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絶頂、逮捕、孤独死――「ストリップの女王」の波乱万丈の生涯

  • 2022.9.17
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1960~70年代に一世を風靡し、「ストリップの女王」と呼ばれた伝説のストリッパー・一条さゆりさん。「特出し」と呼ばれる過激な芸で人気を集める一方で、公然わいせつ罪で9回検挙されるなど波乱万丈な生涯を送った。

亡くなって四半世紀。晩年の一条さんと交流があったジャーナリストの小倉孝保さんが、彼女の生涯を一冊の評伝にまとめ上げた。『踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代』(講談社)だ。

本書の冒頭では、駆け出しのころ一条さんにお世話になったという、漫才コンビ「中田カウス・ボタン」の中田カウスさんが小倉さんの取材に応じている。カウスさんは一条さんについてこう語った。

「ほんまに世話になりました。極端な話、カウス・ボタンがあるのは一条さんのお陰なんです。それほどの存在です。これまでも何度か、面白おかしく話したことはあるんですが、短い時間では、僕と一条さんの関係は、わかってもらえへんのちゃうかと思ってね。これまでちゃんと説明してこなかったんです」
(「プロローグ」より)

若かりし日のカウスさんとボタンさんは、一条さんに何を教わったのか。そして、一条さゆりとはどんな女性だったのか――。

極貧の幼少期、絶頂期、刑務所暮らし、夫の自死、大やけど、生活保護、ドヤ街での暮らし、そして孤独死。厳しい人生を歩みながらも、舞台に生きた彼女の「芸」とは。すべてを曝け出して駆け抜けた生涯を、克明に描き出す一冊。

【目次】
プロローグ 中田カウスの恩人
第一章 溢れるしずく
第二章 一条さゆりの誕生
第三章 警察との攻防
第四章 時代が生んだ反権力の象徴
第五章 芸術か、わいせつか
第六章 塀の中、束の間の平穏
第七章 暗転
第八章 釜ケ崎に暮らす
第九章 ドヤ街の酔いどれ女神
第十章 過ぎゆく日々のなかで
第十一章 見事な最期
エピローグ 拝まれる人

■小倉孝保(おぐら・たかやす)さん
1964年滋賀県生まれ。88年毎日新聞社入社、カイロ、ニューヨーク両支局長、欧州総局(ロンドン)長、外信部長を経て、現在論説委員。2014年、乳がんの予防切除に道を開いた女性を追ったルポで日本人として初めて英外国特派員協会賞受賞。『柔の恩人 「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』(小学館)で第18回小学館ノンフィクション大賞、第23回ミズノスポーツライター賞最優秀賞をダブル受賞。著書に『三重スパイ イスラム過激派を監視した男』(講談社)、『ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯』、『十六歳のモーツァルト 天才作曲家・加藤旭が遺したもの』(ともにKADOKAWA)などがある。

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