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ギリシャ哲学って難しそう?入門におすすめのプラトン3冊

  • 2022.9.7
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『ゴルギアス』プラトン 著 加来彰俊 訳、『ソクラテスの弁明』プラトン 著/納富信留 訳、『饗宴』プラトン 著/中澤務 訳

教えてくれた人:納富信留(ギリシャ哲学研究者)

プラトンを読む。

2300年以上も昔、古代ギリシャで起こったギリシャ哲学。その代表格であるソクラテス、プラトン、アリストテレスといった名前は知っていても、読むまでには至らない人も多いだろう。

そこでギリシャ哲学を研究する納富信留さんにはじめ方を聞くと、「まずはプラトンがいいでしょう。ソクラテスはプラトンの著作によく登場したから有名なのであって本を残してませんし、アリストテレスは記述が論文的でやや難しいので」という答え。

「それにプラトンの著作はいずれも、大きく言えば“生きるとは?”が問われていて、現代人にも予備知識なしでストレートに響くところも多いんです。

例えば、『ソクラテスの弁明』では、ソクラテスが死刑判決を受ける裁判の様子が対話形式で描かれてますが、彼は“吟味のない生は生きるに値しない”と言います。

実際、彼は正義や人生についていろいろな人と議論を戦わせ、絶えず探求し続けました。今の私たちに重要なのも、何事に対してもすぐに答えを出そうとせず、吟味し続けること。
その点、プラトンの著作は一緒に考えてくれる最高の相手になるはずです」

入門におすすめの3冊。

Information

『ゴルギアス』プラトン 著 加来彰俊 訳

『ゴルギアス』加来彰俊/訳

ソクラテスと3人の人物の対話を通して、弁論術に潜む欺瞞が明るみに出される。「言葉で誰かを信じ込ませることは正義か?」という現代に通じる問題も問われる。岩波文庫/1,111円

Information

『ソクラテスの弁明』プラトン 著/納富信留 訳

『ソクラテスの弁明』納富信留/訳

ソクラテスが死刑判決を受ける法廷弁論が描かれる。「哲学者として生きるということがものすごい迫力で描かれていて圧巻です」。光文社古典新訳文庫/990円

Information

『饗宴』プラトン 著/中澤務 訳

『饗宴』中澤務/訳

偉人たちが飲み会で愛を問う。「重要なのは誰かを好きになることではなく、その人と一緒に何かを生み出すことだとされるのがポイントです」。光文社古典新訳文庫/1,034円

profile

納富信留(ギリシャ哲学研究者)

のうとみ・のぶる/1965年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書に『ギリシア哲学史』『対話の技法』『プラトン哲学への旅 エロースとは何者か』など。

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