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“旅すること”を仕事に。複業トラベルライターになって得たスタンスとスキルとは?

  • 2022.9.2
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こんにちは、トラベルライターの土庄です。久しぶりに、旅とキャリアの記事を執筆してみようと思います。テーマは、複業トラベルライターになって得たスタンスとスキル。

2019年1月にトラベルライターをはじめて3年半が経過しましたが、本当に多くの機会に恵まれ、自分の糧になるものをたくさんいただくことができました。

本記事はその備忘録。これからトラベルライターを志す方、旅と仕事を掛け合わせたい方の参考になれば幸いです!

トラベルライターになった経緯と変遷

ます最初にトラベルライターになった経緯と、その変遷を振り返っていきます。

大手媒体でトラベルライターとしてデビュー

自分を変えるきっかけをくれた旅のすばらしさを伝えたいと、旅ブログを開設していた筆者。しかし、たくさんの方に読んでいただくことの難しさを痛感していました。

そこで大手旅行媒体のライター募集にエントリーすることに。書類と面接の結果、合格をいただき、駆け出しライターとしてデビューします。

当時、入稿制限がなかったこともあり、執筆に没頭。年間231記事を寄稿して、同メディアが発表するナビゲーターアワード2019の新人賞をいただくことができました。

専門ライターでなくオールラウンダーへ

トラベルライターになって1年が経過し、セルフブランディングについて考え始めます。

自分の専門領域を決め、地位を確立するのが大事とわかってはいましたが、そういった領域ではすでに影響力の強いブロガーやライターが多数存在するのが現状。

そこで、専門領域を持たず、そこそこ強い領域を複数持つオールラウンダーを目指すことを決意します。

ライター業存続のために営業をかけていた頃

2020年と2021年、新型コロナウイルス流行により、大きく打撃を受けた旅行業界。これにより執筆案件が激減していきます。

すでに複業がライフワークの一部になっていましたし、大切な収入源でもあったので、ライター業存続のためにいろいろな媒体へ営業をかけていきます。

テストライティングや執筆をひとつずつこなして実績を積み、現在は20を超えるメディア様とお付き合いをさせていただけるようになりました。

案件をいただけるようになった現在

各メディアで記事テーマを書き分け、セルフブランディングをしながらポートフォリオを育てることができました。

そうすると、ポートフォリオからタイアップ案件をいただく機会が増えていったのです。そのなかには某有名山岳雑誌や、誰もが知る業界大手メディアの執筆案件も。

実績を評価されて、次のお仕事につながる。会社の後ろ盾なく、半フリーランスとして活動できていることに大きな自信がつきました。

ライターの域を越えて

現在はライターの域を越えた活動を少しずつ展開しています。例えばフォトグラファーやコンサルティングといった活動です。

前者では、フォトコンテストに応募しながらクリエイターとしてのスキルを磨いています。まだまだ案件は少ないですが、いつか執筆と同程度まで育てたい、自分の注力ジャンルです。

後者では、自分の文章表現力やマーケティングスキルを使って、地域複業を行なっています。中小事業者様向けのコンサルティングには介在価値も多く、伸びしろを感じています。

身についたスタンス

次にトラベルライターになって身についたスタンスについてまとめていきます。一言で言うならば、「好きな旅を仕事にし、よりいっそう旅を楽しむ」というスタンスです。

好きなものを仕事にする楽しさ

トラベルライターとして獲得した一番大事なスタンスは「好きなものを仕事にする楽しさ」でしょう。

ライターである以上、常に文章と対峙しながら、いつも締め切りに追われています。それでもこなすことができるのは、この仕事がこの上なく楽しいから。

忘れられない旅行体験、その文章・写真を通じて、誰かのかけがえのない旅へとつながれば、これ以上にうれしいことはありません。また道中お世話になった旅行先の方に、せめてもの恩返しができるのでは?とも考えています。

