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「得体の知れない何か」に惹きつけられる...世界の「魔よけ」を比べる図鑑

  • 2022.9.24
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新型コロナウイルス感染症が爆発的に広まった頃、SNSをきっかけに、疫病退散の魔よけとして「アマビエ」が一大ブームになった。「魔よけ」とは、世界中の人びとが不安な気持ちでいるときでも、みんなで少しだけ安心して、楽しい気持ちになれるもの......。

2022年9月2日、そんな「魔よけ」を世界中から集めた『世界の魔よけ図鑑』(岩崎書店)が発売された。

本書は、岩崎書店の「調べる学習百科」シリーズの1冊。今まで「アマビエ」を知らなかった人が多い中、「アマビエ」について調べたい子どもたちがいるだろう、ということで企画されたそうだ。

日本民俗学が専門の三国信一さん、文化人類学の研究をおこなっている土谷輪さん監修のもと、欧米、アジア、アフリカなど、26カ国以上の「魔よけ」を掲載。離れた国でもなぜか共通点がたくさん見つかるので、比べて読んでみよう。

「アマビエ」から「四つ葉のクローバー」まで

迷信と言いながら、魔よけにすがる文化は昔から世界中に存在する。「鬼滅の刃」「呪術廻戦」などの不思議モチーフの根源にも、こういった太古の昔からの「魔」や「魔よけ」の文化が。人びとを惹きつける「得体の知れない何か」と、それからの身の守り方を比べてみることで、多文化理解を深めることができる。

【日本】疫病を鎮めると言われる妖怪「アマビエ」から「鬼」、「四つ葉のクローバー」まで、日本に今も根付く魔よけを紹介。

【世界】世界各国にある魔よけのマークや印など、ひと項目ずつ見開きページで解説。種類、役割、年代、発祥なども掲載。

■三国信一さんプロフィール
1976年に高知県で生まれ、大阪府で育つ。新潟県立歴史博物館専門研究員。専門は日本民俗学。特に年中行事と植物のかかわり、霊的な力をもつといわれる植物に関心をもつ。共著に『人と樹木の民俗世界 呪用と実用への視角』(大河書房)、『まじないの文化史日本の呪術を読み解く』(河出書房新社)など。

■土谷輪さんプロフィール
1993年生まれ。大分県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程在籍。京都とスペインでのフィールドワークを通して、物質文化、モノ研究、環境などに関心をもちながら文化人類学の研究をおこなっている。主な論文に「巡る魔除けから紐解く社会 京都における「ちまき」の流通に関する考察」(『文化人類学』 2020. vol.85-3)、'Toward Mono Studies: Directions and Possibilities for Material、 Things、 and Mono'sAnthropological Studies'Japanese Review of Cultural Anthropology vol.20 No.2 など。

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