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「舟に刻みて剣を求む」、言葉の響きはカッコいいけど・・・、その由来がなんとも間抜けだった!!どのような意味で用いられる言葉?

  • 2022.9.14
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「舟に刻みて剣を求む」という言葉は、時勢に気が付かなかったり時流に乗ることができず、古いしきたりを守ってばかりいる様子をあらわします。 言葉の響きこそいいですが、その由来はかなり間抜けというかおっちょこちょいなものでした。

そこでここでは、「舟に刻みて剣を求む」という言葉の意味や由来、そして類義語について見ていきましょう。

「舟に刻みて剣を求む」とは

 

まずは「舟に刻みて剣を求む」という言葉の意味を見ていきましょう。

「舟に刻みて剣を求む」の意味

「舟に刻して剣を求む」とは、時勢が移ることを知らずに、古いしきたりを守ることに固執する様子を指します。 過去の考えやこれまでの慣習にこだわるあまり、考えが時代とともに変わっていることに気付いていないことの例えとして使用されます。

時流に乗り遅れている人に対して使用されます。

「舟に刻みて剣を求む」の由来

 

ここからは、「舟に刻みて剣を求む」がどのようにして成立したのかを見ていきましょう。

由来となったとされる故事

「舟に刻みて剣を求む」という表現は『呂氏春秋』-慎大覧・察今にある話から来ています。

それは、古代中国・春秋戦国時代のことです。 楚国の人物が舟で川を渡っていた際、川の中に剣を落としてしまいました。

慌てたこの人物は、舟に目印を刻むことで剣をどこに落としたのかが分かるようにしました。 その後、舟が岸に到着すると、船に刻んだ目印の真下に向かって潜って剣を探しましたが・・・、当然見つかるはずもありません。 舟は岸に向かって進んでいましたが、舟から落ちたその剣が川底に向かって落ちていったので、舟から落ちたその場所にあるはずなのですから。

この見当違いな行動をしている逸話から、「舟に刻みて剣を求む」という言葉は生まれました。

故事にあるおっちょこちょいな様子と意味のつながり

「舟に刻みて剣を求む」の由来となる物語と現代の意味は繋がりません。 その逸話では、オッチョコチョイな様子しか伝わってきませんが、実際の意味では全く違う用いられ方をしているからです。

「舟に刻みて剣を求む」が、古いしきたりを守ることに固執する様子をあらわすのは、出典の続きにある「以此故法為其國、與此同、時已徙矣、而法不徙、以此為治、豈不難哉」から来ているとされています。

この続きにあたる文は、古い法律でその国を治めるのは同じく見当違いである。時勢は変化していっているのに法律は変化する兆しも変えようとする話し合いさえない。 そんな法律では国を治めようとするのは、とても困難であろうといった内容になっています。

この法律への批判から、「舟に刻みて剣を求む」が、古いしきたりを頑なに守ろうとする様子に対して用いられるようになったのです。

「舟に刻みて剣を求む」の類義語

 

ここからは、「舟に刻みて剣を求む」の類義語を見ておきましょう。 類義語としては、「守株」「柳の下のどじょう」などが挙げられます。

守株

「守株」は、古い習慣を守ることで進歩が見られないことです。 その時々に応じて物事の処理ができないことを言う表現となります。

こちらは、古代中国に伝わる農民の話から来ています。 その昔、ある農民が農作業中に切り株にぶつかって死んだウサギを捕らえることに成功しました。

それに味を占めた農民は、それ以降畑仕事をサボって、切り株ばかり見守るようになってしまいました。 しかし、その後ウサギが切り株に突撃するだなんてことは二度とありませんでした。

この一度あった偶然にすがるような行動を、古い習慣を守ることと意味合いを変化させたのが、「守株」という言葉になります。

なお、「株を守りて兎を待つ」と表現されることもあります。

柳の下のどじょう

「柳の下のどじょう」は、一度成功したからと言って何度もうまくいくとは限らないということを言ったことわざです。

柳の下で一度どじょうを捕まえる事ができたからといって、次もどじょうがその柳の下にいるとは限りません。 つまり、以前の方法が現在でも通用するとは限らないことをあらわしているということになります。

まとめ

「舟に刻みて剣を求む」は、古いしきたりにこだわって、時流に乗れないことを意味します。

この言葉の背景には、古代中国・戦国春秋時代の逸話から来ています。 舟に乗っている人物が川に剣を落としてしまった際、慌てて舟に印を付けました。 当人からしたら、「ここに剣を落としたと印をつけたのでもう安心」とその瞬間は思ったのでしょうが、舟は岸に向かって進んでいるわけですからその印に何の意味もありません。 この物語を現状にあっていない法律に例えたことで「舟に刻みて剣を求む」という言葉は生まれました。

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