当時、働くモチベーションを見失いかけていた筆者にとって、トラベルライターという仕事は、働くことの楽しさとやりがい、そして貢献実感を与えてくれたのです。

発信の切り口が変化

トラベルライターになったばかりの頃は、自分の好きな観光スポットを発信する、いわゆるガイド記事が多かったのですが、最近は少しずつ変わってきました。

登山と自転車を組み合わせた旅スタイルや、旅×キャリアのように複合ジャンルの記事など、自分ならではの切り口を大切にしています。

また扱う単体のジャンルも大きく広がりました。いろいろな旅行先と向き合う中で、興味関心のあるもの、深掘りしたい内容が広がってきた証拠です。

旅行がより楽しく

旅行先の魅力を取り上げて、文章に表現するトラベルライター。実は「文章を書く能力」よりも「旅行先でどれほど濃い経験をするか」の方が大切です。

そして、その濃い経験を引き当てるためには、アンテナ(情報収集スキルや旅行先での運)が必要になってきます。

経験を積むほど、より濃い経験を引き当てるアンテナの精度が上がり、トラベルライターになる前と比べて、旅行がより充実したものになっていきました。

結果として、充実した旅行がよいコンテンツを生み、そしてまたすばらしい旅行につながるという好循環が生まれています。

身についたスキル

それでは、トラベルライターになって身についたスキルについて紹介していきましょう。一言で言えば、「セルフマーケティングを起点に戦略を立て、PDCAを自ら回すスキル」です。

ビジネスをすべて自分で回す力

今まで本業の会社3社とも営業職のキャリアを歩んできた筆者。売上目標から検収にいたるまで、数字にかかわることを担ってきましたが、いまいちピンときていませんでした。

しかし、自らの事業の成長・売上となると話が変わってきます。

自ら立てた「今月はここまで頑張るぞ!」という受注目標との乖離がある場合、企画の提案数を増やしたり、営業のアタック先を増やしたりすることもしばしば。また検収予定日に振り込みがなければ、取引先とやり取りすることもあります。

自ら事業の見通しを立て、そのためにどう行動するか。マイクロビジネスを1人で回せることになったのは大きなスキルアップです。

セルフマーケティング力

トラベルライターの門戸は広いため、駆け出しとして始められても、好条件の案件獲得を継続していくのは難しいでしょう。食べていけるための案件を獲得するには、ブランディングが欠かせません。

「どういうコンテンツを作っていきたいのか」「自分はどういうライターになりたいのか」という視点と「どうすれば生き残れるのか」という視点のふたつが必要になります。

イメージとしては、既存の執筆案件を取りにいくというより、自分しか書けないテーマやコンセプトを掲げて、新たな記事のニーズを探しにいくのがおすすめ。

ブランディング戦略を通じて、自分の記事の付加価値を上げることができれば、収益は安定していくでしょう。

複業を通じたキャリア戦略へ

趣味である"旅"から始まったトラベルライターという複業。最初は趣味の一環として、楽しくやれればいいな……程度の思いでした。

しかし今となっては、自分が自分であるために欠かせない仕事に。唯一無二のやりがいを得られ、圧倒的にスキルアップできて、生活を支えてくれるライフワークになってくれています。

そして昨年、旅行業界への転職を決めたように、筆者にとって将来の指針でもあるのです。これからライティングをひとつの強みとして、キャリアを歩んでいこうと心に決めています。

複業は自分の殻を破る経験

ざっくりではありますが、トラベルライターになった経緯、その変遷を踏まえながら成長できた観点を記してみました。

自分の好きなことや、本当にやりたいことが見えてくると、過去の自分からは想像もできなかったような行動力や粘り強さが発揮できます。

複業トラベルライターを始めたことが、機会や成長の循環を生み、自分の殻を破るという経験をもたらしてくれました。

もし、かつての筆者と同じく、仕事に全モチベーションを注げないなら、ぜひ本記事をひとつの参考にして「好きなことを仕事にする」を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

All photos by Yuhei Tonosho

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