにもしていない状態の不自然な間のこと)が絶対できちゃうんですよ」

塩野「こっちは次の手に行きたいけど、相手がいるから行けないみたいな。その間を埋める作業も必要でしたね」

前田「だから、ダメージを受けているリアクションを入れて間を埋めるとか、そういう見せ方の工夫が大事でした」

前田公輝 撮影/興梠真穂
前田公輝 撮影/興梠真穂

――個人的には、楓士雄と一緒に戦うのが轟と小田島であるということが胸熱でした。3人がバシッと並んだときの画がカッコいいというか。

前田「あそこ、カッコよかったですよね。廊下で閉じ込められたところに小田島が『毎度~。殺し屋鳳仙だす』って来るところ。あれはズルいっすね」

塩野「カッコいいと言ったら轟でしょ。電話して振り返ったら轟がいるところはカッコよかった!」

前田「あそこはもともと、ああいう撮り方じゃなかったらしいんですよ。僕も段取りの時はノリさん(平沼紀久監督)がどういう演出をつけるかわかっていなくて。その場で僕がやってみたものに合わせてカット割りを変えてくださったんです。それで、ああいうシーンになって」

塩野「あとはやっぱり轟の『殺す』のどアップね。なんであんな般若みたいな顔になってんの(笑)」

前田「あそこは台本に『轟、振り返ると鬼の形相』みたいなことが書いてあったから、鬼かあと思ってやったらああなったの(笑)」

塩野「あとは前作もだけど、走ってる時の顔とか、轟はどれもすごくカッコいいですね」

前田「でもたしかに楓士雄、轟、小田島というのはなかなかレア感があるよね。そこにさらに鈴蘭が加わってきて。そういうキャラ同士の絡みは貴重なシーンの連続かも」

塩野「奇跡のクロスオーバーですからね」

前田「それぞれのヒーローが集結したような感じは今回の見どころの一つです」

塩野瑛久 撮影/興梠真穂
塩野瑛久 撮影/興梠真穂

「いままでで一番人間らしい轟を見せたかった」(前田)

――轟は、これまでは対村山だったり、対楓士雄という軸がありました。今回はどんなことを心に置いて轟というキャラクターを作っていきましたか。

前田「今回、鮫岡(長谷川慎)から『お前、変わったな』と言われるじゃないですか。でも、ビジュアルは前作から変わっていない。そのなかで、どこまで変えるべきなのかは考えたところでした。仲間たちがやられて、瀬ノ門に乗り込みに行こうと血の気が立ってる鬼邪高のやつらに、轟が『司を助けることだけを考えたほうがいい』と言うのも、あれが誰もついてこない孤独な轟のままだったら響きにくいと思うんです。ある程度、轟が鬼邪高の色に染まってるというか、絆が見えないと僕の中では成立しなかった。だから、一匹狼の轟がどう鬼邪高に寄り添っていくかが今回のテーマで。いままでで一番人間らしい轟を見せたいというところから、逆算してつくっていきました」

捕まった高城司(吉野北人)を奪還するため、轟たちは敵地に乗り込む [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
捕まった高城司(吉野北人)を奪還するため、轟たちは敵地に乗り込む [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

――小田島はどうですか?

塩野「柱にしたのは、やっぱり鳳仙の仲間であるシダケン(荒井敦史)との関係性ですね。髙橋(ヒロシ)先生がつけてくれた幼なじみという設定を大事にしたいなと思ったので、そこは外せないところでした。あとはやっぱり鳳仙が主軸になる話ではないので、そのなかでどれだけ関係性を見せられるか。仁川(小柳心)との絡みとか、ああいうのが節々で出ることによって、学校の色が出ればいいなと。小田島ってそれができるキャラクターなんですよ。轟との絡みにしても、これがツンケン同士だと無理やり合わせた感が強くなる。でも、小田島のちょっと掴めないキャラクターだからこそできることはいっぱいあって。ある意味、接着剤じゃないですけど、人と人をつなぐ存在になれるのが小田島。人同士の関係性のつなぎ目に小田島はいるのかなと思いながら演じていました」

演じるうえで大切にしたという、鳳仙メンバーとの関係性 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
演じるうえで大切にしたという、鳳仙メンバーとの関係性 [c]2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 [c]髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

「どっちのほうが”ダサくない”生き方かを考える」(塩野)

――「ハイロー」って男のカッコよさが詰まった映画だと思います。お二人が思うカッコいい男ってどんな男性ですか?

前田「聞き手に回れる男ですね。すごい能力がある方とか、世の中的に成功者と言われる方たちって、自らを語らない。むしろ自分からいろいろと情報を仕入れて、その位置に辿り着いた気がしていて。自分のことを一番よく知ってるのは自分自身。だから、本来なら自ら自分を語る必要はないはずなんですよ。でも、つい承認欲求から語ろうとしてしまう。そうじゃなくて、聞き手に回れる人。『能ある鷹は爪を隠す』を体現している人が、僕のなかではトレンドというか、最近のカッコいい男のトップですね」

 前田公輝 撮影/興梠真穂
前田公輝 撮影/興梠真穂

――ちなみに前田さん自身はどちらかと言うとよく話す側の人に見えますが…(笑)。

前田「逆ですよね(笑)。だからかもしれないです。僕、発信側なんで」

塩野「でもすごい聞きだしてくれますよ。よく人に『こうなの?』『ああなの?』って質問してるイメージがある」

前田「めっちゃフォローしてくれてます」

塩野「逆に僕のほうが人に質問する時に、『なにを聞けばいいんだろう?』って考えちゃったりするんで」

前田「そう?アキくんこそ聞き手タイプの気がするけどね」

塩野「そんなことないですよ。意外と自分の話のほうがペラペラ喋れる」

前田「そっか、おもしろいね。アキくんはある?カッコいい男像」

塩野「いや、考えてるんですけど、なかなか浮かばなくて」

前田「男の美学とかね」

 塩野瑛久 撮影/興梠真穂
塩野瑛久 撮影/興梠真穂

塩野「美学っていう意味では、それこそカッコよく生きていたいっていうのはある。ダサくなりたくなくて。なにか二択を迫られた時にどっちのほうがダサいかって考えちゃうんですよね」

前田「そのダサいかどうかは、いわゆる直感ってやつ?」

塩野「直感です」

前田「じゃあ、直感を信じられる男だ」

塩野「例えばですけど、おじいちゃんが見てたらどう思うかなとか、そういうことは考えますね。おじいちゃんがいまの自分の姿を見てどう思うか。どっちを選んだほうが『お前、ちゃんと生きてんな』って思ってくれるかなって。そういう軸で決定したりすることはあります」

前田「オッケー、わかった。アキくんのカッコいい男は、魂を感じる選択ができる男だ」

塩野「おお、カッコいい。それでお願いします(笑)」

【写真を見る】「ハイロー」前田公輝と塩野瑛久がなかよくギャルピース!轟&小田島の関係に名前を付けるなら? 撮影/興梠真穂
【写真を見る】「ハイロー」前田公輝と塩野瑛久がなかよくギャルピース!轟&小田島の関係に名前を付けるなら? 撮影/興梠真穂

取材・文/横川良明

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