1. トップ
  2. おでかけ
  3. 廃棄物でアートを作り続ける美術家・長坂真護の個展が、上野の森美術館で開催中。

廃棄物でアートを作り続ける美術家・長坂真護の個展が、上野の森美術館で開催中。

  • 2022.9.23
  • 346 views

世界最大の電子廃棄物の墓場とも呼ばれるガーナ・アグボグブロシー地区に集まる電子廃棄物を使用してアートを制作する、長坂真護。アートを通じて現地の現状を伝えることで、問題提起を行っている。アグボグブロシーのほか、香港、パリ、ニューヨーク、そして日本国内に「MAGO GALLERY」を展開し、アート作品の販売を通じて、“サステナブル・キャピタリズム(持続可能な資本主義)”の実現を目指す。

2017年6月、ガーナのスラム街・アグボグブロシーを訪れた長坂は、先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる人々と出会う。以降、廃棄物で作品を制作。アートで得た収益は、現地で暮らす人々へと還元しており、その売上から生まれた資金でこれまでに1,000個以上のガスマスクをガーナに届け、2018年にはスラム街初の私立学校を設立。2019年8月には、アグボグブロシー5回目の訪問時に53日間滞在、スラム街初の文化施設を設立した。この軌跡をエミー賞授賞監督カーン・コンウィザーが追い、ドキュメンタリー映画『Still A Black Star』を製作した。

美術館では初の個展となる「長坂真護展 Still A “BLACK” STAR Supported byなんぼや」では、ゲーム機のコントローラーやテレビのリモコン、パソコンのマウスやキーボードなど、ガーナのゴミをキャンバスに貼り付け、油絵を施した電子機器廃棄物を使用した作品のほか、“世界平和”の願いを込め、長坂の地元福井の越前和紙に、墨や金銀泥、クリスタルを重ねて描いた「月」シリーズなどさまざまな作品を展示。長坂の目に映る、小豆島に住む妖精や生き物を、投棄物を使いアートで表現した「小豆島」シリーズや、スラム街でアーティストになりたい青少年たちに絵を教え、彼らの作品を先進国で販売し、その売り上げの一部を作家本人に支払う「スーパースターズプロジェクト」なども紹介する。

なお、同展の入場料の一部は、長坂が目指すガーナのリサイクル工場建設や開拓農地の取得等の支援に使用される。

「長坂真護展 Still A “BLACK” STAR」Supported by なんぼや 

期間/9月10日(土)~11月6日(日)

会場/上野の森美術館 東京都台東区上野公園1-2

開館時間/10:00~17:00

・入館は閉館の30分前まで

料金/大人1,400円、高校・大学・専門学校生1,000円、小・中学生600円

問い合わせ先/050-5541-8600(ハローダイヤル9:00~20:00)

https://www.mago-exhibit.jp/

Text: Aya Hasegawa

元記事で読む
の記事をもっとみる