1. トップ
  2. スキンケア
  3. 災害時に備えたい【防災グッズ&防災コスメ】とは?心と体を守るためにできること

災害時に備えたい【防災グッズ&防災コスメ】とは?心と体を守るためにできること

  • 2022.8.14
  • 1045 views
教えてくれたのは…

NPO法人ママプラグ

冨川万美さん

東日本大震災の母子支援を機に、子連れや家族のための防災を啓発するためにNPO法人ママプラグ設立に携わる。被災体験を元にした「アクティブ防災」を、セミナーやイベントなどを通じて提唱している。

災害時に「防災コスメ」は必要? 【命を守る備え】【生活を守る備え】二つの基準で考えて

被災したときのことを想像して、まず大事なのは身の安全を確保して命を守ること。その後に、どうやって生活を取り戻していくのかを考えながら防災コスメをチョイスして。

「防災グッズは【命を守る備え】【生活を守る備え】に大別されます。たとえば食料や水、防寒具などサバイバル要素が強いのが【命を守る備え】。一方、衛生用品や携帯電話用のバッテリーなどは【生活を守る備え】です。防災コスメについては【生活を守る備え】として考えてみましょう。避難時は、普段の生活ができないことでストレスを感じるもの。コスメもそうですがストレスを軽減できる『好きなものに囲まれている』状況をつくるものを用意しておくことも、災害に備える考え方のひとつです」(冨川さん)

被災したらどんな生活になるのか? 最低2〜3日間は避難生活ができる準備を

「被災した場合、近くの避難所で過ごすことを想定しがちですが、自宅で過ごす場合もあれば、親類や友人宅で過ごすことも。ライフラインが復旧するまでほかの地域に移動するなど、選択肢はさまざまだということを念頭に。どんな場所に身を寄せることになるのかで、生活も変わってきます。避難生活の期間としては、安否確認が取れるまでの2~3日ほどをひとまずの目安にして、身を寄せる場所はどこなのかを想定しておきましょう」(冨川さん)

「防災コスメ」とは、ストレスフルな環境でメンタルを守るために必要なもの

非常時のスキンケアやメイク。こんな大変なときに、美容に気を配っていてもいいのかと不安になりそうな気も……。

「避難所で過ごす場合、プライベートな空間はほとんどありません。当然ながらメンタル的に落ち着いて過ごすことは難しい状況ですよね。とはいってもスキンケアをしたから、メイクをしたからといって白い目で見られたり、迷惑と感じる人はほとんどいません。災害時の美容はメンタルを保つためにも必要なことですよ」(冨川さん)

まず、災害時に持ち出す防災バッグの用意を

【命を守るための最低限の備え(最低3日間分)】

「持ち出し用の防災グッズは、ライフラインが止まる規模の災害を想定して一週間分の備蓄が目安になっています。とはいえ一週間分ともなれば、かなりのボリュームになるのでハードルが高く難しい場合もありますよね。ひとまずは最低3日間分を想定して、自宅でも避難所でもしのげるような備えをしておきましょう。また、災害時は情報がカギに。スマートフォンを充電するためのモバイルバッテリーは必須です」(冨川さん)

衛生面&メンタル面で避難生活が変わる。ぜひ備えておきたい防災コスメ

「災害時はメイクもスキンケアもままならず、マスクをつけっぱなしで過ごすことも多くなります。『時間が経って落ち着いてから鏡を見たとき、肌がボロボロですごく落ちこんだ』という被災者の体験談もありました。避難生活といっても、できるだけ日常使いしているコスメを使い続ける方法を考えてみては」(冨川さん)

日常使いしているコスメにプラスして、非常用の持ち出しグッズに加えておきたい厳選のアイテムはこちら。

1.水がなくても、メイクを落とせる【クレンジングシート】

水道が止まったときやお風呂に入れないときでも、顔だけはさっぱりさせたいもの。いざという時のために、シートタイプのクレンジングを常備しておくのがおすすめ。

Koh Gen Do クレンジングシート
Koh Gen Do クレンジングシート

10枚×3セット

¥713

洗い流し不要のクレンジングウォーターを、肌にやさしい100%オーガニックコットンに含浸。厚手で大判サイズのシートのため、顔から首まわり、ボディにまで使える。

2.お風呂に入れなくても、体の清潔を最低限保てる【ノンアルコールウェットティッシュ】

災害時は入浴できないことを想定して、カラダ全体を拭き取るノンアルコールタイプのウエットティッシュが活躍。衛生面では、膀胱炎や膣炎になる可能性を考えて、デリケートゾーンを清潔に保つグッズをプラスしておくのがおすすめ。

