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ロンドンの中心部が「野菜畑」に?! 120種類の植物を栽培する都市型ファームがコヴェント・ガーデンに登場

  • 2022.9.6
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イギリスの首都ロンドンにあり、さまざまな施設が集中するウエストエンド地区の、さらに中心部にある「コヴェント・ガーデン(Covent Garden)」は、今でこそ、観光客やストリートパフォーマーで賑わう人気スポットとなっていますが、中世には「コンヴェント・ガーデン(大修道院の野菜畑)」と呼ばれ、修道院のみならず、ロンドンの住民が食べる野菜が栽培されていたエリアとして知られています。今回はそんなコヴェント・ガーデンからの話題を紹介します。

中世のような「野菜畑」に戻そうというプロジェクトが人気

コヴェント・ガーデン地図画像

イギリスの首都ロンドンの中心地、ウエストエンド地区の一画「コヴェント・ガーデン(Covent Garden)」。1980年に観光客を対象としたショッピングセンターとして生まれ変わるまで、このエリアは野菜や果物を販売する食料市場として利用されていました。そんなコヴェント・ガーデンを中世時代のような「野菜畑」に戻そうというプロジェクトが始動し、話題となっています。

コヴェント・ガーデンの一角にある「フローラル・ストリート(Floral Street)」のポップアップ・スペースには都市型ファーム (大都市の一画で農業を行い、食物を生産・流通させる農園)が登場。レタス、バジル、パセリ、パクチー、タイムなど120種類以上の野菜が、海洋プラスチックごみをリサイクルして作られたハイドロポニックス(無機質の肥料成分を溶かした培養液で栽培する方法)を用いて栽培されています。

それぞれの野菜は3~4週間おきに収穫することができ、コヴェント・ガーデン近辺で働くオフィスワーカーや住民が、収穫イベントを通して、サスティナブルな農業について学べる場ともなっています。なお、ハイドロポニックスは従来の土壌での栽培に比べて、約90~95%水を節約できる農法として、特にロンドンなどの都市部で注目されています。

都市型ファームの新しい試作で、さまざまな政策が進む

フローラル・ストリートにおけるこのプロジェクト は、オフィスや住宅地への都市型ファームの設置を専門とする「スクエア・マイル・ファーム(Square Mile Farms)」がコヴェント・ガーデンと共同で手がけたもので、コヴェント・ガーデンで進行している緑化政策のひとつ。すでにコヴェント・ガーデン全体 では1万種以上の野菜やハーブ 類などが栽培され、広場や歩行者専用道路 、ジェームス・ストリート(James Street)の垂直庭園(壁など垂直な場所で植物を育ててできた庭園)など、あちらこちらで都市型ファームを見かけることができます。

コヴェント・ガーデンの敷地を管理するCapco社のミシェル・マクグラス氏は、「弊社では最近、2030年までにネットゼロ(温室効果ガスの排出を正味ゼロにすること)を達成するための方針を固めたばかり。この都市型ファームの新しい施策は、ネットゼロを達成するために役立つばかりでなく、地元コミュニティにサスティナブルな方法で栽培した食材と、サスティナビリティについて学ぶ機会を与えるという点で、革新的な指導力を発揮しています」と話しています。

<参考サイト>
https://www.squaremilefarms.com/
https://www.timeout.com/london/news/an-urban-farm-has-popped-up-in-covent-garden-021522
https://www.standard.co.uk/news/london/covent-garden-urban-farm-sustainable-produce-b982497.html

文/薄井美代子
写真/Square Mile Farm

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