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現役教員が語る! 日本の学校で「非常識な教師」が生まれるワケ

  • 2015.10.20
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【ママからのご相談】

小学校2年生の子を持つ母親です。クラスの担任の先生が50代の男性です。子どもたちには優しくて教育熱心な先生だなと思うのですが、私たち母親に対して威張った態度で接してきます。旦那に相談したら、「学校の先生なんて世間知らずな人が多いんだから放っておけ」 と言われました。確かにそう感じることが多いです。学校の先生ってどうして世間知らずな人が多いんでしょう?

●A. 現役教師もしくは教員経験ありの人からの本音4連発!

こんにちは。ライターのakiです。

教員経験ありの筆者から言わせていただくと、ほとんどの先生は尊敬できるいい方が多いと思います。教師を志すということは、本気で子どもたちを愛し教育に情熱をささげてるんだな……と感動すらします。

しかし、確かに中には、「ええ?」と思われる同業者の方もいました。相談者様がおっしゃるようにいわゆる世間知らず、非常識、と思われる先生方です。

・無断欠勤する

・生徒やその保護者に失礼な物言いや態度をする

・好き嫌いで生徒をひいきする

・自分を正当化して絶対に謝らない

などです。

では、そのような先生方が輩出される原因はなんであるのか。教員の方々から匿名で聞いてみました。

●教員経験者が語る独特の世界観4連発

●(1)先輩後輩の概念がなく、上司もおつぼねもいない

教員は、なったその日から一国一城の主人。この春まで大学生だった人も配属されれば『先生』。基本的に、先生同士は先輩後輩の概念がないので年齢に関わらず同等の同僚。もちろんお互い敬語です。

新米の先生ほどなめられたらダメと思うのか、生徒や保護者に対して必要以上に厳しかったりもします。あまりにもトンチンカンな振る舞いをしている先生がいたので、さりげなくアドバイスしたのですがプライドを傷つけられたといわんばかりの顔をして無視してくるようになりました。

『民間企業でそれなりの役職についてる保護者から、懇談会でこてんぱんに論破されている先生もよく見かけます。実際、保護者の方の方が社会をわかっているのかもしれません。会社では上司やおつぼね様がいて社会のマナーを教えてくれるものですが、そういう人がいないので我流でどんどん勘違いしたまま年齢を重ねる人がいるのかもしれません。もちろん、そんなこと関係なくしっかりと責任感と常識をもった先生の方が多いんですけどね』(30代中学教員)

●(2)「他のクラスのことに口を挟まない」という暗黙のルールがある

隣のクラスの担任の先生が、忘れっぽく情緒不安定なタイプの先生でよく生徒に迷惑をかけていました。でも教員の世界では基本、自分のクラス以外のことで口を挟むのはタブーとされています。個々の先生が責任をもってそのクラスを任されているのですから。明らかに、「おかしい!」と思ってもスルーするしかないのです。自分だって、他のクラスの担任から自分のクラスのことをあれこれ言われるのは嫌ですし、そういうことをお互いやりだすと収集がつかなくなります。

『学年主任はいますが、その先生も自分のクラスを持っているので、自分のクラスで手いっぱいです。そういう意味で、複数の人間が客観的にクラスを見れる環境ではないので一元的な意見がまかり通ったりするのかもしれません』(20代中学教員)

●(3)アウトプットばかりで自分が吸収できることが少ない

勉強を教えるのはもちろんのこと、ときには人としての振る舞いなども壇上で話さなければなりません。でも、先生になってから人に教えるばかりで自分が学んだり教えてもらえることって少ないんです。ですから、ゆっくり時間をかけて研修に行ったり自身の見聞や知見を広めたいなあ……と思うこともあります。

『思い切って退職して2年間海外留学して帰ってきた先生は、いろんな経験をして引き出しが増えました、と生き生きしてましたっけ。そういう意味では、教員もどんどん外に出ていろんなことを吸収できる機会がほしいな、と思います』(40代高校教員)

●(4)叱られたことがない人が人を叱れるわけがない

教員になる人は、ほとんどが学生時代は優秀な模範生。先生に怒られることも少なかった人が多いです。ですから、最初は生徒にどう叱っていいのかわからない先生も多いと聞きます。感情論で怒ってるだけだったり、ただ単にくどくど心に響かない言葉を言ってるだけだったり……。

『会社にいると、お客様からお叱りを受けたり頭を下げたりする機会もあるのですが、そういうのもないですしね。ですから、妙にトンチンカンだったり横柄な先生も多いです』(30代高校教員)

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以上、いかがでしたでしょうか。筆者が、教育実習に行ったときの担当の先生のお言葉が今でも耳に残っています。「教師になりたければ、まずは民間の会社に就職して社会に揉まれてからの方がいい」という言葉通り、筆者も新卒後は民間の会社に就職しました。

そこでは、先輩社員から社内外のマナーを学んだり、お客様に頭を下げたりと学生のときには学べなかった社会のルールを知ることができました。それが、教員になってからも生かされたような気がします。

全ての先生が、非常識だと言ってるわけではありません。何度も言うように、大半の先生は真摯に教員業に取り組まれているし世間知らずということもありません。

しかし、教員が独特の世界であるのは事実です。そんな裏の世界を少しわかっていただけたでしょうか。

●ライター/aki(中高英語教員)

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