ユニ・チャーム シルコットノンアルコール除菌ウエットティッシュ
ユニ・チャーム シルコットノンアルコール除菌ウエットティッシュ

外出用26枚

オープン価格

自然由来の緑茶カテキンが配合されており、赤ちゃんが触るものにも使える、優しいノンアルコールタイプのウェットシート。

3.髪のベタつき&ニオイのストレスから救う【ドライシャンプー】

入浴できない環境下で重宝するのがドライシャンプー。避難生活が長引くだろうと想定している場合は、持ち出し用グッズの中に。自宅で過ごすことを想定している場合は、ドレッサーで保存しておいてもOK。

スティーブンノル ドライシャンプー
スティーブンノル ドライシャンプー

フレッシュフローラルウッディ

80g / オープン価格

4.一本で顔と体を乾燥から守る【ホホバオイル】

マルチに活躍するホホバオイルは防災コスメとしてお役立ち。顔だけでなく手やカラダなど全身を保湿できるホホバオイルはぜひ備えておきたいアイテム。

無印良品 ホホバオイル
無印良品 ホホバオイル

50ml/¥890、100ml/¥1590、200ml/¥2490

5.夏は日差しに照らされる時間が長い可能性も【日焼け止め】

日常的にスキンケアの基本となる保湿と紫外線対策。災害時でもこの二点が基本になることは変わりなし。とくに夏場の災害時は、片付けや移動が多くなって日射しを多く浴びる場面が想定されるから防災コスメに欠かせないアイテム。

アリィー クロノビューティ ジェルUV EX
アリィー クロノビューティ ジェルUV EX

40g / ¥1155(編集部調べ)

6.1セットあると安心感が違う【トラベルセット】

スキンケアはできる限り毎日使っているものを継続して使うのがベター。とはいえ、持ち出し用グッズとしては、旅行先に持っていくようなトラベルサイズのアイテムや、サンプルなどかさばらないアイテムを備えておくと◎。

雪肌粋 スキンケアセット M
雪肌粋 スキンケアセット M

¥1375

7.いつも使っているものを持っていると安心【生理用ナプキン】

いつも通りにしておきたいNo.1ともいえるのが生理用ナプキン。お気に入りのナプキンを常備しておくことで、災害時でも普段のスタイルを保てるように用意しておくのが正解。タンポン派の人はタンポンを、月経カップ派の人は月経カップを、というように「いつも通り」のスタイルでいられるような準備を。

必要最低限のメイクアイテムを見極めて、毎日の持ち歩きポーチに忍ばせよう

毎日持ち歩くメイクポーチも、防災という視点から一度点検を。

「災害時には避難所に限らず、報道陣が取材に入っていることも。ただでさえストレスフルの環境なのに、否応なしにカメラに映り込むことで、さらにすごく落ち込んでしまったという被災者のリアルな体験を聞きます。『せめて眉だけでも描いていれば、気持ちも違ったのに』という声もありました。『災害時だからメイクもスキンケアもやらない』とは考えず、災害時でもできるメイクやスキンケアを自分の視点で考えておきましょう。すっぴんでもメンタルをキープするために眼鏡を入れておくのもいいですよね」(冨川さん)

例えば……
エディターTの毎日持ち歩ける“最低限メイクセット”

「人それぞれですが、私は普段メイクを頑張っているのに、時にはカメラも向けられるプライベートがない避難所で、自信が持てない顔を晒し続けるのはかなりストレスだと思いました。この5点さえあれば、人前で生活する最低限のメンタルを保てるのではと思い、選びました」(エディターT)

自分なりの「最低限メイク」ができるアイテムをポーチに常備しておくと安心。メイクアイテムに加えて、お気に入りの香りのハンドクリームやアロマオイルをしのばせておいても、いざとなったときのメンタルケアに一役買ってくれるはず。毎日のスキンケアやメイクで使っているものを見直していざとなったときに安心&信頼できる【防災コスメ】の備えをいちど整えてみて。

撮影/日下部真紀 取材・文/丸岡彩子

元記事で読む
の記事をもっとみる