俳優・佐野勇斗さんインタビュー「追い詰められると立ち向かいたくなる。ドM気質なのかも(笑)」

レディたちが気になる「彼」の本音に迫る『#いま彼を知りたい』。今回は、ドラマ「TOKYO MER」や「真犯人フラグ」など、話題作で注目度急上昇中の俳優・佐野勇斗さんのインタビューをお届け。画面越しでもキラリと光る存在感を見せているけど、実際の佐野さんは完璧なビジュアルも、見る人の視線をそらさせないキャラも、さらにプレシャス。「この人を推したい！」 そんな胸アツな気持ちにさせてくれました♡

芸能人に「なりたい」というより 「なれる」と思っていました

――以前、鷲見玲奈さんが美人百花本誌のインタビューで「相手が受け入れ態勢で来てくれたら、 それだけで『大好き！』ってうれしくなっちゃう」と言っていた。そう感じることも、そう感じさせる相手と出会えることも素敵だと思っていたら、目の前に現れた。「よろしくお願いします」と、ウエルカムオーラ満点、キラッキラの懐っこい瞳で挨拶してくれた佐野さん。その瞬間、美人百花スタッフ全員「大好き！」(笑)。この〝ハートをわしづかむ〞スキルは天性なのか、それともこの仕事で身につけたものなのだろうか。

「人を楽しませるのは昔から好きです。だけど、この世界に憧れてはいなかった。母親が男性アイドルが好きで、物心ついた頃から『テレビに出てほしいなぁ』ってささやかれていたから、半分洗脳みたいな。芸能人になりたいというより、ずっとなれると思っていたんです」

――その想像どおり佐野さんは中3で応募したジュノン・スーパー・ボーイ・コンテストでスカウトされ芸能界入り。俳優やボーカルダンスユニット・M!LKのメンバーとしても活動するようになり、トントン拍子で〝芸能人〞に。それってとてもすごいのでは……。

「いや、デビューしてすぐ挫折しました。 根拠のない無駄な自信があったぶん『こんなに厳しい世界なんだ、全然追いつけない』って思い知らされたんです。そこから悩み続け3〜4年間は僕の中では暗黒期。でも、やめたいとは1mmも思わなかった。負けず嫌いだから、もがいている状況を楽しんでいる自分もいて。追い詰められると、何クソ根性で立ち向かいたくなる。ドM気質なのかもしれないです(笑)」

――暗黒期は昨年まで続き、抜けたのは今年。しかも、その原動力になったのは所属するM!LKの存在。佐野さんといえば最近は俳優のイメージが強かったので、ちょっと意外だった。

「M!LKは兄弟とか家族のような存在。この場所がなかったら、僕は暗黒期にどんどん自信をなくしてつぶれていたかもしれない。実は僕はあとから入ったメンバーで、加入当初は歌もダンスもまったくできなかったんです。でも、みんな僕を後追いメンバーだと思わせないぐらい、すぐ受け入れてくれた。彼らがいなかったら今の自分はいないです。それはファンの存在も同じで、グループがやってこられたのは僕らを応援し続け、支えてくれた人たちがいるから。どんなときも支えてもらったぶん、こっちが支え返したいって、ほんっとに、心の底から思っていて。僕の中では役者の仕事もグループに還元できたらいいなっていう気持ちが一番の指針。そして、M!LKでドームツアーをするのが一番の夢です。叶うまでは40になっても50になっても続けるつもり。そこはもう意地というか。おこがましいけど、それまでメンバーもファンもM!LKのことも、自分が守りたいと思っています」

――力強い。迷いのないその言葉には届く力があり、相手の心を一瞬で押し広げる温度がある。実は佐野さん、インスタライブではなかなかの毒舌キャラなのだけれど、これがまたいい具合の香ばしさ。言いたいことを言ってる感じが気持ちよく、クセになるのだ。

「僕、大人なのに嘘がつけないんです。そこはちょっといけないところ。ファンの人に夢を持ってもらうって意味ではダメかなって反省はしていて、こんな僕が嫌だっていうなら(そのキャラを)やめようと思っています。でも、僕の素を楽しんでくれている方もいるし、普段の自分もあんな感じだから、今のところはこのままでいいのかなと思って」

――そんな佐野さんに「今、いちばん機嫌がよくなることは？」と聞くと、「インスタのフォロワーが増えること」。ストレートすぎる！

「でしょ？ だから、こういう取材で『ここだけの秘密を教えてください』とか『裏側の顔を知りたい』とか聞かれると困っちゃうんです。〝ブラック勇斗〞もいるけど全部出しちゃっているし、見せちゃっているから、あえて教えられるものが何もなくて。本当にこのまんま、フツーの人間なんです(笑)」

ーー後編へ続く

Profile

佐野勇斗（さのはやと）

1998年3月23日生まれ。2015年公開の「くちびるに歌を」で俳優デビュー。「ドラゴン桜」「真犯人フラグ」など数々の話題ドラマに出演。待機作として2023年公開予定の「劇場版 TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」がある。ダンスボーカルユニットM!LKのメンバーとしても活動中。

Information

「テッパチ!」

陸上自衛隊を舞台に青年たちの成長と熱き想いを描いた、完全オリジナル企画ドラマ。自衛官候補生たちが任務に悪戦苦闘する姿や凛々しいビジュアルはもちろん、任務以外のお茶目な顔や笑えるシーンも注目です!

出演:町田啓太、佐野勇斗、白石麻衣/北村一輝 他

毎週水曜よる10時〜10時54分 フジテレビ系列にて放送中

ブルゾン¥273,900、Tシャツ¥72,600、パンツ¥129,800、シューズ¥53,900/以上ボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン) 他スタイリスト私物

掲載：美人百花2022年8月号「＃いま彼を知りたい」

撮影/中村完(f-me) スタイリング/伊藤省吾(sitor) ヘアメイク/望月光(PUENTE) 取材・文/若松正子 再構成/美人百花.com編集部