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野沢直子、59歳。「ほうれい線が魚のエラに」見えた時、悟ったことは?

  • 2022.9.1
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「ふとスタジオにあるモニターを見て『あれ、フナがいる』と思ったら自分の顔だった」――

アメリカ在住のタレント野沢直子さんが、60歳を前にした等身大の自分を綴ったエッセイ『老いてきたけど、まぁ~いっか。』(ダイヤモンド社)が10月5日に発売される。

「自由奔放」という言葉が似合う野沢さんは、高校時代にテレビデビューし、叔父の仲介で吉本興業に入社。人気絶頂のなか日本での芸能活動休止を宣言し、単身渡米してから早くも30年が経った。唯一無二の発言と生き方、圧倒的な行動力。本書では、そんな野沢さんが「老い」との向き合い方をこんなふうに書いている。

「見た目も中身も劣化してきた、でもそれは皆だから安心してほしい」
「介護はプロに任せて、自分もしてもらわないつもり」
「人に迷惑をかけない範囲で、良い意味でわがままになろう」
「ここにきて、誰も彼も平等に老いていく。ここで人生は平等になる」
「オリンピック選手は無理だけどでも新しいことを始める」

寛容に構えるつもりだった。なのに...

「1人でアメリカに行けちゃう野沢さんだから、老後だって自由でしょ」と思うかもしれないが、奔放に見える野沢さんにも、もちろん「老い」への不安はある。

【本文より】
この『見た目劣化』のどの部分から気になるのかは個人差だとは思うが、特に女性の場合は皮膚のたるみ、しわ問題から入っていくのではないだろうか。
私は個人的にはしわに関しては『生きてきた証』として捉えよう、と寛容に構えるつもりだった。そう、そのつもりだった。
だが、しかし、それはあの日から変わった。50代を迎えたくらいの頃だっただろうか、テレビの仕事をさせてもらっている時にふとスタジオにあるモニターを見て『あれ、フナがいる』と思ったら自分の顔だった。あの時は衝撃的だった。そう自分の顔が、あの魚のフナに見えたのだ。ちょっと口を半開きにしながら、誰かの話を聞いている時の自分の顔がフナに見えたのだった。
モニターを見ながら自分で分析してみた結果、ほうれい線が濃くなってしまったお陰で、ほうれい線のところが魚のエラの線のように見えて、ちょっと開いて下がってる自分の口が魚っぽくてのフナが完成したことがわかった。これには本当にがっかりした。がっかりしながら、小学生の頃に理科の授業でフナの解剖をやった時のあのエグさを思い出してぞっともした。これは、あの時のフナの祟りなのかもしれない。

野沢さんらしい軽妙な語り口に笑い、時に胸が熱くなる。野沢さんと同世代の方も、これから40~50代を迎える方も、つねに自分らしさとユーモアを忘れずに生きてきた先輩から勇気をもらえる一冊。

第1章 見た目も中身も劣化してきた、でもそれは皆だから安心してほしい
第2章 介護はプロに任せて、自分もしてもらわないつもり
第3章 もうわがままになろう
第4章 みんな同じスタート地点、人生はここに来て平等になると捉える
第5章 オリンピック選手は無理だけどでも新しいことを始める。

■野沢直子(のざわ なおこ)さんプロフィール

1963年東京都生まれ。高校時代にテレビデビュー。叔父、野沢那智の仲介で吉本興業に入社。91年、芸能活動休止を宣言し、単身渡米した。米国で、バンド活動、ショートフィルム制作を行う。2000年以降、米国のアンダーグラウンドなフィルムフェスティバルに参加。、ニューヨークアンダーグラウンドフィルムフェスティバル他多くのフェスティバルで上映を果たす。バラエティ番組出演、米国と日本でのバンド活動を続けている。現在アメリカ在住で、年に一~二度日本に帰国してテレビや劇場で活躍している。
著書に、『アップリケ』(ヨシモトブックス)、『笑うお葬式』(文藝春秋)がある。

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