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辻 仁成の"パリ・サラダ"|第二十回"パスタのサラダ"

  • 2022.8.26
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辻さん流パスタのサラダのつくり方をご紹介。作家、ミュージシャン、映画監督など幅広く活躍をしている辻仁成さんは、本誌の連載「キッチンとマルシェのあいだ」でも書いているように、多彩で美味しい料理をつくります。パリに住んで20年の辻さんによる、美味しさと思い出の詰まった“パリ・サラダ”のレシピです。

辻 仁成の"パリ・サラダ"|第二十回"パスタのサラダ"

■山と海のピリ辛のサラダ

世の中には「パスタ・サラダ」なるものが出回っている。野菜がちょっと入った冷たいパスタなのだけど、これをサラダと言ってもいいのか、結構、長いことぼくは悩んで生きてきた。

パスタをサラダにしてしまうと、パスタにもサラダにも申し訳ない気持ちになってしまう。でも、パスタサラダはちゃんとした一皿としてその存在感をしっかり堅持している。今日、ぼくがご紹介するこのパスタサラダも、これって冷製パスタじゃん、と批判されたら、反論のしようがない。しかし、こういうのをフランスや欧州では「サラダ」扱いにしているので、目をつぶって頂きたい。笑。もっとも、パスタも小麦なので!

食欲がない夏の暑い時期は、冷えたパスタサラダに逃げることが多い。こういう時に使うパスタはショートパスタと決まっている。リガトーニだったり、シェルだったり、コキエットだったり、マカロニだったり……。

ところが最近、めちゃはまっているのが、こちら、Casarecce(カサレッチェ)である。このパスタ、シコシコの弾力の中にモチッとした柔らかさが混ざり、なかなかに美味な高級麺なのである。トマト系、クリーム系、どちらにも応用可能だが、そのままでも、独特の食感が残り、実に美味い。

ということで、今日は、パスタそのものの高級感を利用して、サラダを作る。お惣菜屋さんやイタリア食材店などで手に入る贅沢な食材を組み合わせて作るサラダ……。え?それは料理じゃない?いいや、フランス人はそういうものを料理と呼ぶのです。

そもそも、一から作ったら大変なことになるので、あちこちのお惣菜屋さんの自慢の食材を集めて組み合わせ、混ぜ合わせ、最高を生み出すことに何の恥じらいが必要であろう。全部を一から作ってサラダを食べる人などいない。逆にサラダくらい組み合わせ勝負の料理もないので、ここは各専門家の最高の食材を組み合わせることで生まれるサラダ的ハーモニーの醍醐味をご堪能頂きたい。

□パスタのサラダのつくり方

◇材料 (つくりやすい分量)

ツナ:適量(イタリアン惣菜店でゲットした瓶詰の高級ツナ。36ユーロ、約5000円)
ショートパスタ:適量(今回はナポリのCasarecce)
ドライトマト:適量(イタリア食材店でゲット)
葉野菜:適量
セロリ:適量
紫玉ねぎ:適量
シブレット:適量
ゆで卵:1個
オリーブオイル:適量
サワークリーム:大さじ1
フルール・ド・セル:適量
胡椒:適量
ピーモンエスプレット:適量
レモン汁:適量


材料
材料

(1)野菜の下ごしらえ
まず、野菜はお好きなサイズにカットする。例えば、紫玉ねぎはスライス、ドライトマトやセロリはざくざくっとカットしておく。

(2)パスタをゆでる
Casarecceを硬めにゆで、ボウルに取り出す。カットした野菜の半分をここにいれ、クレームフレッシュ(日本だと手に入りにくいのでサワークリームで代用可能ですが、でも、クレームフレッシュ、出来ればフランス製の本物で試していただきたい。サワークリームとはちょっと違う。酸味がなく、クリーミーなのだ。濃厚な生クリーム?)で和える。

パスタをゆでる
パスタをゆでる

(3)調味する
②にレモン、塩、胡椒、オリーブオイル大さじ1で味つけをしておく。

(4)仕上げる
お皿の底にカットした葉野菜のルッコラやサラダ菜などの半分を敷きつめ、②のパスタサラダをのせ、残った半分を周囲に散らす。最後に瓶詰のツナをどんと中央に横たわらせ、シブレットを飾り、ボウルに残ったクリームソースを回し掛けすれば、完成となる。

完成
完成

お好みで、オリーブオイル、フラー・ド・セル、ピーマン・エスプレッドなどで味付けし召し上がれ。ボナペティート!!!

文:辻 仁成 写真・協力:Miki Mauriac

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